門前の小僧

能狂言・茶道・俳句・武士道・日本庭園・禅・仏教などのブログ

「駅のホームで」Jen McGowan監督 アメリカ 2009

2014-06-02 20:56:15 | 日記
http://www.brillia-sst.jp/theater_program/cat216/

たった13分の無限の命のドラマ。
ぼくは3年前、この映画に生命の尊さと人間存在の素晴らしさを感じ、ラストでは涙を止めることが出来なかった。
もしも機会があれば、すべての映画ファンに見てもらいたい名作だと思っている。

ショートショートフィルムフェスティバル2014開催中!

2014-06-02 20:38:09 | 日記
http://www.shortshorts.org/2014/
今年で16回目を迎えました。全世界から今まさに旬のタレントを紹介する映画のフェスティバル。

すべての映画ファン必見!
〔ショートショートフィルムフェスティバル2014〕

原宿・横浜で6/15まで連日開催中です。全200本が無料で見られるんだ。別所哲也さんに深く深く感謝。ぼくは先週土曜日にCGアニメプログラムを見ましたが異常なほど、どの作品もクオリティが高く、ディズニーやハリウッドに絶望しているクリエイティブピープルには強力リコンメンドしたいイベントです。

「怖さの正体を見極める」宇宙飛行士の不動智

2014-02-02 09:27:49 | 日記
禅は、生と死を分かたず、これを克服することを教える仏教。
ここから、今この一瞬に全存在をかけて生き抜く「一期一会」の思想が生まれ、茶道や能、庭、日本画、俳諧、武士道など、日本独自の文化が生まれ、形成されてきたのです。

俗説ですが、生涯不敗の剣聖、宮本武蔵を鍛え上げたとされる沢庵和尚の「不動智」は、死を超克する当時の武士にとって必須であったに違いありません。
現代に目を転ずると、武士はもう日本に存在しませんが、死と隣り合わせの職業といえば、まず宇宙飛行士が思い浮かびます。宇宙船打ち上げの瞬間、大気圏突入、船外活動、軌道修正時…。あらゆる時間、局面において彼らは“無”そのものである宇宙と対峙し、苦もなく死を引き受けているのです。

過日、日経新聞別紙にて、宇宙飛行士、野口聡一さんの談話が紹介されました。

「飛行士になり、死を真摯に考えた」
「日常生活でも訓練のように、いつも緊急対応を考える癖がついた」
「怖さの正体を見極め、リスクを最小限に抑えることが大切」

NASAやJAXAで、日本の禅がトレーニングに直接取り入れられているとは思えませんが、日々の過酷な訓練で、まさしく宇宙飛行士は禅的な超克を体得しているようです。
以下同記事の、野口さん談話をご紹介させていただきます。



宇宙はシビアな環境なので、危機管理がとても大切です。すべてのリスクをなくすのは無理なので、トラブルに応じた対応方針を事前に決めます。機械の故障でも即時修理の必要性など優先順位をつけて対応します。
重大トラブル時は明確で、まず飛行土の生命、次に国際宇宙ステーション(ISS)、実験です。どれかを放棄すべき局面でも迷いません。

もちろん、そんな局面はまずありません。初の船外活動では宇宙船に戻るハッチが一瞬、開かずに焦りました。しかし、退路が断たれる状況にならないよう対応が考え抜かれていたので、落ち着いて行動できました。
多重トラブルの訓練もします。「次に起きたら絶対嫌だな」という最悪のトラブルを、教官は必ず発生させてきます。日常生活でも訓練のように、いつも緊急対応を考える癖がついてしまいました。

危機管理とは、実はチームワークと表裏一体です。明確な対応方針のほかに、正しい状況判断が欠かせないからです。チームが機能すれば情報を素早く共有でき、多くの視点で状況判断できるのです。

スペースシャトルは70分の1の確率で事故が発生します。宇田航空研究開発機構(JAXA)
の飛行士になり、死を真摯に考えました。私にとって飛行士とは、そのリスクを引き受けるに値する役割との結論にたどり着きました。リスクは宇宙飛行だけでなく、生活すべてに存在するでしょう。危険があると怖くなりますが、怖さの正体を見極め、リスクを最小限に抑えることが大切だと思います。

(2014/2/1日経新聞「日経プラス1」知求見聞 野口 聡一氏)



【言の葉庵】沢庵、武蔵関連コンテンツ

・沢庵宗彭『不動智神妙録』
http://nobunsha.jp/blog/post_141.html

・宮本武蔵『五輪書』
http://nobunsha.jp/blog/post_67.html

TVの能狂言を考える

2014-01-12 08:58:23 | 日記
WEBのまとめページから以下ご紹介しましょう。

・NHK「新春能狂言」放送枠削減に抗議の声
http://togetter.com/li/433551

本年2014年度よりNHKでは、恒例の新春3が日能狂言の放映枠を元旦1日のみに縮小。ちなみに今年は「高砂」でした。

みなさまご存じの通り、NHKでは近年能狂言の放送を削減中。
全国能楽ファンより「ついにここまできたか…」と悲憤の声や批判が
編成局へと寄せられているようです。

現代人の生活の中で、あまりに遠くなってしまった能狂言。
公共放送とはいえ、時代のやむなき仕儀…と
あきらめる人もいるかもしれません。
NHKでは番組編成は視聴者の声の多寡によって勘案される、
とコメントしており、「ここがよかった、こんな風にしてほしい」
という要望・反響が、能狂言の場合他に比べて非常に少ない、といっているようです。

生の舞台の能とテレビの録画編集された能は、あきらかに別物です。
しかし、東京や大都市で観能できない地方の方、または高齢者の
楽しみとして、正月三が日の「新春能狂言」放送は特別なもの。

お正月を過ぎ、公共放送の使命・役割と、テレビで見る能、
という2つのテーマでもう一度考えて見たい。
過疎化によりJRローカル線が廃止されるのとは少し意味合いが
違っていると思われるのです。