オール読物の10月号の特集は「官能的」である。
で、小説やらエッセイやらイロイロとあるのだが、一番に読んだのが、この「宇能鴻一郎と会って」である。
宇能鴻一郎と言えば、独特の文体で官能小説を書いていた人である。
なんというか、あっけらかんとしたセックスを描いて、よく読んだものだし、変にその文体をまねたりしたものだった。
「僕、失敗しちゃったんです。」とか「水をこぼして、ジュンと濡れちゃったんです」とかね。
で、まあ週刊誌や月刊誌などで読んでいたので、嵯峨島昭の名前で書いた推理小説以外は本を持っていないけれど、強烈な印象を持っている作家である。
しかし、どういう人なのか、ということはわからなかった。
でも、私、あまり作家の私生活には興味ないんです。
とはいうものの、あのような小説を書く人はどういう人なのか、そこに書いてあれば積極的に読みたくなる。
著者の平松洋子は、宇能鴻一郎の「味な旅 舌の旅」を愛読してきたという。
フードジャーナリストであるから、宇能鴻一郎の官能小説より「食」に興味を持ったのである。
そして、オール読物編集部を通じて
「食と官能の関係についてうかがいたい」
という申し込みをしたのである。
宇能鴻一郎は、何十年にもわたってインタビューや取材、対談にも一切応じてこなかったという。
従って「諾」という返事をもらったとき、著者は『驚天動地』と感じた。
それだけ宇能鴻一郎はインタビューや取材や対談に応じていなかったのである。
宇能鴻一郎の横浜の邸は「日常からみごとに切り離された異空間」で、案内された部屋は広大なボールルーム、そして燕尾服姿のUが螺旋階段から降りてくる。
「官能と食べもの、この両方がないと僕のなかではバランスがとれないんです」
と宇能鴻一郎は言う。
インタビューでの話は、なんだか遠いところの人の言葉のようで、私には理解できない部分が多かったが、こういう人がいるんだなあ、となんだか感心したのであった。
すごい人がいるもんだ。
というのが一番の感想である。
それにしても、日本一高い原稿料で月産1,100枚を通産45年間おこなったという原動力となったものが、優雅な将来、であったというのは文学というものをつきぬけた、ある一面の小説家の姿であり、それもまた素晴らしいと思うのである。
ちなみに、暇つぶしにと今週の「週間ポスト」を買って読んでいたら、関川夏央がこの「宇能鴻一郎と会って」を取り上げていて、若干驚いた。
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で、小説やらエッセイやらイロイロとあるのだが、一番に読んだのが、この「宇能鴻一郎と会って」である。
宇能鴻一郎と言えば、独特の文体で官能小説を書いていた人である。
なんというか、あっけらかんとしたセックスを描いて、よく読んだものだし、変にその文体をまねたりしたものだった。
「僕、失敗しちゃったんです。」とか「水をこぼして、ジュンと濡れちゃったんです」とかね。
で、まあ週刊誌や月刊誌などで読んでいたので、嵯峨島昭の名前で書いた推理小説以外は本を持っていないけれど、強烈な印象を持っている作家である。
しかし、どういう人なのか、ということはわからなかった。
でも、私、あまり作家の私生活には興味ないんです。
とはいうものの、あのような小説を書く人はどういう人なのか、そこに書いてあれば積極的に読みたくなる。
著者の平松洋子は、宇能鴻一郎の「味な旅 舌の旅」を愛読してきたという。
フードジャーナリストであるから、宇能鴻一郎の官能小説より「食」に興味を持ったのである。
そして、オール読物編集部を通じて
「食と官能の関係についてうかがいたい」
という申し込みをしたのである。
宇能鴻一郎は、何十年にもわたってインタビューや取材、対談にも一切応じてこなかったという。
従って「諾」という返事をもらったとき、著者は『驚天動地』と感じた。
それだけ宇能鴻一郎はインタビューや取材や対談に応じていなかったのである。
宇能鴻一郎の横浜の邸は「日常からみごとに切り離された異空間」で、案内された部屋は広大なボールルーム、そして燕尾服姿のUが螺旋階段から降りてくる。
「官能と食べもの、この両方がないと僕のなかではバランスがとれないんです」
と宇能鴻一郎は言う。
インタビューでの話は、なんだか遠いところの人の言葉のようで、私には理解できない部分が多かったが、こういう人がいるんだなあ、となんだか感心したのであった。
すごい人がいるもんだ。
というのが一番の感想である。
それにしても、日本一高い原稿料で月産1,100枚を通産45年間おこなったという原動力となったものが、優雅な将来、であったというのは文学というものをつきぬけた、ある一面の小説家の姿であり、それもまた素晴らしいと思うのである。
ちなみに、暇つぶしにと今週の「週間ポスト」を買って読んでいたら、関川夏央がこの「宇能鴻一郎と会って」を取り上げていて、若干驚いた。
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