4月3日 (月曜日)
毎日新聞 コラム 余録に
「それを言っちゃあ、おしまいよ」といえば、
映画「男はつらいよ」で定番のセリフだ。
寅さんがおいちゃんや妹のさくらと口論になり、
痛いところを突かれて口にする。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
▲プラスチック容器メーカー「平和化学工業所」の
畠山和幸社長(82)が30年ほど前、
大学生だった長女との親子げんかでこんな言葉を浴びせられた時も、
同じ心境だったことだろう。
「ごみになるものばかり作っているくせに」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
▲東京の下町にあった町工場を親族から引き継ぎ、
調味料などの使い捨て容器を製造していた。
そうした営みを全否定するかのような身もふたもない一言である。
寅さんなら捨てゼリフを吐いて旅立つ場面だ
▲だが、畠山さんが向かったのは英国だった。現地の化学メーカーで、
微生物によって分解されるプラスチックの技術を学び、
自社生産に向けて試行錯誤を続けた。娘に言われるまでもなく、
資源を大量に使って環境に負荷をかける消費社会には疑問を抱いていた。
▲とはいえ、プラごみの問題が今ほど社会に認知されていない時代だ。
試作品を取引先に持ち込んでも、「値段が高すぎる」と突き返される日が続いた。
それでも続けてきたのは、あの日の娘の言葉に突き動かされたからかもしれない。
▲石油の代わりに植物を原料にした容器を手がけ、注文が入るようになったのは、
ここ数年のことだ。少し値は張るが、
環境意識の高い企業や消費者が受け入れるようになった。
町工場のオヤジの矜持(きょうじ)と父親の意地が詰まった、
小さな器である。
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「生分解性プラスチック」とは、バイオマス・リファイナリーのひとつで、
主として飼料用トウモロコシなど「穀物でんぷん」から作られたプラスチックのことです。
使用後に廃棄された時、土中や海水中などの微生物により分解され、
最終的に水と二酸化炭素になることから「生分解性」の名が付きました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
従来の石油原料プラスチックは、燃焼により二酸化炭素等を排出し、
地球温暖化の要因となっています。
また土中や海水中で分解されず数十~数百年にわたって残存するため、
環境汚染と生態系への悪影響を引き起こしています。
最近では、新型コロナウイルス流行に伴う不織布(ポリエチレン)マスク使用量が
世界的に急増し、その廃棄ゴミによる環境汚染も増えています。
~~~~~~~~~~~~
そこで「生分解性プラスチック」の登場です。
石油原料プラスチックと比較してカーボンニュートラルであること、
焼却しても有害物質は発生しないこと、
そして何よりも廃棄したときに土中や海水中の微生物で分解されることなど、
環境負荷の低いプラスチックとして注目を集めています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生分解性プラスチックには、透明性・不透明、軟質・硬質など様々な種類があり、
石油原料プラスチックと同様、食品トレイや弁当箱、魚網や釣り糸などの漁業用品、
苗ポットなどの農業用品、土嚢やネットなどの建築資材など各分野で実用化が進んでおり、
今後も拡大が期待されています。

一方、課題もあります。生分解性プラスチックは熱に弱いこと、
そして通常のプラスチックの3〜5倍と値段が高いことです。
これらの課題を解決し、今後ますますの普及に向けて、
さらなる技術開発が期待されています。
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毎日新聞 コラム 余録に

「それを言っちゃあ、おしまいよ」といえば、
映画「男はつらいよ」で定番のセリフだ。
寅さんがおいちゃんや妹のさくらと口論になり、
痛いところを突かれて口にする。
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▲プラスチック容器メーカー「平和化学工業所」の
畠山和幸社長(82)が30年ほど前、
大学生だった長女との親子げんかでこんな言葉を浴びせられた時も、
同じ心境だったことだろう。
「ごみになるものばかり作っているくせに」
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▲東京の下町にあった町工場を親族から引き継ぎ、
調味料などの使い捨て容器を製造していた。
そうした営みを全否定するかのような身もふたもない一言である。
寅さんなら捨てゼリフを吐いて旅立つ場面だ
▲だが、畠山さんが向かったのは英国だった。現地の化学メーカーで、
微生物によって分解されるプラスチックの技術を学び、
自社生産に向けて試行錯誤を続けた。娘に言われるまでもなく、
資源を大量に使って環境に負荷をかける消費社会には疑問を抱いていた。
▲とはいえ、プラごみの問題が今ほど社会に認知されていない時代だ。
試作品を取引先に持ち込んでも、「値段が高すぎる」と突き返される日が続いた。
それでも続けてきたのは、あの日の娘の言葉に突き動かされたからかもしれない。
▲石油の代わりに植物を原料にした容器を手がけ、注文が入るようになったのは、
ここ数年のことだ。少し値は張るが、
環境意識の高い企業や消費者が受け入れるようになった。
町工場のオヤジの矜持(きょうじ)と父親の意地が詰まった、
小さな器である。
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「生分解性プラスチック」とは、バイオマス・リファイナリーのひとつで、
主として飼料用トウモロコシなど「穀物でんぷん」から作られたプラスチックのことです。
使用後に廃棄された時、土中や海水中などの微生物により分解され、
最終的に水と二酸化炭素になることから「生分解性」の名が付きました。
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従来の石油原料プラスチックは、燃焼により二酸化炭素等を排出し、
地球温暖化の要因となっています。
また土中や海水中で分解されず数十~数百年にわたって残存するため、
環境汚染と生態系への悪影響を引き起こしています。
最近では、新型コロナウイルス流行に伴う不織布(ポリエチレン)マスク使用量が
世界的に急増し、その廃棄ゴミによる環境汚染も増えています。
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そこで「生分解性プラスチック」の登場です。
石油原料プラスチックと比較してカーボンニュートラルであること、
焼却しても有害物質は発生しないこと、
そして何よりも廃棄したときに土中や海水中の微生物で分解されることなど、
環境負荷の低いプラスチックとして注目を集めています。
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生分解性プラスチックには、透明性・不透明、軟質・硬質など様々な種類があり、
石油原料プラスチックと同様、食品トレイや弁当箱、魚網や釣り糸などの漁業用品、
苗ポットなどの農業用品、土嚢やネットなどの建築資材など各分野で実用化が進んでおり、
今後も拡大が期待されています。

一方、課題もあります。生分解性プラスチックは熱に弱いこと、
そして通常のプラスチックの3〜5倍と値段が高いことです。
これらの課題を解決し、今後ますますの普及に向けて、
さらなる技術開発が期待されています。
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