芝居の途中で席を立ってしまった国王クローディアスは、謁見の間に続く大廊下で、ロウゼンクランツとギルデンスターンに向かって、ハムレットを早急に委任状と共にイギリスへ送ることを命じる。
芝居を見たときに、ハムレットは、クローディアスが父殺しの張本人であることを確信するが、逆にクローディアスは、自分の悪事が、全てハムレットに露見していることに気がつくのだ。
そして、一国の猶予もならず、ハムレットを亡き者にしようと、イングランド国王に対し、彼の処刑を依頼する委任状を認めることにした。
クローディアスは、ハムレットとは違って、即断即決の出来る男で、悪事を犯したとはいえ、それなりに優秀なのである。
いってみれば、『急いては事を仕損じる』タイプの慎重派ハムレットと、『善は急げ』(悪人に善というのも変だけど)タイプの行動派クローディアスの対決と、いったところでしょうか。
そして、一国の猶予もならず、ハムレットを亡き者にしようと、イングランド国王に対し、彼の処刑を依頼する委任状を認めることにした。
クローディアスは、ハムレットとは違って、即断即決の出来る男で、悪事を犯したとはいえ、それなりに優秀なのである。
いってみれば、『急いては事を仕損じる』タイプの慎重派ハムレットと、『善は急げ』(悪人に善というのも変だけど)タイプの行動派クローディアスの対決と、いったところでしょうか。
ロウゼンクランツとギルデンスターンが、イギリス派遣の仕度のため、退場すると、入れ替わるようにボローニアスがやって来る。
彼は、ハムレットを王妃ガードルードの私室に向かわせ、物陰からその様子を伺う手筈を進めるために、国王に報告に来たのだった。
彼は、ハムレットを王妃ガードルードの私室に向かわせ、物陰からその様子を伺う手筈を進めるために、国王に報告に来たのだった。
そして、独りクローディアスが、残される。
彼は、かなり動揺していて、自分の犯した罪に対し、懺悔の念が沸きあがってきたのだった。
しかし、今まで神に祈ったことのないクローディアスは、本当の意味で祈ることが出来なかった。
クローディアスは、自身が許されるはずがないと思っていながら、それでも懺悔の祈りをしようと跪くのだった。
彼は、かなり動揺していて、自分の犯した罪に対し、懺悔の念が沸きあがってきたのだった。
'O, my offence is rank, it smells to heaven; It hath the primal eldest curse upon't, A brother's murder.' (おお、俺の罪は臭く、天まで臭うぞ。 人類最初の呪いを、カインの呪いを、 兄殺しの極印を押されている)
しかし、今まで神に祈ったことのないクローディアスは、本当の意味で祈ることが出来なかった。
'But, O, what form of prayer Can serve my turn ? "Forgive me my foul murder" ? That cannot be since I am still possessed Of those sffects for which I did the murder; My crown, mine own ambition, and my queen; May one be pardoned and retaion th' offence ?' (だが、おお、俺は、 どう祈ったらいいのだ。『私の醜い罪をお赦しください』か? それは駄目だ。俺は殺人によって得たもの、いまだ身に着けておる。 王冠も、王妃も、いや、野心そのものを、棄てきれずにいる、 罪の得物を棄てずして、赦されることなどあろうか?)
クローディアスは、自身が許されるはずがないと思っていながら、それでも懺悔の祈りをしようと跪くのだった。
この瞬間、ハムレットが母のガードルードの元へ行くため、通りかかる。
国王は、ハムレットに気がついていない。
まさに復讐を遂げる絶好のチャンスだった。
国王は、ハムレットに気がついていない。
まさに復讐を遂げる絶好のチャンスだった。
ハムレットは剣を抜き、そっとクローディアスに近づく――