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「オセロー」 舞台内容 一幕三場 (1)

2009-09-26 03:27:37 | 「オセロー」

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 元老院会議室では、ヴェニス公爵や議官たちがトルコ艦隊におけるキプロス島サイプラス攻撃について話し合いをしている最中であった。


 オセローが、フラバンショーとロダリーゴー、イアーゴーを伴って入ってくる。


 フラバンショーは、家庭の大事に逆上し、国家の危急を忘れ、自分の苦情を聞かれることを主張した。
それはオセロー将軍が、香具師(、露店で興行・物売り・場所の割り振りなどをする人。俗に的屋)から買った魔法の薬で娘を瞞(だま)し、堕落させたと告発。
 イアーゴーの口車なんかに乗ってしまうとは、あなたは、それでも元老院議員ですか?って、父親は、娘のことになると、盲目になってしまうのかもしれないですね。

 反面、それだけイアーゴーが狡猾ということだろうか。




 元老院は、それを厳粛に受け止め、オセローに弁明させるのだった。


 オセローの率直な言葉は、あくまで冷静におこなわれ、先ず、デズデモーナの出廷を要求し、そのあとで、彼がいかに彼女との恋に成功したかを語る。


 オセローは、もともとフラバンショーとは、知人の仲で、しばしば彼の家に招かれて、オセロー自身の生涯を語った。


 その内容は、不幸な災厄、海上や戦闘での恐ろしい体験、危機一髪で危険を脱した話、残忍な敵に捕らえられて奴隷として売られ、そのあと身請けされて、諸国を遍歴した話、大きな洞穴、人跡のない荒野等々、数々の逸話をデズデモーナが聞きたがったため、何度も彼女の元に足を運ぶうちに、オセローに思いを寄せるようになった。
それを彼が察して、彼女に求愛したというもので、魔法で欺いたのではない、というものだ。


 話を聞いていた公爵は、オセローを支持する。
 'I think this tale would win my daughter too.'
 (この話を聞いたら、私の娘も心奪われるであろう)


 そしてデズデモーナがやって来て、オセローの主張を証明した。
彼女の心は、父に対する孝心と夫に対する愛に両分される。
             'but here's my husband,
   And so much duty as my mother show'd
   To you, prefering you brfore her father,
   So much I challenge that I may profess
   Due to the Moor my lord.'
       (けれども今は夫がおります。
  お母様が、お父様をご自分のお父様より
  大切になさりましたと同様に、わたくしも
  夫のムーアにお仕えしなければならないと
  思います)


 これは、オセローとデズデモーナの急すぎた行動によって家庭に投げかけた影に対する父親の悲しみを描くことで、この新婚の二人の出発が、これから起こるであろう悲劇の発端になっていることを示すためなのだ。

 とはいっても、とどのつまり、父親は、いかなる理由があろうとも、娘の結婚に反対なんだよね。




 一応の決着がついたが、オセローは、直ちにキプロス島へ向かわなければならない。
 新婚早々、戦場に出向く必要に負われるのは、大変だけど、将軍という立場上、仕方がないことなのだ。


 そしてデズデモーナは、自ら願い出て夫のオセローと共にキプロス島へ行くことになる。
 彼女は、武人の妻になることを選んだのである。共にその運命を分かち合おうと決意していたのだ。
さすがだねー。妻の鑑ですか? 彼女は、「ハムレット」のオフィーリアと違い、良家の娘とはいえ、しっかりした自分を持った自立した女性なんだね。




 オセローは、先発隊として、直ちに出発し、デズデモーナは、旗手のイアーゴーの護衛で後から、彼を追うことになったのだった。
 オセローは、イアーゴーをまったく疑っていない。
それどころか、全幅の信頼をおいているのだ。あー、これこそ、まさに悲劇!!

