ハムレットは、母のガードルードの私室へ赴く。
ガードルードの部屋では、宮内大臣ボローニアスが、カーテンの陰に隠れ、二人のやり取りをこっそりと伺っていた。
ガードルードの部屋では、宮内大臣ボローニアスが、カーテンの陰に隠れ、二人のやり取りをこっそりと伺っていた。
ハムレットが部屋に入ってくるが、彼の様子がおかしい。
狂人のフリをしているのだから、おかしいのが当然なのだけれど、ここは、直前にクローディアスを殺せなかったことに苛立っていたのだ。
ハムレットは、最もらしい理由をつけて、復讐の機会を回避してしまったのが、心のどこかで、そのことを後悔していたのだと思う。
あの時、決断し、実行できなかった自分に腹を立てていたのではないだろうか。
ハムレットは、最もらしい理由をつけて、復讐の機会を回避してしまったのが、心のどこかで、そのことを後悔していたのだと思う。
あの時、決断し、実行できなかった自分に腹を立てていたのではないだろうか。
ハムレットは、カーテンの物陰に誰かが潜んでいるのに気がつくと、思わず剣を抜き突き刺してしまう。
遣り切れない思いを、ぶつけてしまったのだ。
そしてカーテンを引くと、ボローニアスの死体が横たわっていた。
確かにボローニアスは、軽蔑されるべき愚かな老人であったかもしれない。
オフィーリアのことでも愛情の取り扱いについて非難されても仕方がなかった。
でも、彼は、何ら罪を犯してはいない、殺されるべきではなかったのだ。
オフィーリアのことでも愛情の取り扱いについて非難されても仕方がなかった。
でも、彼は、何ら罪を犯してはいない、殺されるべきではなかったのだ。
このことにより、ハムレットは、亡霊との誓いの一つ、「魂を汚すことなく」を破ってしまった。
次にハムレットは、もう一つの誓い、「母親には手出ししてはならない」も破ってしまう。
母の不実な罪について、得意の毒舌で、激しく攻め立てのであった。
母の不実な罪について、得意の毒舌で、激しく攻め立てのであった。
ガードルードは、戦慄きながら泣き崩れる。
その時、例の亡霊が姿を現わしたのであった。
その時、例の亡霊が姿を現わしたのであった。
'Do not forget ! this visitation Is but to whet thy almost blunted purpose―― But look, amazement on thy mother sits, O step between her and her fighting soul, Conceit in weakest bodies strongest works, Speak to her, Hamlet,' (忘れるな! こうして来たのは その鈍ってしまった心を研ぎ澄ますために他ならない―― それ、見るがよい、母を。あのように恐れ戦いている。 あの心の悶えに、何故、手を貸してやらぬのだ。 弱き心には、同じ言葉を強く響く、 母に話しかけてやるのだ、ハムレット)
亡霊は、誓いを破ってしまったハムレットの誤りを叱りながら、生前の元妻を憐れむために出現したのだ。
死んでも、奥さんのことが忘れられないんですね。
死んでも、奥さんのことが忘れられないんですね。
ただ、ガードルードには、亡霊の姿が見えないでいるので、ハムレットが空中に向かって独り話している。
その姿を見た彼女は、ハムレットの狂気が本物であると思い込んだのだった。
その姿を見た彼女は、ハムレットの狂気が本物であると思い込んだのだった。
ハムレットは冷静さを取り戻し、ガードルードにイギリス行きについて確認し、彼女もそれを認めた。
ただ、国王クローディアスが、ハムレット殺害を目論んでいたことまでは、知らないでいる。
もちろん、死んでしまったボローニアスも知らなかった。
ただ、国王クローディアスが、ハムレット殺害を目論んでいたことまでは、知らないでいる。
もちろん、死んでしまったボローニアスも知らなかった。
クローディアスは、ガードルードに対しても、ボローニアスに対しても、ハムレットの狂気を本物であると信じるフリをしながら、陰謀を進めていくのだ。
まるで狼のように、狡賢いオッサンだ。
まるで狼のように、狡賢いオッサンだ。
ハムレットは、ボローニアスの死体を引きずりながら、部屋を後にした。
ここで三幕が終わる。
ここで三幕が終わる。