お店暇です。・:*+.\(( °ω° ))/.:+
まぁ、しょうがないです。
施工を続けましょう。
これには締め切りががっちりあるのです。
台車の構造変更をしていきます。
完全復元というより走行をちゃんとするモデルに作り変えていきます。
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哀れバラバラ。
でもそうしないと走りません。
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1.5mmドリルで3mm程度、孔を掘り下げます。
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先端を平らに削った特製タップ(自作改造?工具)
を持ちだして
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ねじ山を切っていきます。
こうするとほぼどん詰まり孔にもネジが切れます。
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持っている補修用段ネジを(すんません、そこ居らに売っているようなもんではありません)
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短く削って孔に合わせます。
それで組み付けます。
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これが
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ほら。
簡単に持ち上がるくらい、ヒネることが可能になります。
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自由自在。
これで脱線はしなくなるでしょう。
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0.4の燐青銅線を巻きつけてバネを作ります。
本当はバネがあったはずですが、「脱線するのはバネのせいだ」と最初のオーナーは考えたと思います。
で、バネを取り払っていたと思われます。
ただ、台車が根本的に歪んで渋い状態では、いくら台車支えバネを取っても、脱線が治らないのです。
そこで、最初のオーナーはこの車を諦めたと思います。
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バネは探せばあるのでしょうけれども、費用がかかるので安価にするには制作すればよいのです。
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ちょっと歪ですが、大丈夫。
ちゃんとバネが効きます。
で、組付けも完璧です。
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台車に適切な自由度が与えられ、適切な構造に生まれ変わりました。
確かに、それなりの工具とそれなりのアイディアとそれなりの部品がないと修理はできなかったでしょう・・・。
最初のオーナーは著名なメーカーの普及品だったから、安心だったという想いを壊されて悔しい思いをしたことでしょう。
でも、90年代に入るくらいまで、鉄道模型は「手工芸品」「マニュファクチャライズ」でした。
製品ブレも結構大きく、こういった不幸なことがあったけど代わりもなく、さぞ落胆したことでありましょう。
「日本製伝説」は最近あまりにも要求が高すぎて、製造できないレベル、または製造する作業の方にはものすごい精神的負担の末に何とか出来てもミス一個あると全てが非難に晒される時代より、まだ、人間的であったような、気がします。
でもこのレベルであると、修理依頼すれば、「当時なら」対応してもらえたような・・・気がします。
但し、この時代のものはシンプルですから、現代でも「工芸的手法」でいくらでも復活させることは可能ですね。
現代製品は、正直、40年後直せると思えない・・・。
それは精工すぎたり専用部品や経年劣化材質があまりにも多いから・・・。
(樹脂ってなんだかんだ十数年で崩壊する可能性が大きいです。柔軟剤も抜けるので、逃れることは難しいですね)
さておき、
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ちゃんと接地しています。
多少の凸凹もきちんと追随します。
完璧。
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よっしゃ!完璧です。
ちゃんと走りだしました!!!
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走行が上等なものになりました。
なんせ、パーツ類が摩耗していないので、走りがおそらく、当時の良い状態のままです。
致命傷は、解決出来ました。
あとは、軽く塗装して、剥がれたボディを整えて、お化粧をしてあげるのみとなりました。
38年前の製品は、初期インシデント状態から・・・・どうやら、復帰できそうであります。
ここまで作業時間、のべ8時間です。