元老院会議室では、ヴェニス公爵や議官たちがトルコ艦隊におけるキプロス島サイプラス攻撃について話し合いをしている最中であった。
オセローが、フラバンショーとロダリーゴー、イアーゴーを伴って入ってくる。
フラバンショーは、家庭の大事に逆上し、国家の危急を忘れ、自分の苦情を聞かれることを主張した。
それはオセロー将軍が、香具師(、露店で興行・物売り・場所の割り振りなどをする人。俗に的屋)から買った魔法の薬で娘を瞞(だま)し、堕落させたと告発。
それはオセロー将軍が、香具師(、露店で興行・物売り・場所の割り振りなどをする人。俗に的屋)から買った魔法の薬で娘を瞞(だま)し、堕落させたと告発。
イアーゴーの口車なんかに乗ってしまうとは、あなたは、それでも元老院議員ですか?って、父親は、娘のことになると、盲目になってしまうのかもしれないですね。
反面、それだけイアーゴーが狡猾ということだろうか。
反面、それだけイアーゴーが狡猾ということだろうか。
元老院は、それを厳粛に受け止め、オセローに弁明させるのだった。
オセローの率直な言葉は、あくまで冷静におこなわれ、先ず、デズデモーナの出廷を要求し、そのあとで、彼がいかに彼女との恋に成功したかを語る。
オセローは、もともとフラバンショーとは、知人の仲で、しばしば彼の家に招かれて、オセロー自身の生涯を語った。
その内容は、不幸な災厄、海上や戦闘での恐ろしい体験、危機一髪で危険を脱した話、残忍な敵に捕らえられて奴隷として売られ、そのあと身請けされて、諸国を遍歴した話、大きな洞穴、人跡のない荒野等々、数々の逸話をデズデモーナが聞きたがったため、何度も彼女の元に足を運ぶうちに、オセローに思いを寄せるようになった。
それを彼が察して、彼女に求愛したというもので、魔法で欺いたのではない、というものだ。
それを彼が察して、彼女に求愛したというもので、魔法で欺いたのではない、というものだ。
話を聞いていた公爵は、オセローを支持する。
そしてデズデモーナがやって来て、オセローの主張を証明した。
彼女の心は、父に対する孝心と夫に対する愛に両分される。
'I think this tale would win my daughter too.' (この話を聞いたら、私の娘も心奪われるであろう)
そしてデズデモーナがやって来て、オセローの主張を証明した。
彼女の心は、父に対する孝心と夫に対する愛に両分される。
'but here's my husband, And so much duty as my mother show'd To you, prefering you brfore her father, So much I challenge that I may profess Due to the Moor my lord.' (けれども今は夫がおります。 お母様が、お父様をご自分のお父様より 大切になさりましたと同様に、わたくしも 夫のムーアにお仕えしなければならないと 思います)
これは、オセローとデズデモーナの急すぎた行動によって家庭に投げかけた影に対する父親の悲しみを描くことで、この新婚の二人の出発が、これから起こるであろう悲劇の発端になっていることを示すためなのだ。
とはいっても、とどのつまり、父親は、いかなる理由があろうとも、娘の結婚に反対なんだよね。
とはいっても、とどのつまり、父親は、いかなる理由があろうとも、娘の結婚に反対なんだよね。
一応の決着がついたが、オセローは、直ちにキプロス島へ向かわなければならない。
新婚早々、戦場に出向く必要に負われるのは、大変だけど、将軍という立場上、仕方がないことなのだ。
新婚早々、戦場に出向く必要に負われるのは、大変だけど、将軍という立場上、仕方がないことなのだ。
そしてデズデモーナは、自ら願い出て夫のオセローと共にキプロス島へ行くことになる。
彼女は、武人の妻になることを選んだのである。共にその運命を分かち合おうと決意していたのだ。
彼女は、武人の妻になることを選んだのである。共にその運命を分かち合おうと決意していたのだ。
さすがだねー。妻の鑑ですか? 彼女は、「ハムレット」のオフィーリアと違い、良家の娘とはいえ、しっかりした自分を持った自立した女性なんだね。
オセローは、先発隊として、直ちに出発し、デズデモーナは、旗手のイアーゴーの護衛で後から、彼を追うことになったのだった。
オセローは、イアーゴーをまったく疑っていない。
それどころか、全幅の信頼をおいているのだ。あー、これこそ、まさに悲劇!!
ここまでで、各主要な登場人物の性格を描いている。
それどころか、全幅の信頼をおいているのだ。あー、これこそ、まさに悲劇!!
ここまでで、各主要な登場人物の性格を描いている。
自らの誤りを知ったフラバンショーは、オセローたちに別れの言葉を口にして去っていたのだった。
'Look to her, Moor, if thou hast eyes to see: She has deceived her father, and may thee.' (ムーア、君によく見える眼があったら、気をつけろ、 その女は、自分の父親を欺いた。君も欺かれるかもしれん)
フラバンショー、いくら何でも自分の娘の結婚に反対だからといっても、折角の晴れの門出にもっと言い様があるんじゃないんですか?
かわいそうなデズデモーナ。
でも、父親って、こんなものなのかなぁ?
しかし、この言葉が、後の現実になってしまうのだ。
恐るべし。ある意味、予言てっか? 父親の勘??
かわいそうなデズデモーナ。
でも、父親って、こんなものなのかなぁ?
しかし、この言葉が、後の現実になってしまうのだ。
恐るべし。ある意味、予言てっか? 父親の勘??
そしてオセローはキプロス島へ向けて出発するため、デズデモーナと共に退出した。