読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

金沢が歴史を創った日 西村京太郎 小説新潮連載

2015-01-17 22:52:20 | 読んだ
十津川警部シリーズです。
ですが、十津川警部は後半3分の2くらいから登場。

物語は、太平洋戦争末期から始まる。

米国は、多額の投資をして作った「原爆」を日本で試したかった。
原爆の威力を世界に見せつけ、終戦後の世界をリードするためである。
しかし、そのためには日本には早く降伏して欲しくなかった。

そこで「ポツダム宣言」は絶対に日本が飲み込めないものにした。それは「天皇制」に関する記述を含めなかったことである。つまり「国体護持」について認めるのか認めないのか記述しないことにより、宣言をすぐに受け入れる(=無条件降伏)ことができないようにしたのである。

また一方、ソビエトではスターリンが、日本に宣戦布告して勝利の分け前をいくらかでももぎ取ろうと画策していた。ヨーロッパから満洲へ兵員や武器等を急いで移送していた。
従って準備が整うまでは日本に降伏してもらっては困るのであった。

という状況のもと、アメリカもソビエトも情報をつかんだ。
それは、日本の戦争指導者会議6名はこれまで戦争終結3名、継続3名で拮抗していたが、継続派から1名終結派に移ったということである。
ということは、無条件降伏を受け入れる可能性が高くなったということである。

自分たちの計画が水の泡となることに焦った米ソはともかく計画の実施を急ぐこととした。

ところで、戦争継続から戦争終結に意見を変えたのは誰か?それは何故なのか?その謎を解くには「カネダ」という単語がキーになっているのだが、誰もその謎が解けない。

そうこうしているうちに昭和20年8月6日を迎えた。
米国は広島に原爆を投下させるためB29を出撃させた。
ソビエトは満州に進撃を開始した。
しかし、日本はポツダム宣言を受け入れる放送を行っていた。
従って、米国とソビエトは無条件降伏をした日本を襲ったこととなり、全世界から大きな批判を受けることとなった。

という新たな歴史が創られた。

この新たな歴史を巡っての研究会に十津川警部が参加しているのである。
そして、この研究会からまた新たな事件が発生する。

ということで、なんだかよく解らないお話なのである。
前半の新たな歴史については非常に面白かった。
そしてそれに続く事件も全世界的に拡大していく。

が、終末はなんだかもやもやしていて「ここまで引っ張ってきてなんだよう」と文句を言いたくなる。
というか、十津川警部シリーズの結末の感想はおおむねそういうようなもので、読んでいる私は「話を大きくして結末はどうするのか?」というところに興味を持っているのである。

というわけで面白かったです。


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