この題名は、小説新潮に連載されていた時のもので、2012年9月に単行本となったときは「弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー」と改題されている。
『実録』とあるように、これは著者が開成高校に通って取材をしたものである。
さて、開成高校といえば、超エリート進学校で東京大学合格者数日本一の高校である。
その野球部であるから、強いはずがない。
その強いはずがない開成高校野球部が平成17年に東東京大会でベスト16に進んだ。そして平成19年、さらに強くなったといううわさを聞いて著者は取材に入ったのである。
ところが、練習を初めて見に行った時の感想は「異常に下手」だった。
それなのに、どうして勝てるのか?
それを追ったものが、本ルポの主題である。
開成高校野球部員も開成高校の生徒であるので、頭脳明晰である。もちろん東大進学者も多い。
したがって『体で覚える』なんて練習はしない。(もっともグランドの都合で週に1回しかグランド練習はできないのだが)
では、どうするか?
理屈で野球を理解し、それを具現化するのである。
そのために、理屈でつまづくことが多い。
『苦手と下手』は違うとか、真剣に考えているのである。
筆者は、そんなことどうでもいいから体で覚えろよ、みたいに感じる。
それに、選手は妙に冷静なのである。
そこにも筆者はいらだちのようなものを感じるのである。
その開成高校野球部の監督は、東大野球部出身である。
彼の考え方がユニークなのである、というか、ユニークにならざるを得ない選手たちなのである。
それでも、我々弱い野球チーム所属の者には、うなづけるところが多くある。
『一般的セオリーが通用するのは強いチームであり、普通以下のチームには通用しない』
ということなどはその通りと思える。
開成高校の野球部は2番に最も打撃の良い選手が入る。
1番の役割は出塁、2番で送り、3番・4番で点数を取るなんて言うのは、それなりのチームしかできない、というのがその考え方の根底にある。
では、どうするか?
1点2点を取って逃げ切れない守備のチームは、兎も角勢いのあるイニングに大量得点をめざし、できればコールドで勝つ。
なぜならば、長いイニングを戦えば、必ず守備に破たんが生じるからである。
なるほど!なのである。
そもそも開成高校の守備の決め方は
①投手は、投げ方が安定しているもの
②内野手は、そこそこ投げ方が安定しているもの
③外野手は、それ以外のもの
なのである。
それでも勝つときは勝つ。
これがおかしい。笑っちゃう。つまり野球という競技は個々の実力差があってもチームとなると、割と実力差が縮小するということなのだろう。
ハイリスクハイリターンの野球で、それを戦う選手たちは理路整然としている。しかもその理路整然としているのは、なぜできないのか、ということに関する答えなのである。
弱小チームを主題としたものはいくつかあったけれど、それは「情熱」の話であった。
情熱よりも理論、という野球もまた面白いと思ったし、野球というのはいろいろなアプローチがあるんだと思った。
いよいよシーズンに入ろうとしているときに、新たな見方ができそうである。
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『実録』とあるように、これは著者が開成高校に通って取材をしたものである。
さて、開成高校といえば、超エリート進学校で東京大学合格者数日本一の高校である。
その野球部であるから、強いはずがない。
その強いはずがない開成高校野球部が平成17年に東東京大会でベスト16に進んだ。そして平成19年、さらに強くなったといううわさを聞いて著者は取材に入ったのである。
ところが、練習を初めて見に行った時の感想は「異常に下手」だった。
それなのに、どうして勝てるのか?
それを追ったものが、本ルポの主題である。
開成高校野球部員も開成高校の生徒であるので、頭脳明晰である。もちろん東大進学者も多い。
したがって『体で覚える』なんて練習はしない。(もっともグランドの都合で週に1回しかグランド練習はできないのだが)
では、どうするか?
理屈で野球を理解し、それを具現化するのである。
そのために、理屈でつまづくことが多い。
『苦手と下手』は違うとか、真剣に考えているのである。
筆者は、そんなことどうでもいいから体で覚えろよ、みたいに感じる。
それに、選手は妙に冷静なのである。
そこにも筆者はいらだちのようなものを感じるのである。
その開成高校野球部の監督は、東大野球部出身である。
彼の考え方がユニークなのである、というか、ユニークにならざるを得ない選手たちなのである。
それでも、我々弱い野球チーム所属の者には、うなづけるところが多くある。
『一般的セオリーが通用するのは強いチームであり、普通以下のチームには通用しない』
ということなどはその通りと思える。
開成高校の野球部は2番に最も打撃の良い選手が入る。
1番の役割は出塁、2番で送り、3番・4番で点数を取るなんて言うのは、それなりのチームしかできない、というのがその考え方の根底にある。
では、どうするか?
1点2点を取って逃げ切れない守備のチームは、兎も角勢いのあるイニングに大量得点をめざし、できればコールドで勝つ。
なぜならば、長いイニングを戦えば、必ず守備に破たんが生じるからである。
なるほど!なのである。
そもそも開成高校の守備の決め方は
①投手は、投げ方が安定しているもの
②内野手は、そこそこ投げ方が安定しているもの
③外野手は、それ以外のもの
なのである。
それでも勝つときは勝つ。
これがおかしい。笑っちゃう。つまり野球という競技は個々の実力差があってもチームとなると、割と実力差が縮小するということなのだろう。
ハイリスクハイリターンの野球で、それを戦う選手たちは理路整然としている。しかもその理路整然としているのは、なぜできないのか、ということに関する答えなのである。
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ブログを拝見したのですが、ぜひ読書ログでもレビューを書いて頂けないかと思い、コメント致しました。
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