1.身も心も/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド 1977年9月
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの歌は「単純明快」をよしとしていた。
自分勝手なのであるが、理屈もなく単純にロックン・ロールであって欲しいと思っていたのである。
ところがこの歌は、それまでとはちょっと違った「重い」歌である。
本書の解説によれば「歌謡曲のテイストも香る独自のスタイルへと変貌」とある。
それは宇崎竜童のソングライターとしての才能の開花とキーボード奏者・千野秀一の加入によるものが大きい。
とも書いてある。
なんであれ、それまでの曲調とは違って戸惑ってしまった、という思いがあった。
まあ、歌えば気持ちよく歌える歌ではある。
2.サラダの国から来た娘/イルカ 1978年3月
イルカの歌は、伊勢正三の作品が多くそしてヒットしたので、勘違いをしていたのであるが、この「サラダの国から来た娘」はイルカの作詞作曲である。
伊勢正三の作品と違和感がないということは、イルカそのものの「味」なんだと思うのである。
♪サササ サラダ サラダの国から来た娘♪
の部分が非常に印象深い歌である。
3.キャンディ/原田真二 1977年11月
原田真二の歌ではこの歌が非常に印象深い。
解説を読むと
77年10月に「てぃーんずぶるーす」でデビュー
同年11月に「キャンディ」
同年12月に「シャドー・ボクサー」
と3ヶ月連続シングルリリース
とある。
この3ヶ月連続リリースというのは「フォーライフレコードが社運をかけて売り出したアーティスト」のためということらしいのだが、いい歌なのに次の歌がでてきて、若干印象がうすくなってきてしまった、という印象も否めない。
このキャンディはやっぱり出だしの
♪キャンディ アイ・ラブ・ユー 目覚めてよ♪
という部分がすごく印象的である。この部分だけでこの歌が「いい」と思ってしまう。
いい歌なんだけど私は今もって歌えないのである。
4.ラブ・ステップ/越美晴 1978年10月
この時代は、新しい時代を担うスターというかアーティストが待ち望まれていた時代だったような気がする。
例えば、原田真二はあのフォーライフレコードが募集したもので選ばれた(と思う)ものだったし・・・。
そういう意味で越美晴も相当期待されていたはずだった。
この歌は彼女が作詞作曲したものだったし、いいと思った。
原田真二も越美晴も「新しい」歌のスタイルだったような気がするし、それまでのシンガー・ソングライターとは違って「音楽」を本格的にやってきたようであったし、ビックになっていくように思っていたのであったが・・・
多分この時代あたりから「貪欲」というようなことがなくなってきたんだろうなあ。
社会全体が新しいことを求め、そしてプロというか専門的なことを求め、その反動のようなかたちで「貪欲」とか、いい意味での「素人っぽさ」が薄くなってきたと思うのである。
そしてもうひとつ、まだ、作られたものよりは自然にでてきたもののほうがいい時代だったのかもしれない。
5.ほほにキスして/水越けいこ 1979年9月
しからばということで、ちょっと素人っぽさが残る水越けいこなのである。
この歌も、弾んでいて、明るくて「いいなあ」という印象なのである。
だけどこの歌に「のめりこむ」ような状況にはならなかったのである。
なんでだったんだろう?
6.愛する人へ/南こうせつ 1977年1月
新しい人や曲を求める一方で、いわゆる『素人っぽさ』からスタートした、フォークソング系の人たちも変わりつつあった。
この歌は詞が岡本おさみで、若干今までとは違っているように感じるのであるが、でもやっぱり「南こうせつ」なのであった。
結局この大物たちはその後も生き残るのであるが、自分の道を進みながら時代に迎合しているようなところ、その按配、折り合いがうまいのが「大物」たる所以なのだろう。
南こうせつの歌は、詞がそのまま素直にメロディーになっているのがいい。
吉田拓郎のように無理やりというか力ずくでというか、詞と曲を組み合わせているカンジではなく(実はそのカンジがいいのであるが)、自然に詞と曲がマッチしている、それが南こうせつの特徴であると思う。
この「愛する人へ」は詞の力強さと曲のやさしさがすごくマッチしている名曲だと思うのである。
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