堤保有つれづれ日記

つれづれに感じること

江上剛著「非情人事」

2011年04月14日 | 読書

 古本屋に行き、本を探した。
 私の読書傾向として、新しい作家になかなか親しめない。どうしても今までに読んだ著者の作品の中から物色してしまう。
 気に入った作家の作品ならば、当たりはずれがない、たまには駄作があるがほとんど満足した読後感が得られる。
 この年になるとつまらないものに時間をとられるのがもったいないからである。
 従って、読んだことのない作家の作品は敬遠してしまう。

 今回は、初めての作家である江上剛の「非情人事」を選んだ。
 一連の作品群から「経済小説」のジャンルのものだということが分かった。
 今まで経済小説、企業小説はほとんど読んではいない。
 というのも私自身経済の分野は特に疎いと言う事もある。
 大学在学中も経済にはあまり興味がなかった。

 今はおそらく死語となってしまったであろうが、私の大学時代は「近経」か「マル経」に分かれ、大学もそのどちらかの傾向にあった。
 私が在籍した大学はマル経であった。
 唯物論に不快感を持っていた私には経済学からさらに遠ざかる原因であったかもしれない。

 今まで経済小説は読んでいないと言ったが、唯一の例外は城山三郎である。
 20冊前後読んでいる。
 勿論、城山三郎はこのジャンルでの先駆者であり第一人者である。
 その作品の主人公が歴史上の著名人であり、私の尊敬する人物であったので、そのあたりから入りやすかったのかもしれない。

 その後、TVで何回か見たことのある幸田真音の本を買ったが途中で投げ出してしまった。

 江上剛の非情人事は短編集で、冒頭の作品がNTTであり、続いて信用金庫の話である。
 両者ともに私が現職時代にお付き合いをいただいた方々のなのかに、それらに深くかかわっておられた人たちがおり、その社会がある程度身近に感じられたからかもしれない。
 意外と面白く読めた。
 次に、長編を読んでみたい。

 三小の校庭で意外なことを発見した。
 極めて常識的なことだろうが、驚いた。
 満天星つつじである。
 今の季節、枯れ木であったものに、花と葉が同時に顔を出す。
 満天星つつじが地味な存在で、あまり気にしていなかったからであろう。

     


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