 ここまでで、各主要な登場人物の性格を描いている。




 自らの誤りを知ったフラバンショーは、オセローたちに別れの言葉を口にして去っていたのだった。
 'Look to her, Moor, if thou hast eyes to see:
   She has deceived her father, and may thee.'
 (ムーア、君によく見える眼があったら、気をつけろ、
  その女は、自分の父親を欺いた。君も欺かれるかもしれん)


 フラバンショー、いくら何でも自分の娘の結婚に反対だからといっても、折角の晴れの門出にもっと言い様があるんじゃないんですか?
かわいそうなデズデモーナ。
でも、父親って、こんなものなのかなぁ?

 しかし、この言葉が、後の現実になってしまうのだ。
恐るべし。ある意味、予言てっか? 父親の勘??




 そしてオセローはキプロス島へ向けて出発するため、デズデモーナと共に退出した。



「オセロー」 舞台内容 一幕二場

2009-09-25 10:52:01 | 「オセロー」

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 引き続き、ヴェニスの街中。


 イアーゴーは、オセローの味方のふりをして、彼を起こし、フラバンショーがオセローを追跡していると警告するのだった。


 イアーゴーは、自分は生まれつき人殺しが嫌いだからフラバンショーを殺さないだけで、フラバンショーがオセローを罵る言葉は聞くに堪えないほどであると説明する。
 しかし、イアーゴーは、何て奴だ!!よくもこんなに変わり身が早いものだ。
まるでコウモリのような奴。




 しかし、オセローは冷静に聞き、対処しようとするが、そこにヴェニス公爵から国家の大事件の知らせが入るのだった。


 事件の内容は、キプロス島のサイブラスが、トルコ艦隊に攻撃されるというもの。


国家の一大事に彼は、公爵邸へ急ぐのだが、途中でフラバンショーとロダリーゴーに出会ってしまった。


 フラバンショーは、オセローに罵倒を浴びせるが、公爵邸に急ぐオセローはそれどころではない。
フラバンショーとロダリーゴーは剣を抜き、オセローに牢獄へ入れと迫る。


 しかし、オセローは沈着冷静に、それを眺めていた。
 'Keep up your bright swords, for dew will rust them. '
 (光り輝く剣を収められよ。夜露で錆びてしまう)


 憎いですね~。格好いいですね~。何か、時代劇を見ているようですね。




 フラバンショーたちは、ヴェニス公爵邸で緊急会議がおこなわれることを聞き、公爵の前で、今回のことを裁定してもらうために、公爵邸に向かうオセローに同行するのだった。



 今回は、内容が短かったので余談を一つ。

 訳出本のシェークスピアは、表現を柔らかにしているが、原本では、かなり性的な表現が多いのだ。
特に「オセロー」は、性をめぐる露骨で汚らしい言葉や表現が多いので、それでシェークスピアを敬遠する人もある。

 しかし、実際、人間における性の問題は大きく、決して無視できないのも事実だ。
シェークスピアは、それをしっかりと受け止めて、ときには優しく美しく、ときには破壊的で乱暴に、また、ときにはあいまいな言葉で語り表現しているところが、彼の魅力の一つではないだろうか。





「オセロー」 舞台内容 一幕一場 (2)

2009-09-23 21:51:47 | 「オセロー」

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 ロダリーゴーとイアーゴーは、女の父親であり、元老院議員のフラバンショーに、事実を知らせたばかりではなく、フラバンショーを怒らせるような事態を下品な言葉で誇張して吹き込むのだった。
 Iago: 'Even now, now, very now, an old black ram
         Is tupping your white ewe !'
 (イアーゴー:まったく今も今、まさに今この時に、年取った黒い雄羊が、
        お宅の白い雌羊と交尾の最中なんですぜ!)


