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「ハムレット」 舞台内容 五幕二場 (2)

2009-09-20 21:31:51 | 「ハムレット」

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 先ず、ハムレットは、誤ってボローニアスを越してしまったことをレアーティーズに侘びる。
それに対して、レアーティーズは、卑劣な策略を胸に秘めながらも、おくびにも顔にださない。
 'I do receive your offered love like love
   And will not wrong it.'
 (殿下がお示しになられたご友情を素直にお受けいたしましょう
  それに疑念を抱くようなことはしますまい)


 そして試合は、始まる。


 ハムレットが、最初の二本を取った。
王妃ガードルードは、ハムレットが取ったことを喜び、それを祝うためハムレットのために用意された毒杯を、知らずに呑んでしまう。


 三本目は、レアーティーズが取り返した。
さらに毒剣でハムレットを傷つけることに成功した。


 しかし、ハムレットがカッとなって、レアーティーズに飛び掛り、取っ組み合いの喧嘩となった。
そして、このとき、レアーティーズも誤って毒剣で自分も傷つけてしまったのだった。


 ガードルードが、体に毒が回って倒れた。
レアーティーズも倒れる。


 ガードルードは、死に際に杯に毒が入っていたことを告げ、息絶えた。
さらにレアーティーズは、死に際に陰謀のすべてを語り、息絶える。


 毒に犯されたハムレットも、残された時間は少ない。
ハムレットは、最後の力を振り絞り、毒剣を国王クローディアスの胸に突立て、さらにガードルードが呑み残した毒杯を口に注いで、ようやく復讐を遂げるのであった。


 このとき、ポーランド征伐からフォーティンブラスが戻ってきた。
そしてハムレットは、ホレイシオに今回の復讐劇を世の中に伝えること、フォーティンブラスを、次の点マーク王にするとの遺言を残して息絶えたのだった。
 '―― the rest is silence. {Dies.}'
 (―― あとは沈黙。{死ぬ})


 みんな死んでしまいました。ボローニアス、オフィーリア、ロウゼンクランツとギルデンスターン、レアーティーズ、ガードルード、クローディアス、そしてハムレット。

 なんと血みどろな復讐劇になってしまったんだろう。
この復讐は、亡霊と誓った「魂を汚してはいけない」「母を責めてはいけない」は、結局、守れなかったのだ。

 確かに復讐はできたのだが、なんと後味が悪いことか。
だが、ただ一つ、ハムレットが、今後の希望をもたらしたことがある。

 「この世のタガ(間接)が、外れてしまっている」といって、この世を正そうとしたことである。
それは、フォーティンブラスを向かい入れたことであった。

 つまり、この世の改革のために、古き者の血を一掃し、新たなる血を導入したといえるのではないだろうか。




 このあと、フォーティンブラスは、ホレイシオの援けにより、デンマークの歴史の新時代に踏み入れていくのであった。


 そして、全ての幕は閉じる――。(了)



「ハムレット」 舞台内容 五幕二場 (1)

2009-09-20 13:54:44 | 「ハムレット」

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 城内の広場。
ハムレットとホレイシオが、話している。


 ハムレットが、如何に国王の陰謀(ハムレットの謀殺)を防いだのかを話した。
彼は、イギリスに向かう船の中で、ロウゼンクランツとギルデンスターンが持っていたイギリスへの国書をこっそり盗み出し、中身を確認した。


 国書の内容は、ハムレットの首を刎ねよというもの。
それに対し、彼は、国書を偽造して、この国書を持参した二名(ロウゼンクランツとギルデンスターン)を、直ちに処刑されたし、というものにした。
 ハムレットくん、それは、ちょっと酷いんじゃぁ~ないですか。
例え、二人が、国王クローディアスの言いなりになって動いていたとはいえ、可哀想過ぎですよ!

 これで無実の罪で、お亡くなりになった方は、ボローニアス、オフィーリアに引き続き、四人になってしまいました。




 しかも、ハムレットは、悪びれることもなく、
                'is't not to be damned,
   To let this canker of our nature come
   In further evil ?'
         (人間にとって
  こういう害虫を蔓延らせておくことの方が
  よほど大きな罪ではないか?)


 ある意味、とても身勝手な言草なのだが、彼は、変わったのだ。
もはや、四の五言っている訳にいかないのだ。
心を鬼にして突き進むしかない。




 そこへ国王からの使者がやってくる。
使者は、国王がレアーティーズとのフェンシングの試合を提案していることを伝えに来たのだった。


 試合は、九回勝負で、先に三本取った方が勝ちというもの。
ハムレットは、フェンシングの試合の申し込みを承諾し、使者は、そのことを国王に報告するため退出していったのだった。


 ここでハムレットは、この試合に一抹の不安を覚える。
ホレイシオは、ハムレットを心配して、
        'If your mind dislike anything, obey it. I will
   forestall their repair hither and say you are not fit.'
    (もしも、お気にすすまぬなら、無理なさらない方が、
  直ぐに奥へ参って、ご気分が優れぬと申し上げて来ましょう)


 しかし、ハムレットは、覚悟を決めていたのだ。
    'Not a whit. We defy augury. There is special
   providence in the fall of a sparrow. If it be now, 'its not
   to came; if it be not to come, it will be now; if it be not
   now, yet it will come.. The readiness is all. Since no 
   man, of aught he leaves, knows aught, what is't to leave
   betimes ? let be.'
   (いや、それには及ばぬ。前兆など気にかける事はない。
  雀一羽落ちるのにも神の摂理が働いている。今がその時なら、
  後で、ということはない。後で、ということがないのならば、
  その時は今だ。今がその時でないとしても、その時は、必ずやって来る。
  覚悟こそが全てだ。死んだ後のことなど誰にも分かりはしない。
  所詮、なるがままだ)


 ハムレットは前回の失敗から学んだ。ある意味、彼は成長したのだ。
覚悟を決めて、今、成すべきことを成す、これが肝心であること知ったのだ。
どうせ逃れることができない運命であるならば……




 フェンシングの試合の準備が進められる。
やがて準備が整い、国王、王妃や臣下たちが入ってくる。


 そして最後にレアーティーズが、試合の正装をにて登場してくるのだった。