すべての生きものにとって生命は愛しい。【言の葉庵】No.111
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┣┫OW┃O ブッダの生命讃歌 2019/6/4
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名言名句は、ブッダのことば「すべての生きものにとって生命は愛しい」。令和の時代を迎えた現代日本へ、仏教を創始した聖者の命のことばをご紹介します。こどもふうしかでん第四回は、花を咲かせる「種」の見つけ方を“ぜあみじーじ”がこっそり教えてくれます。
…<今週のCONTENTS>…………………………………………………………………
【1】名言名句 第六十四回 すべての生きものにとって生命は愛しい
【2】電子ブック 『こども ふうしかでん』第四回
編集後記…
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【1】名言名句 第六十四回 すべての生きものにとって生命は愛しい
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すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身とひきくらべて、殺してはならぬ。
~ブッダ『ダンマパダ』第十章 暴力
ブッダは原初的な仏教の戒律として「殺してはならぬ」と教えました。
「すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。已が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」
(ダンマパダ 第十章 暴力)
ネットが世界を覆い、リアルタイムで人々をつなぐヴァーチャルの世界。
ともすると生身の人間が見えず、生命を軽視する風潮を生み出しかねません。
ここ数年の国内外の報道を耳にするたびにそのような危惧を覚えます。
― 殺すなかれ。
― 犯すなかれ。
― 盗むなかれ。
宗教の基本的な戒律は、人が国を作り、ともに生きていくため現代社会においても不文律となっています。
人が人を「殺してはならない」。誰にとっても当たり前のことですが、ブッダは「すべての生きものにとって生命は愛しい」と、あたたかなまなざしを注ぎます。
今日、戒律と聞けば、仏教やキリスト教などの修行者への厳しい戒めのように感じますが、「戒」とはそもそも規律を守るための内面的、精神的ないましめ。
「律」は、外から規制する規範を指しました。「戒」は今日の道徳、「律」は法律と考えれば、理解しやすいかもしれません。
ユダヤ教では〔モーセの十戒〕、キリスト教では〔山上の垂訓〕が、もっとも有名な戒律です。一般的に伝わっているものを以下にご紹介します。
〔モーセの十戒〕
・主が唯一の神であること
・偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
・神の名をみだりに唱えてはならないこと
・安息日を守ること
・父母を敬うこと
・殺人をしてはいけないこと(汝、殺す勿れ)
・姦淫をしてはいけないこと
・盗んではいけないこと
・隣人について偽証してはいけないこと
・隣人の財産をむさぼってはいけないこと
(正教会・聖公会・プロテスタント)
〔山上の垂訓〕
5章1節 イエスはこの群衆を見て、山に登り、座につかれると、弟子たちがみもとに近寄ってきた。
2 そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて言われた。
3 「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
4 悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。
5 柔和な人たちは、さいわいである、彼らは地を受けつぐであろう。
6 義に飢えかわいている人たちは、さいわいである、彼らは飽き足りるようになるであろう。
7 あわれみ深い人たちは、さいわいである、彼らはあわれみを受けるであろう。
8 心の清い人たちは、さいわいである、彼らは神を見るであろう。
9 平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。
10 義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
11 わたしのために人々があなたがたをののしり、また迫害し、あなたがたに対し偽って様々の悪口を言う時には、あなたがたは、さいわいである。
12 喜び、よろこべ、天においてあなたがたの受ける報いは大きい。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。
13 あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。
14 あなたがたは、世の光である。山の上にある町は隠れることができない。
15 また、あかりをつけて、それを枡の下におく者はいない。むしろ燭台の上において、家の中のすべてのものを照させるのである。
16 そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かし、そして、人々があなたがたのよいおこないを見て、天にいますあなたがたの父をあがめるようにしなさい。
17 わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。
18 よく言っておく。天地が滅び行くまでは、律法の一点、一画もすたることはなく、ことごとく全うされるのである。
