それから4か月たったある日
私はシュタイナー幼稚園のバザーの準備の手伝いをすることになった。
いつもは朝の8時前に息子を幼稚園に車で連れてきて
そのまま日本人学校へ通う娘を送っていた。
しかし、その日は朝9時にドイツ人のお母さんと
幼稚園で待ち合わせての作業だったので、
9時に再び幼稚園へと戻ってきた。
朝の9時に幼稚園に来るのは初めてだった。
待ち合わせの場所で15分くらい待っても
来るはずのドイツ人のお母さんは現れなかった。
彼女の指示で作業することになっていたので
「すっぽかしかぁ・・・」と、
途方にくれながら、幼稚園の中をのろのろと歩いた。
すると、少し大きな部屋のドアが開いていた。
中をのぞいてみると床の上に敷物が敷いてあり
その上にいろいろな楽器が所狭しと並べられていた。
その楽器の中に混じって
私がかつて夢見たライアーが見えた。
私が楽器たちに見入っていると
一人の優しそうなドイツ人女性がいた。
「ここで何をなさるのですか?」
「私は音楽療法をここで週一回やっています」
と、その女性はにこやかに答えた。
「お話を伺いたいのですが」
「今日はもうクライアントが来るので駄目ですが・・・」
私は彼女の電話番号をもらって
「連絡します・・・」と伝えた。
(つづく)
私はシュタイナー幼稚園のバザーの準備の手伝いをすることになった。
いつもは朝の8時前に息子を幼稚園に車で連れてきて
そのまま日本人学校へ通う娘を送っていた。
しかし、その日は朝9時にドイツ人のお母さんと
幼稚園で待ち合わせての作業だったので、
9時に再び幼稚園へと戻ってきた。
朝の9時に幼稚園に来るのは初めてだった。
待ち合わせの場所で15分くらい待っても
来るはずのドイツ人のお母さんは現れなかった。
彼女の指示で作業することになっていたので
「すっぽかしかぁ・・・」と、
途方にくれながら、幼稚園の中をのろのろと歩いた。
すると、少し大きな部屋のドアが開いていた。
中をのぞいてみると床の上に敷物が敷いてあり
その上にいろいろな楽器が所狭しと並べられていた。
その楽器の中に混じって
私がかつて夢見たライアーが見えた。
私が楽器たちに見入っていると
一人の優しそうなドイツ人女性がいた。
「ここで何をなさるのですか?」
「私は音楽療法をここで週一回やっています」
と、その女性はにこやかに答えた。
「お話を伺いたいのですが」
「今日はもうクライアントが来るので駄目ですが・・・」
私は彼女の電話番号をもらって
「連絡します・・・」と伝えた。
(つづく)