オセローたちと別れたロダリーゴーとイアーゴーが、道すがら話をしている。
ロダリーゴーは、デズデモーナを盲目的に恋着していて、この決着に納得がいっておらず、さりとて、どうしようもない状況に手をこまねくしかできないのかと嘆いていたのだ。
そして、イアーゴーは、この愚鈍なロダリーゴーを利用し、復讐の道具にすべく、丸め込んでしまうのだった。
ロダリーゴーは、デズデモーナ命のストーカー。
お頭は弱いが、どこぞの金持ちのぼんぼんなので、金は持っている。
その金をイアーゴーは、当てにしていたのだ。
イアーゴーから、デズデモーナがオセローに飽きたら、ロダリーゴーのところへやって来るなどという他愛もない言葉を信じてしまう。
お頭は弱いが、どこぞの金持ちのぼんぼんなので、金は持っている。
その金をイアーゴーは、当てにしていたのだ。
イアーゴーから、デズデモーナがオセローに飽きたら、ロダリーゴーのところへやって来るなどという他愛もない言葉を信じてしまう。
イアーゴーは、ロダリーゴーにオセローたちを追ってキプロス島へ向かうことを勧め、ロダリーゴーも、それを了承し、彼らの後を追うため、この場を去り、イアーゴーがひとり取り残された。
イアーゴーは、男の正直も、女の貞節も、これっぽちも信じていない。
人格における高貴さなど、全く理解できず、常に疑いの目で他人を見るのだ。
そして、自身の妄想が事実であるかのように言いふらし、自分が信ずるところの良心は、如何に自身の悪事を言い逃れできるか、なのである。
人格における高貴さなど、全く理解できず、常に疑いの目で他人を見るのだ。
そして、自身の妄想が事実であるかのように言いふらし、自分が信ずるところの良心は、如何に自身の悪事を言い逃れできるか、なのである。
かくしてイアーゴーは、オセローが自分の妻のエミリアと不倫を働いたのではないかという妄想を、無理やり自身に信じ込ませ、自らの卑劣行為を正当化する。
もちろん、二人の不倫など、根も葉もない偽りなのだ。
そしてイアーゴーは、今後の計画を洗いざらい独白するのだった。
'Thus do I ever make my fool my purse; For mine own gain'd knowledge should profane, If I would time expend with such a snipe, But for my sport and profit. I hate the Moor; And it is thought abroad, that'twixt my sheets He has done my office: I know not if't be true; But I, for mere suspicion in that kind, Will do as if for surety. He holds me well; The better shall my purpose work on him. Cassio's a proper man: let me see now: To get his place and to plume up my will In double knavery――How, how ? ――Let's see: ―― After some time, to abuse Othello's ear That he is too familiar with his wife. He hath a person and a smooth dispose To be suspected, framed to make women false. The Moor is of a free and open nature, That thinks men honest that but seem to be so, And will as tenderly be led by the nose As asses are. I have't. It is engender'd. Hell and night Must bring this monstrous birth to the world's light.' (かくのごとく、いつも阿呆が俺の財布となる。 あんな馬鹿と時間をつぶすには、こっちの気晴らしや 儲けにならなければ、俺の知恵を汚すことになっちまう。 俺はムーアが憎い。世間の噂じゃ、奴は俺の寝床に這いこんで、 俺の代わりを務めたという。嘘か真実か知らんが、 俺って奴は、そんな疑いがあるだけで、確かな証拠を握ったかのように ハッキリしなけりゃ気がすまぬ。奴は俺を信用している。 それだけに、こっちは仕事がやりやすい。 キャシオーの奴は男前。ええと…… そこでだ。 あいつの地位を取り上げて、俺の仕返しをまんまと遂げる、となりゃ、 一石二鳥となるが、―― どうして、どうして?―― しばらく後で、キャシオーが、あんたの奥さんと親しすぎると、 オセローの耳に吹き込んでやる。 あいつは見てくれがいいし、お人好しで、疑いが掛けられるように できている。女たらしにゃ、はまり役。 ムーアの方は実直な性格で、見かけが、高潔そうにしていれば、 芯までそうだと思い込む。ロバのように鼻面を引き回せば、 やすやすとどこまでもついてくるぜ。 よし、これだ。計画はできたぜ。あとは地獄と闇の力で この怪物に日の目を見せてやるばかりだ)
可哀相なのはオセローだよ。露も知らずにこんな酷い悪巧みの餌食になろうとしている。
どうしたら、逃れることができるかだけど、これは悲劇、逃れられない。
どうしたら、逃れることができるかだけど、これは悲劇、逃れられない。
これで一幕は閉じる。