 さらにイアーゴーは、捲くし立てる。
 Iago:                    'You'll have 
         your daugher covered with a Barbary horse; you'll
         have your nephews neigh to you; you'll have coures
         for cousins and jennets for germans.'
 brabantio: 'What profanewretch art thou ?'
 Iago: 'I am one,sir, that comes to tell you your daughter
         and the Moor are now making the beast with two backs.'
 ( イアーゴー:               お宅の娘さんが
     アフリカ産のバーバーリ馬に乗っかられちまいやすよ。
     そしたら、お孫さんがヒヒーンヒヒーンといなないて寄ってきまさぁ。
     駿馬は親戚、子馬も身内、つうことになっちまいやすぜ。
   フラバンショー:下品な奴め。何者だ?
   イアーゴー:あたしゃね、閣下、ただ、お宅のお嬢さんとムーア人が、たった今、
     背中がふたつで身体はひとつの怪物になってるって知らせに来たんですぜ)


 う~ん、ヴィクターは、コメントのしようがありません。

 開幕早々に語られるイアーゴーのこうした台詞は、彼の性格を露わにして、観客にそれを強く印象付けるためだ。




 そして、イアーゴーは、あることないこと吹き込む。
フラバンショーの娘デズデモーナの恋人オセローは、堅気の市民だったら娘の婿には決してしない男で、あちらこちらに渡り歩く兵隊家業。


 前歴もまっとうな地位に就く望みなし、国籍も不明で、なんとムーア人(アフリカ北部の黒人、回教徒)である、と。



 断っておきますが、ヴィクターは、決して人種差別者ではありません。




 ここまで言われては、フラバンショーも怒り出す。


 しかし、イアーゴーは、抜け目なく、自分の上司であり、司令官であるオセローに不利な証言をすることに呼び出されることは、自分の立場上困るという口実で、その場から退いていくのだった。


 そして、立ち去り際に、ロダリーゴーに向かって、自分を信頼すような言葉を掛けるのだった。
 'Though I do hate him as I do hell-pains,
   Yet, for necessity of preset life,
   I must show out a fiag and a sign of love,
   Which is indeed but sign.'
 (俺は奴を地獄の苦のように憎むけれど、
  ただ現在の生活の必要から
  忠義の旗を掲げなくてはならない。
  もっとも見せ掛けだけどね)


 フラバンショーは、イアーゴーの言葉を真に受けて、デズデモーナがムーア人のオセローに夢中になるのは、彼の魔法に掛けられていると思い込む。


 そして、イアーゴーの示唆に従い、サジタリという宿屋へ出掛けていくのだった。
 イアーゴーは、まんまと、彼らを利用したのだ。
あの『ハムレット』のクローディアス以上の狡猾さである。





「オセロー」 舞台内容 一幕一場  (1)

2009-09-22 20:51:13 | 「オセロー」

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 ヴェニスの街中で、ロダリーゴーとイアーゴーが話していた。
 Roderigo: 'Tush, never tell me; I take it much unkindly
            That thou, Iago, who hast my purse
            As if the strings were thine, shouldst know of this.'
 (ロダリーゴー:ええっ! 言うな。俺の懐をさんざん利用しておきながら、
         イアーゴー、おまえは、こうなることを
         とうに知っていたんだからな、薄情な話だぜ)


 舞台が始まったばかりだから、それぞれの立場、関係を速やかに明らかにする必要があるのだ。
この辺り、物語の導入の仕方は、さすがシェークスピアといったところでしょうか。
観客を、物語りに一気に引き込む力を感じる。




 ロダリーゴーとイアーゴーの関係は、犠牲者と犠牲を要求するもの。
イアーゴーは、何かの計画を着手しており、ロダリーゴーは、それに必要な資金を提供している。
そして、ロダリーゴーは、イアーゴーが何事かを隠していることに不満を抱いていた。
 Iago: 'Sblood, but you will not hrar me:
         If ever I did dream of such a matter,
         Abohor me.'
 (イアーゴー:とんでもないぜ。あんたは俺の言っていることを
        ちっとも聴こうとしないくせに。誓って、俺はそんなこと
        夢にも知らなかったんだ)


