東京電力の損害賠償にかかる説明会があまりにもひどかったなあ、と思いつつ、本屋さんに入ったら、東電OL殺人事件と本書「東電OL症候群」が平積みされていた。
確か、東電OL殺人事件は読んだ、と確信したので、では「症候群」を読もうと買ってしまった。
実は私、どちらも読んでいたのであった。
しかも、ホームページにその感想を書いていたのである。
で、当時とは違う感想を抱いたのである。
私は、何故彼女(渡辺泰子)は売春をしていたのか?ということに興味を持つ。
著者は言う。
「彼女はおびただしい好奇心のまなざしにさらされた。しかし、彼女をそうした視線で見ることは、陳腐で表面だけなぞったますこみ言語の隊列に自分も連なっていくのと同じことではないか。私はそう強く感じた。彼女を『見る』のではなく、彼女の視線があぶりだしたものを『見る』。」
彼女の視線を通して現代日本を見る、と言っている。
そして、著者は
「虚飾をすべて取り払ったこの世と人のありのままの姿が浮かび上がっている」と感じる。
著者のもとに届く手紙は大別して「泰子の生き方に強い共感を覚える」ものと
「日本の警察と司法の在り方に強い怒りをおぼえる」ものに分かれるという。
それは、前作がそういう部分に力を込めていた著者の姿勢がそうさせる部分もあるのだろう。
彼女を通じて見た景色。裁判に登場する人たち。
著者はちょっと興味を持つと、すぐに現場へ向かう。
ちょっと横道に行き過ぎているのではないか、と思うくらいである。
この事件を通して真面目に日本を考えている。
で、著者の思いはものすごい熱い言葉となって、私の下賤な視線や思いをはじきあざ笑うのである。
1番目の関心事、彼女は何故売春をしていたのか?ということについて、彼女は自分自身を汚したかった、ということが書かれている。
何故、自分自身を汚したかったのか?という続く疑問が出てくる。
さらに、そのきっかけとはなんだったんだろう?
生きている彼女の口からもうまく説明できないのではないだろうか?
結局、人は自分自身のことが一番わからなく、一番制御できないものなのではないだろうか。そんなことを思ったりもした。
私の2番目の関心事は、彼女の周りの人々、特に東京電力の人たちがこの事件についてどう考えているのかが一番の興味であった。
同僚たちは彼女が売春をしていたのを知っていたという。
それなのに放っておいたのは何故なのか?
著者は聞き出せなかったようだ。
私は、そのあたりが東電の文化なのだと思う。
今回の放射能の問題とこの事件を結んで、著者にはもう一度ルポしてもらいたいと感じる。
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確か、東電OL殺人事件は読んだ、と確信したので、では「症候群」を読もうと買ってしまった。
実は私、どちらも読んでいたのであった。
しかも、ホームページにその感想を書いていたのである。
で、当時とは違う感想を抱いたのである。
私は、何故彼女(渡辺泰子)は売春をしていたのか?ということに興味を持つ。
著者は言う。
「彼女はおびただしい好奇心のまなざしにさらされた。しかし、彼女をそうした視線で見ることは、陳腐で表面だけなぞったますこみ言語の隊列に自分も連なっていくのと同じことではないか。私はそう強く感じた。彼女を『見る』のではなく、彼女の視線があぶりだしたものを『見る』。」
彼女の視線を通して現代日本を見る、と言っている。
そして、著者は
「虚飾をすべて取り払ったこの世と人のありのままの姿が浮かび上がっている」と感じる。
著者のもとに届く手紙は大別して「泰子の生き方に強い共感を覚える」ものと
「日本の警察と司法の在り方に強い怒りをおぼえる」ものに分かれるという。
それは、前作がそういう部分に力を込めていた著者の姿勢がそうさせる部分もあるのだろう。
彼女を通じて見た景色。裁判に登場する人たち。
著者はちょっと興味を持つと、すぐに現場へ向かう。
ちょっと横道に行き過ぎているのではないか、と思うくらいである。
この事件を通して真面目に日本を考えている。
で、著者の思いはものすごい熱い言葉となって、私の下賤な視線や思いをはじきあざ笑うのである。
1番目の関心事、彼女は何故売春をしていたのか?ということについて、彼女は自分自身を汚したかった、ということが書かれている。
何故、自分自身を汚したかったのか?という続く疑問が出てくる。
さらに、そのきっかけとはなんだったんだろう?
生きている彼女の口からもうまく説明できないのではないだろうか?
結局、人は自分自身のことが一番わからなく、一番制御できないものなのではないだろうか。そんなことを思ったりもした。
私の2番目の関心事は、彼女の周りの人々、特に東京電力の人たちがこの事件についてどう考えているのかが一番の興味であった。
同僚たちは彼女が売春をしていたのを知っていたという。
それなのに放っておいたのは何故なのか?
著者は聞き出せなかったようだ。
私は、そのあたりが東電の文化なのだと思う。
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