久々の「君たちに明日はない」シリーズである。
と思ったら、どうやら最終回のカンジ、である。
「君たちに明日はない」シリーズは、リストラ請負人・村上真介が主人公の物語である。
真介が主人公ではあるが、物語的にはその都度登場するリストラされる人物が本来の主人公、といってもいいだろう。
村上真介は、日本ヒューマンリアクト株に勤務している。
この会社は、委託を受けてリストラ(いわゆる首切り)を宣告し、受け入れを説得することを業務としている。
真介は、リストラにあたって宣告された人物の「今後」を考える。
特に、辞めてもなんとかやっていけそうな人物やとかそれなりの人物たちよりも、やめることによってステージアップしそうな人物に思い入れを強くする。
この物語が小説新潮に掲載され始まったころは、今から10年以上前なので、リストラは我々の身近にあったものだ。
私の友人にも、こんな田舎なのにリストラの波が及んできていたので、他人事のように思えず、夢中になって読んだものである。
近頃は、あまりリストラということを聞かなくなってしまったので、この物語を読もうという気持ちも萎えてしまい遠ざかっていた。
さて、今回の物語はこれまでとは違って、日本ヒューマンリアクト株の高橋社長が社員を集めて、会社の解散宣言(のようなもの)を行うところから始まる。
高橋社長は、会社の存続意義が薄れ、今後の経営は先行き不安となる。であれば、現状の「いいところ」で会社をたたみ資産(現金)を分配してしまおう、という考え方である。
従って、社員はこれまで他人のリストラを考えていたのであるが、自分自身のリストラを考えなければならなくなったのである。
そして、真介はどういう対応をするのか?
我々が将来を考え誰かに相談しようとしたとき、ほとんどの場合の相談相手は「家族」を含んだ「知人」である。つまり、自分を知っている人に相談する。
でも「知人」っていわば利害関係にある人ともいえる。
したがって、これらの人からのアドバイスは、どこかでバイアスがかかる可能性がある。
『この人はこうあるべき』ということだけでなく『この人はこうあってほしい』という気持ちが入ってしまって、適切なつまり本人にとって厳しいものになり過ぎたり、逆に甘くなるようなものになったりするのではないだろうか。
この物語の主人公・村上真介は、そのようなバイアスがなく、その人物にとって最も良い形を探りだすのである。冷静・冷徹な上に「暖かさ」を加えているから、適切なアドバイスとなるのだ。
もしかしたら、人はこのようなものを求めているのではないだろうか。
だけど、それは非常に難しいものだから、例えば「占い」のようなものに頼ってしまうのではないだろうか。
なんてことを考えながら読み進むと、真介は自分の進む一つの道を見出すのである。
しかも、それはこれまでやってきた仕事に連なる道である。
この物語は、これからも続くのだろうか?
それだけが気がかりである。
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真介が主人公ではあるが、物語的にはその都度登場するリストラされる人物が本来の主人公、といってもいいだろう。
村上真介は、日本ヒューマンリアクト株に勤務している。
この会社は、委託を受けてリストラ(いわゆる首切り)を宣告し、受け入れを説得することを業務としている。
真介は、リストラにあたって宣告された人物の「今後」を考える。
特に、辞めてもなんとかやっていけそうな人物やとかそれなりの人物たちよりも、やめることによってステージアップしそうな人物に思い入れを強くする。
この物語が小説新潮に掲載され始まったころは、今から10年以上前なので、リストラは我々の身近にあったものだ。
私の友人にも、こんな田舎なのにリストラの波が及んできていたので、他人事のように思えず、夢中になって読んだものである。
近頃は、あまりリストラということを聞かなくなってしまったので、この物語を読もうという気持ちも萎えてしまい遠ざかっていた。
さて、今回の物語はこれまでとは違って、日本ヒューマンリアクト株の高橋社長が社員を集めて、会社の解散宣言(のようなもの)を行うところから始まる。
高橋社長は、会社の存続意義が薄れ、今後の経営は先行き不安となる。であれば、現状の「いいところ」で会社をたたみ資産(現金)を分配してしまおう、という考え方である。
従って、社員はこれまで他人のリストラを考えていたのであるが、自分自身のリストラを考えなければならなくなったのである。
そして、真介はどういう対応をするのか?
我々が将来を考え誰かに相談しようとしたとき、ほとんどの場合の相談相手は「家族」を含んだ「知人」である。つまり、自分を知っている人に相談する。
でも「知人」っていわば利害関係にある人ともいえる。
したがって、これらの人からのアドバイスは、どこかでバイアスがかかる可能性がある。
『この人はこうあるべき』ということだけでなく『この人はこうあってほしい』という気持ちが入ってしまって、適切なつまり本人にとって厳しいものになり過ぎたり、逆に甘くなるようなものになったりするのではないだろうか。
この物語の主人公・村上真介は、そのようなバイアスがなく、その人物にとって最も良い形を探りだすのである。冷静・冷徹な上に「暖かさ」を加えているから、適切なアドバイスとなるのだ。
もしかしたら、人はこのようなものを求めているのではないだろうか。
だけど、それは非常に難しいものだから、例えば「占い」のようなものに頼ってしまうのではないだろうか。
なんてことを考えながら読み進むと、真介は自分の進む一つの道を見出すのである。
しかも、それはこれまでやってきた仕事に連なる道である。
この物語は、これからも続くのだろうか?
それだけが気がかりである。
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