19 それだから、これらの最も小さいいましめの一つでも破り、またそうするように人に教えたりする者は、天国で最も小さい者と呼ばれるであろう。しかし、これをおこないまたそう教える者は、天国で大いなる者と呼ばれるであろう。
20 わたしは言っておく。あなたがたの義が律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、決して天国に、はいることはできない。
(マタイ伝 5章:1節– 20節)
モーセの十戒は、カトリック教会の掟の戒律へとつながる、刑法の原型ともよべるもの。
それとくらべて、山上の垂訓は、イエスが人の心へと静かに語りかける、神への信仰の誓いといえるものです。
「殺すな」と厳しく禁じることなく、「信じよ」「光で照らせ」と共感をよぶのです。
ブッダの「すべての生きものにとって生命は愛しい」は、鳥獣や虫、草木にいたるまで、生きとし生けるものすべてへの生命讃歌。
地球上のあらゆる生命を「己が身とひきくらべて」、共鳴・共感し、慈しもうとする教えではないでしょうか。
この世の一つ一つの小さな命の美しさ、かけがえのなさを知る時、「殺すなかれ」の戒は、もはや必要ないのです。
以下に、ブッダのことばから、〔戒律〕に収められる名言をいくつかご紹介しましょう。
1.生物を殺すこと、打ち、切断し、縛ること、盗むこと、嘘をつくこと、詐欺、だますこと、邪曲を学習すること、他人の妻に親近すること、これがなまぐさである。肉食することがなまぐさいのではない。
(スッタニパータ 第2 小なる章 2、なまぐさ)
2.この世で、性質が悪く、借金を踏み倒し、密告をし、法廷で偽証し、正義を装い、邪悪を犯す最も劣等な人々、──これがなまぐさである。肉食することがなまぐさいのではない。
(スッタニパータ 第2 小なる章 2、なまぐさ)
3.善い友だちと交われ。人里はなれ奥まった騒音の少ないところに坐臥せよ。飲食に量を知る者であれ。
(スッタニパータ 第二 小なる章 11、ラーフラ)
4.女に溺れ、酒にひたり、賭博に耽り、得るにしたがって得たものをその度ごとに失う人がいる、──これは破滅への門である。
(スッタニパータ 第一 蛇の章 6、破滅)
5.すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。已が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。
(ダンマパダ 第十章 暴力)
6.真実を語れ。怒るな。請われたならば、乏しいなかから与えよ。これらの三つの事によって死後には天の神々のもとに至り得るであろう。
(ダンマパダ 第十七章 怒り)
7.戒律をまもらず、みずから慎むことがないのに国の信徒の施しを受けるよりは、火炎のように熱した鉄丸を食らうほうがましだ。
(ダンマパダ 第二二章 地獄)
(電子ブック『ブッダの名言』水野聡編 能文社2013年)
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名言名句は、ブッダのことば「すべての生きものにとって生命は愛しい」。令和の時代を迎えた現代日本へ、仏教を創始した聖者の命のことばをご紹介します。こどもふうしかでん第四回は、花を咲かせる「種」の見つけ方を“ぜあみじーじ”がこっそり教えてくれます。
…<今週のCONTENTS>…………………………………………………………………
【1】名言名句 第六十四回 すべての生きものにとって生命は愛しい
【2】電子ブック 『こども ふうしかでん』第四回
編集後記…
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【1】名言名句 第六十四回 すべての生きものにとって生命は愛しい
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すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身とひきくらべて、殺してはならぬ。
~ブッダ『ダンマパダ』第十章 暴力
ブッダは原初的な仏教の戒律として「殺してはならぬ」と教えました。
「すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。已が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」
(ダンマパダ 第十章 暴力)
ネットが世界を覆い、リアルタイムで人々をつなぐヴァーチャルの世界。
ともすると生身の人間が見えず、生命を軽視する風潮を生み出しかねません。
ここ数年の国内外の報道を耳にするたびにそのような危惧を覚えます。
― 殺すなかれ。
― 犯すなかれ。
― 盗むなかれ。
宗教の基本的な戒律は、人が国を作り、ともに生きていくため現代社会においても不文律となっています。
人が人を「殺してはならない」。誰にとっても当たり前のことですが、ブッダは「すべての生きものにとって生命は愛しい」と、あたたかなまなざしを注ぎます。
今日、戒律と聞けば、仏教やキリスト教などの修行者への厳しい戒めのように感じますが、「戒」とはそもそも規律を守るための内面的、精神的ないましめ。
「律」は、外から規制する規範を指しました。「戒」は今日の道徳、「律」は法律と考えれば、理解しやすいかもしれません。
ユダヤ教では〔モーセの十戒〕、キリスト教では〔山上の垂訓〕が、もっとも有名な戒律です。一般的に伝わっているものを以下にご紹介します。
〔モーセの十戒〕
・主が唯一の神であること
・偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
・神の名をみだりに唱えてはならないこと
