第655夜 私の文学放浪1

2008-09-05 22:01:45 | その他
2008.9.5(金)

仕事場の近くの中学校では、連日朝から運動会の練習をしている。

知人のお子さんがこの中学に通っているとのことだが、帰宅して晩ご飯を食べて風呂に入ったらバタンキューで直ぐ寝るそうである。疲れきって帰るらしい。
厳しい残暑の中、暑いだろうなぁと思うとともに、我が家の娘も同じように練習しているんだろうなと思う。帰宅してみると娘の顔は真っ赤に焼けていた。しかし、バタンキューには程遠く、果物をほうばりながら漫画を読んでいた。

末娘はトイレが長いところと、TVをあまり見ないところが私によく似ていると家人が言う。トイレが長いのは、便座に座って本を読むからである。私は必ず本持参でトイレに入るし、以前はトイレでのみ読む本をトイレの棚に備え付けていた。娘も私を見習っている。まあ、漫画であれ文学書であれ読書する習慣がついていることは良いことだ。

私も最近良い本を見つけた。野坂昭如の「文壇」という本で、2002年に上梓、同年、泉鏡花文学賞を受賞している。この本の存在は知っていたが、その内読もうと思っていて6年が経過していた。今年の春先に本屋でこの本の初版の文庫本を見つけて購入した。暫くは書斎の机の上に放ってあったが、先日やっと頁を開いた。

読み進むに連れて、どんどんその内容に引き込まれていった。野坂氏は我が師匠、吉行淳之介、三島由紀夫に傾倒しており、また両氏にも認められていた偉才である。彼の記憶力たるや想像を絶するものがある(私の友人の中にも、学生時代のこと細かいことを良く覚えている記憶力抜群の者がいるが、最近のことはあまり覚えていないようだ)。

野坂氏はその記憶力で、1960年前後の文壇の様子を書き上げた。余分な部分を出来るだけ切り落とした文体なので、ちょっと読みにくいかも知れないが、それを含めての彼の作品である。師吉行淳之介は、文学に於ける文章は、如何に余分な部分が削れるかということに苦心すると言っておられる。野坂氏の文章はそれを見事に徹底している。私のような凡人からは、省き過ぎの感があるが、このような文士は近年ではお目にかかれない。

まだ読了していないが、最後まで読むのが惜しい気もする。

今日の暦
・国民栄誉賞の日、1977年(S52)2日前の9月3日に通算ホームラン数の世界最高記録を作った王貞治が、日本初の国民栄誉賞を受賞した日。同賞は前人未到の偉業を成し遂げ、多くの国民から敬愛され、夢と希望を与えた人に贈られる賞とされる。
・石炭の日、1992年(H4)通産省の呼びかけにより、日本鉄鋼連盟、電気事業連合会、日本石炭協会の団体により制定。クリーン・コールの語呂合わせ。

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