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「オセロー」 舞台内容 二幕二場~三場 (1)

2009-09-29 09:56:09 | 「オセロー」

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・二幕二場
 街中で伝令官が、声を張りあげている。
内容は、嵐でトルコ艦隊が全滅し、またオセロー将軍の結婚の祝宴が催されることになったので、それを祝するために宴に参加せよ、と伝令官が告げる。



・二幕三場 (1)
 城内の広間において、乱闘は始まる。キャシオーとロダリーゴーだ。
キャシオーは、酒に弱い。それを承知でイアーゴーは、彼に無理やり呑ませたのだ。
 というよりも、酒癖が悪く、そのことを自覚しており、呑まないようにしていたのだが、イアーゴーの巧みな言葉に絆されて呑んでしまう。


 そういう状態のときに、イアーゴーの筋書き通りに、ロダリーゴーから喧嘩を吹っかけられたのだ。
そして、キャシオーは、その場の仲裁に入った前総督モンターノを傷つけてしまった。


 喧嘩の騒ぎを聞きつけたオセローがやって来て、キャシオーを免職にする。
イアーゴーは、キャシオーを庇うフリをしながら、この騒ぎの責任をすべて彼に擦り付けた。
 'I had rather have this tongue cut from my mouth
   Than it should do offence to Michael Cassio;
   Yet, I persuade myself, to speak the truth
   Shall nothing wrong him. Thus it is, general.
   Montano and myself being in speech,
   There comes a fellow crying out for help;
   And Cassio following him with determind sword,
   To execute him.'
 (マイケル・キャシオー殿のことを悪く言うくらいであれば、
  この舌を抜かれた方がましであります。
  しかし、真実を語ることは、彼を傷つけることなりえません。
  実はこうなのです。将軍。
  モンターノ様と私とが話をしておりますと、一人の男が助けを
  求めながら駆け込んできたのであります。
  そして、その直ぐ後から、キャシオー殿が血相をかえて
  追いかけてきました)


 ここは鮮とい! イアーゴーは、「一人の男」がロダリーゴーあることを明かしていないのだ。


               'Sir, this genteman
   Steps in to Cassio, and entreats his pause:
   Myself the crying fellow did pursue.'
 (このお方(モンターノ)が割って入り、
  キャシオー殿に止めるようとなさった。
  私は喚いている男の後を追いました)


 イアーゴーが、後を追ったのは、この騒ぎで街の人々が気がつき、騒ぎ出すといけないと言っているが、実は、ロダリーゴーに街の人々に、この騒ぎをふれまわることを指図するためだった。
 イアーゴーのやり口は、一見、傍観者には、彼の言うことが、いちいち事実であるように見えるということだ。
だた、一人、それが嘘であることを知っている者が、ロダリーゴーなのだ。

 イアーゴーは、表向きキャシオーを庇い、彼の罪を軽くするように振舞うが、そのことでイアーゴーは、思いやりの深い男であるという印象をオセローにもたせることに成功したのだ。
なんと狡賢い奴なんだ。オセローの性格を見抜いていて、それにまんまとつけ込んだ。悪魔的とさえいえる。




 そしてオセローは、イアーゴーの狡猾さに騙されたのだった。
                           'I know, Iago,
   Thy honsety and love doth mince this matter,
   Making it light to Cassio, I love thee;
   But never more be officer of mine.'
            (イアーゴー、
  君が誠実と友情から、事をつくろって、
  キャシオーの罪を軽くしようとしているのだな。
  キャシオー、私はお前を快く思っているが、
  今後、二度と君を部下とはしない)


 かくしてイアーゴーは、ライバルを蹴落としたのだった。