・安息日を守ること
・父母を敬うこと
・殺人をしてはいけないこと(汝、殺す勿れ)
・姦淫をしてはいけないこと
・盗んではいけないこと
・隣人について偽証してはいけないこと
・隣人の財産をむさぼってはいけないこと
(正教会・聖公会・プロテスタント)
〔山上の垂訓〕
5章1節 イエスはこの群衆を見て、山に登り、座につかれると、弟子たちがみもとに近寄ってきた。
2 そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて言われた。
3 「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
4 悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。
5 柔和な人たちは、さいわいである、彼らは地を受けつぐであろう。
6 義に飢えかわいている人たちは、さいわいである、彼らは飽き足りるようになるであろう。
7 あわれみ深い人たちは、さいわいである、彼らはあわれみを受けるであろう。
8 心の清い人たちは、さいわいである、彼らは神を見るであろう。
9 平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。
10 義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
11 わたしのために人々があなたがたをののしり、また迫害し、あなたがたに対し偽って様々の悪口を言う時には、あなたがたは、さいわいである。
12 喜び、よろこべ、天においてあなたがたの受ける報いは大きい。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。
13 あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。
14 あなたがたは、世の光である。山の上にある町は隠れることができない。
15 また、あかりをつけて、それを枡の下におく者はいない。むしろ燭台の上において、家の中のすべてのものを照させるのである。
16 そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かし、そして、人々があなたがたのよいおこないを見て、天にいますあなたがたの父をあがめるようにしなさい。
17 わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。
18 よく言っておく。天地が滅び行くまでは、律法の一点、一画もすたることはなく、ことごとく全うされるのである。
19 それだから、これらの最も小さいいましめの一つでも破り、またそうするように人に教えたりする者は、天国で最も小さい者と呼ばれるであろう。しかし、これをおこないまたそう教える者は、天国で大いなる者と呼ばれるであろう。
20 わたしは言っておく。あなたがたの義が律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、決して天国に、はいることはできない。
(マタイ伝 5章:1節– 20節)
モーセの十戒は、カトリック教会の掟の戒律へとつながる、刑法の原型ともよべるもの。
それとくらべて、山上の垂訓は、イエスが人の心へと静かに語りかける、神への信仰の誓いといえるものです。
「殺すな」と厳しく禁じることなく、「信じよ」「光で照らせ」と共感をよぶのです。
ブッダの「すべての生きものにとって生命は愛しい」は、鳥獣や虫、草木にいたるまで、生きとし生けるものすべてへの生命讃歌。
地球上のあらゆる生命を「己が身とひきくらべて」、共鳴・共感し、慈しもうとする教えではないでしょうか。
この世の一つ一つの小さな命の美しさ、かけがえのなさを知る時、「殺すなかれ」の戒は、もはや必要ないのです。
以下に、ブッダのことばから、〔戒律〕に収められる名言をいくつかご紹介しましょう。
1.生物を殺すこと、打ち、切断し、縛ること、盗むこと、嘘をつくこと、詐欺、だますこと、邪曲を学習すること、他人の妻に親近すること、これがなまぐさである。肉食することがなまぐさいのではない。
(スッタニパータ 第2 小なる章 2、なまぐさ)
2.この世で、性質が悪く、借金を踏み倒し、密告をし、法廷で偽証し、正義を装い、邪悪を犯す最も劣等な人々、──これがなまぐさである。肉食することがなまぐさいのではない。
(スッタニパータ 第2 小なる章 2、なまぐさ)
3.善い友だちと交われ。人里はなれ奥まった騒音の少ないところに坐臥せよ。飲食に量を知る者であれ。
(スッタニパータ 第二 小なる章 11、ラーフラ)
4.女に溺れ、酒にひたり、賭博に耽り、得るにしたがって得たものをその度ごとに失う人がいる、──これは破滅への門である。
(スッタニパータ 第一 蛇の章 6、破滅)
5.すべての者は暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。已が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。
(ダンマパダ 第十章 暴力)
6.真実を語れ。怒るな。請われたならば、乏しいなかから与えよ。これらの三つの事によって死後には天の神々のもとに至り得るであろう。
(ダンマパダ 第十七章 怒り)
7.戒律をまもらず、みずから慎むことがないのに国の信徒の施しを受けるよりは、火炎のように熱した鉄丸を食らうほうがましだ。
(ダンマパダ 第二二章 地獄)
(電子ブック『ブッダの名言』水野聡編 能文社2013年)
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