久々の「橋下治」である。
といっても、前に読んだのはいつだったのか、何を読んだのか、は忘れたけれど・・・
(多分、月刊誌に掲載された短編小説だったのではないか、と思うのだが)
さて、本書の帯の表には
「この『リア家』の主人公は『昭和』だ」(高橋源一郎『波』)
「橋下文学の頂点」(安藤礼二『文學界』)
裏には
「橋下は、巧みな技法で、いつもあの時代が何だったのかを問い続けている。」(金子勝『文藝春秋』
「終戦から二十数年で起きた日本の激しい変化を小説はしずかにあぶり出し、その急速な変化が取りこぼしたものへと冷徹な焦点を当てる」(角田光代『サンデー毎日』)
と『絶賛』である。
物語は、題名からお分かりのように、シェークスピアの「リア王」を下敷きにしている。
リア王は、帝大出の文部官僚である栃波文三。そして娘が三人。
文三は、戦争中に官僚であったが重要な職ではないのに、戦後、公職追放となる。
公職追放中は苦労をするが、やっと復職し家を建てる。
そして妻が死に、娘三人を育てることとなる。(といっても長女・次女は大学と高校である)
文三は、融通が利かず相手の気持ちを知ろうともしない男である。であるのに、だんだん『気の毒』になってくる。
文三が48歳のとき妻が死に、翌年、再婚を娘二人がお父さんの面倒は私が見るといって反対され、あとはただ時がたつのを漫然として過ごしているようである。
著者は書いていないが仕事はそこそこやっていたのだと思う。
でも、仕事に生きがいを見いだせないタイプ。
上の娘二人は、結局、父を末娘に預けて出ていく。
しかし、最後には、財産を目当てにすり寄ってくる。
リア王の世界は、昭和のどこにもあるような家にも起きている。
そんなことを言いたかったのか。
だとしたら、それがなんなんだ。
兎も角、なんだかよくわからないが、そして、文三の末娘・静には幸福になってほしいと思うが、登場する人物たちに感情移入ができないのだが、読み続けてしまい、読み終わった後は、重いのだけれど清々しい気持ちになってしまった。
不思議な小説である。
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といっても、前に読んだのはいつだったのか、何を読んだのか、は忘れたけれど・・・
(多分、月刊誌に掲載された短編小説だったのではないか、と思うのだが)
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「この『リア家』の主人公は『昭和』だ」(高橋源一郎『波』)
「橋下文学の頂点」(安藤礼二『文學界』)
裏には
「橋下は、巧みな技法で、いつもあの時代が何だったのかを問い続けている。」(金子勝『文藝春秋』
「終戦から二十数年で起きた日本の激しい変化を小説はしずかにあぶり出し、その急速な変化が取りこぼしたものへと冷徹な焦点を当てる」(角田光代『サンデー毎日』)
と『絶賛』である。
物語は、題名からお分かりのように、シェークスピアの「リア王」を下敷きにしている。
リア王は、帝大出の文部官僚である栃波文三。そして娘が三人。
文三は、戦争中に官僚であったが重要な職ではないのに、戦後、公職追放となる。
公職追放中は苦労をするが、やっと復職し家を建てる。
そして妻が死に、娘三人を育てることとなる。(といっても長女・次女は大学と高校である)
文三は、融通が利かず相手の気持ちを知ろうともしない男である。であるのに、だんだん『気の毒』になってくる。
文三が48歳のとき妻が死に、翌年、再婚を娘二人がお父さんの面倒は私が見るといって反対され、あとはただ時がたつのを漫然として過ごしているようである。
著者は書いていないが仕事はそこそこやっていたのだと思う。
でも、仕事に生きがいを見いだせないタイプ。
上の娘二人は、結局、父を末娘に預けて出ていく。
しかし、最後には、財産を目当てにすり寄ってくる。
リア王の世界は、昭和のどこにもあるような家にも起きている。
そんなことを言いたかったのか。
だとしたら、それがなんなんだ。
兎も角、なんだかよくわからないが、そして、文三の末娘・静には幸福になってほしいと思うが、登場する人物たちに感情移入ができないのだが、読み続けてしまい、読み終わった後は、重いのだけれど清々しい気持ちになってしまった。
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