子どもが嫁いで居なくなり、孫が来ないので今年はお雛さんを出すことはありません。また、梅や菜の花の便りもまだ遠いが、気分的に春が目の前までやって来ている、そんな季節になったと実感するにはお雛さん行事は欠かせないのかもしれません。そこで、簡便なお雛さん色紙を出しました。少し物足りなさを感じますが、これだと場所や片づけ時間をとりませんし、色紙も偶には出してあげないと可哀そうと言うものです。そうなると、あられや甘酒が欲しくなりますが、男一人では恰好がつかないのでお供えは止めました。
ひな祭りも調べてみると奥が深い。雛あられと甘酒だけについてふれます。
雛あられは関東と関西では違うと知っていましたか。関東ではポン菓子で、砂糖味です。関西はお餅を1cm四方に小さく切ったおかき・あられで、塩味、しょうゆ味です。菱餅を野外遊び用の携帯食料にした関西風が本来の雛あられでしょう。だから、あられには菱餅の赤、白、緑色があります。これに黄色を加え四季の色として一年を健やかに育って欲しいとの願いが込められています。
ひな祭りの歌「 あかりをつけましょ ぼんぼりに …」の3番目「 金のびょうぶに うつる灯を かすかにゆする 春の風 すこし白酒 めされたか 赤いお顔の 右大臣」に白酒が出てきます。で、白酒を甘酒だと勘違いをしてました。では白酒と甘酒の違いですが、白酒は米と麹を使って仕込んで、日本酒の搾る前のもろみを練り潰します。だから、にごり酒はにごり部分と澄んだ部分とに分かれますが、白酒は分かれません。甘酒はご飯やお粥に米麹を混ぜて一昼夜55℃前後で保温し、デンプンから甘い糖分を引き出したもので、この方法で作られたものはアルコール度数1%未満なので、甘酒とはいうもののお酒には該当しませんから子どもでも飲めます。しかし、簡単に酒粕から造られたものがあり、これはレキッとしたお酒です。