 二人の関係が、もう一つ明らかになる。
イアーゴーは、ロダリーゴーに軽口を叩ける立場であるということ。

 この二人を結び付けているものが、第三者に対する二人の恨みであり、その第三者は、二人に対し優勢な立場であることを明らかにしているのだ。


 Roderigo: 'Thou told'st me thou didst hold him in thy hate.
 (ロダリーゴー:あんた、奴が憎いって言ってたじゃないか)


 このあとに続くイアーゴーの言葉によって、その事実が知らせれる。




 イアーゴーは将校であり、イアーゴーが「彼」と呼んでいるは、上官で、その人物は、副官に就きたいというイアーゴーの望みを裏切った。


 そして、その裏切りに二つの理由から、イアーゴーの癇に障ったのだった。
第一に、自分が副官になるため、三人の身分高い人物から推薦を受けたのに、既に手遅れだったこと。
第二に、自分の代わりに副官に任命されたキャシオーという男は、イアーゴーの評価によれば、自分より遥かに劣る人物だったということだ。


 イアーゴーは、この屈辱を胸にたぎらせて、恥も外聞もなく恨みをぶちまける。
そして、いつか復讐するために、今は旗手の地位に甘んじているのだと告白するのだった。



 嫌だね~、 男の嫉妬ってやつは!!




 そして、復讐の機会を待つための、自分の猫かぶりを自慢するのだった。
 'For when my outward action demonstrate
   The native act and figure of my heart
   In compliment extern, 'tis not long after
   But Iwill wear my heart upon my sleeve
   For daws to peck at: I am not what I am.'
 (この俺の胸のうちを
  身振り手振り表に出すようなことをしたら、
  それこそ大変。この心臓を
  袖にぶら下げ、カラスに突っつかせた方がいい。
  俺様は見かけとは違うんだ)


 では、ロダリーゴーの恨みは、何であるのか。
それは、自分が好きでいる女を、その彼が妻にしてしまい、見事、駆け落ちをして、ロダリーゴーを出し抜いたからであった。



 しかし、嫉妬とは、恐ろしい。
アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」の中で、嫉妬について、こう述べている。
「嫉妬とは、本人があずかり知らぬところで生まれ育ち、大きくなる。厄介ですな。そして本人は全く何も悪くないのですから」、全くその通りですね。




 そして傷つけられた二人は、駆け落ちのことを知らせることと、そのあとを追わせるために、女の父親の元へ向かっているところだった。


 二人は、眠っている女の父親を、激しく騒いで叩き起こす。



 この作品「オセロー」は、イアーゴーの下品な毒舌ぶりが遺憾なく発揮されるところが見物なのだ。





「オセロー」 舞台内容 あらすじ

2009-09-22 04:31:00 | 「オセロー」

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 ヴェニス公国に仕えるムーア人の武将オセローは、元老院議員フラバンショーのひとり娘デズデモーナと愛し合うようになり、密かに結婚してしまう。


 一方、オセロー軍の旗手を務めるイアーゴーは、自分を差し置いてキャシオーを副官にしたことや、自分の妻エミリアとの不倫関係の噂があることなどの理由からオセローに恨みを持っていた。


 デズデモーナに横恋慕していたロダリーゴーは、金はあるが、少々お頭が弱い男で、イアーゴーは、彼を使って復讐を企てる。


 オセローとデズデモーナが、秘密結婚をしたと知ったイアーゴーは、ロダリーゴーと共にフラバンショーの元へ行き、露骨で卑猥な言葉を持ってして、その事実を伝えるのだった。


 折りしもトルコ艦隊が、ヴェニス公国領のキプロス島に向かっているとの知らせを受けて、'ヴェニス大公は緊急会議を開いていた。


 フラバンショーは、その場に駆けつけ、娘のデズデモーナが、オセローにかどわかされたと訴える。
しかし、その場にいたオセローが、自分とデズデモーナが愛し合うことになった経緯を語り、その場に呼び出されたデズデモーナも、自ら言葉で、オセローへの愛をはっきりと証言する。
二人の態度を見ていたフラバンショーは、渋々と二人の結婚を認めるしかなかった。


