第668夜 干物考3

2008-09-17 21:12:22 | 釣り談義
2008.9.17(水)

今夜こそ干物の作成方法、種類を記載することにします。

実に様々な方法がありますが、要は水分を飛ばして保存性を高めることにある訳です。それに独特の食感、風味を味わうことが出来ます。文化ですねえ。敵に塩を送るの語源になった甲斐の国などは山国です。新鮮な魚は食すことが出来ない訳です。豊富に魚介類が獲れる地域ではこうした地域へも分配するために干物の製造は発達したんでしょうね。或いは、獲れ過ぎた魚を如何に保存するかということも重要な課題だったのかも知れません。以下干物の作成方法です。

素干し・・・スルメイカなど。昔からの干物で、保存性を重視し細菌類の繁殖を抑えるため、長い日数をかけて干し、殆どの水分を抜くため風味が抜け身が硬くなり食感が悪くなる欠点がある。

生干し・・・若干し、一夜干し。アジ、シシャモ、コマイ、カレイ、アマダイなど。軽く水分を抜くだけ。保存が効かないので冷蔵庫での貯蔵が必要。

丸干し・・・メザシ、イワシ、アジ、サンマ(稚魚の丸干しは針子という)、カラスミ、チリメンジャコ、桜エビ、カレイ、カマスなど。内臓を取らずに生干ししたもの。

開き干し・・・サンマ、アジ、サバ、ホッケ、カマス、キンキ、キチジ、メンメなど。内臓を取り除いて開いて干したもの。

調味干し・・・クサヤ、ムロアジなど。調味液に漬けて干したもの。

味醂干し・・・アジ、イワシ、サバ、サンマ、フグ、クサヤ、ウマヅラハゲなど。味醂や醤油などに漬け込み干したもの。小魚を開いて作った味醂干しは桜干しとも言う。

寒風干し・・・サケなど。潮風に当てて干したもの。

塩干し・・・アジ、カマス、アマダイ、キンメ、サバ、フグ、ホウボウ、サワラ、ホッケ、アユ、タコなど。塩漬けにしたものを干したもの。立て塩法(食塩水溶液に浸漬)と撒き塩法(手塩)がある。

焼き干し・・・焼いて水分を抜いたもの。

凍干し・・・乾物と同じ方法で何度も凍結させて乾燥させたもの。

煮干・・・しらす干し。貝柱、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、キビナゴ、アジ、サバ、トビウオなど。イリコ、ジャコ、ダシジャコなどと呼ばれる。煮てから乾燥させたもの。

灰干し・・・灰で包み水分を抜く。空気と紫外線に極力触れさせないまま乾燥させる。鮮度は非常に高く鮨にもできる。入手しにくく、その味たるや絶品とのこと。

文化干し・・・魚を乾燥させる時にセロファンで包む方法。

ざっとこれくらいの作成方法がありますが、それぞれに文化や匠の技があるわけだ。干物作成は気象現象にも影響されるので、お天気で風通しの良い日を選んで試してみてください。日本では朝食に欠かせない一品、健康保持のためにも干物を食しましょう。
諸外国でも干物の作成は盛んで、特に中国、ポルトガル、イタリア、スペインなどが有名。

今日の暦
・燕去る(72候)
・モノレール開業記念日、日本初の旅客用モノレールで、1964年(S39)浜松町~羽田空港間で東京モノレールが開業。遊覧用では1957年(S32)上野動物園に作られたのが最初。
・台風襲来の特異日。

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