古川隆久著『昭和天皇 「理性の君主」の孤独』(中公新書)を買った。
昭和天皇を通して、昭和、特に、第2次世界大戦の顛末を知ろうと思った。
先日、城山三郎の「落日燃ゆ」を見た。原作も読んだがあまり記憶にない。
文官として唯一人死刑判決を受けた。城山三郎は、従来の広田弘毅像に新たな解釈を加えた。
この小説を読んで、私が、考え方を変えた人物がいる。それは吉田茂である。世間での吉田茂に対する考えは様々あるが、米軍占領下における首相としての考え方や行動には一定の評価を与えたい。
「落日燃ゆ」に描かれた広田弘毅に対しては、同情こそすれ、評価するには躊躇する。
結局、政治家には厳しいようだが、結果責任が問われる。
歴史上の人物の実像に迫ることは、実に難しいと思う。
残された、文献や、史料をどう解釈するかにある。文献や資料自体もその人が置かれた状況で悪意のものや、逆に故意に賛美されたものなどが混とんとまじりあっている。あるいは、故意に抹殺されてしまっている。
立場の異なる、多くの人の著作を読み、判断するしかない。
昭和天皇に対してもそうである。
昭和天皇について書かれたものを読むのは初めてである。