 オセローは、ヴェニス大公から、キプロス島行きを命じられ、新妻のデズデモーナも自ら願い出て同行することになったのだった。


 トルコ艦隊は、嵐のために自滅。
キプロス島では、勝利とオセロー将軍の結婚を祝って、酒宴が催される。


 イアーゴーは、酒に弱いキャシオーに無理やり酒を飲ませおき、ロダリーゴーを使って喧嘩を起させる。
喧嘩の騒乱の中、キャシオーは、前総督モンターノーに傷を負わせてしまった。
騒ぎのために新婚の床から呼び出されたオセローは、激怒し、キャシオーを罷免する。


 失意のキャシオーに、イアーゴーは、言葉巧みに近づいて、デズデモーナの執り成しを通じて復職を願い出るように勧める。


 イアーゴーの勧めに従い、キャシオーは、デズデモーナの元を訪れ、オセローへの執り成しを頼んだ。
そして、キャシオーが立ち去るところへイアーゴーは、オセローを伴って現れ、デズデモーナが、キャシオーと不倫を働いていると騙すのだった。


 さらに、デズデモーナが、うっかり落としてしまったオセローから貰ったハンカチを、彼女の侍女している妻のエミリアから手に入れると、それをキャシオーに拾わせ、浮気の証拠としてオセローに告げ口をする。


 イアーゴーからの話を聞いたオセローは、嫉妬に狂い、デズデモーナに問題のハンカチを出すように迫るが、ハンカチを失くしてしまったと思っている彼女は、それに応えられず、しかもキャシオーから頼まれた、彼の復職を執拗に迫るのだった。


 かたや、何も知らないキャシオーは、問題のハンカチを拾い、綺麗な柄だと思って、その柄を商売女のビアンカに写すように頼む。


 イアーゴーは、キャシオーにビアンカとの関係について語らせ、それを物陰からオセローに見せる。
キャシオーの得意な様子を見たオセローは、キャシオーが自分とデズデモーナとの関係を吹聴している誤解して、ますます逆上するのだった。


 そして、キャシオーとデズデモーナの不倫を頑なに信じてしまったオセローは、デズデモーナとキャシオーを殺すことを決意する。


 そこに、オセローをヴェニスに召還し、留守の間のキプロス島をキャシオーに任せるという手紙が届く。


 キャシオーにとって良い知らせをデズデモーナが喜ぶ姿を見たオセローは、彼女を人前で殴ってしまう。
さらにエミリアに、デズデモーナとキャシオーの関係を詰問するが、エミリアは、デズデモーナの潔白を申し立てる。
しかし、完全に邪推しているオセローは、エミリアが強く申し立てるほどに疑いを深めていくのだった。


 一方、イアーゴーは、自分が陰謀を企てたことを隠すため、ロダリーゴーを炊きたてて、キャシオーを殺すよう仕向け、あわよくば、二人とも亡き者にしてしまう計画を進める。


 しかし、ロダリーゴーは、キャシオー殺害に失敗し、自ら負傷を負う。
それを物陰から様子を伺っていたイアーゴーは、後ろからキャシオーを斬りつけ、足に負傷を負わし、ロダリーゴーを口封じのため殺害したのだった。


 デズデモーナを殺すことを決めたオセローは、人払いしてひとり待つ寝室の彼女の首を絞めてしまう。
目覚めたデズデモーナは、必死に命乞いをするが、オセローは、結局、彼女を窒息させてしまった。


 そこに、エミリアがやって来て、叫び声をあげた。
彼女の叫び声に人々が集まってきて、エミリアが、夫イアーゴーに問い質すうちに真相が明らかになっていく。
それに焦ったイアーゴーは、エミリアを刺し殺し、逃亡を図るが、オセローに取り押さえられてしまう。


 そして、やっと自身の誤りに気付いたオセローは、「賢くないが、深く愛しすぎた者」と言い残し、自らの短剣で自害してしまうのだった。