~ランパル&ラスキーヌ~フルートとハープ名曲集~
作者不詳:グリーンスリーヴス
クルムフォルツ:ソナタ ヘ長調
ロッシーニ:序奏と変奏
フォーレ:子守歌
イベール:間奏曲
ダマーズ:ソナタ
フルート:ジャン=ピエール・ランパル
ハープ:リリー・ラスキーヌ
発売:1979年
LP:RCV E‐1048
このLPレコードは、フルートの名手であったジャン=ピエール・ランパル(1922年―2000年)とハープの名手であったリリー・ラスキーヌ(1893年―1988年)が共演して録音したもの。フルートとハープの組み合わせの曲は、モーツァルトの有名な協奏曲以外は、ありそうでいてあまりない、というより、あまり演奏されない楽器の組み合わせなのだ。そうであるからこそ、このLPレコードの存在自体が貴重になってくる。しかも、それぞれの奏者が超一流であるから、さらにその存在意義が高まる。そして、LPレコードという記録媒体が本来的に持つ、音の柔らかさやピュアな音質が存分に発揮されて、一度聴くと「LPレコード以外ではもう聴きたくない」と感じられるほど。フルートとハープは、数ある楽器の中でも最も古くからある楽器であるが、近代的な楽器として完成したのは、19世紀の前半という比較的最近というから、少々驚きだ。モーツァルトは、フルートの音程が不安定であったため、フルートの曲はあまり遺していない。一方、ハープはというと、長らく転調が出来ないという欠陥をもった楽器であったのが、ようやく19世紀に入り、エラールによって近代的な楽器へと生まれ変わった。この2つの楽器に共通するのが、作曲家、演奏家、楽器製造家いずれをとってもフランスとの関りが非常に強いということ。これは、フランス音楽が、この2つの楽器の優雅で、華やかな美しさに彩られた特質に、ぴたりと符合することから来ることなのであろう。フルートのジャン=ピエール・ランパルは、フランスのマルセイユに出身。1943年にパリ音楽院に入学。1947年に「ジュネーブ国際コンクール」で優勝しソロで活動を開始。1956年からパリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者となる。現在では「ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール」が開催されている。ハープのリリー・ラスキーヌは、パリ出身。1904年にパリ音楽院に入学。16歳でパリ・オペラ座管弦楽団にハープ奏者として入団。1934年にフランス国立管弦楽団が創設されると、ハープの独奏者に就任。現在では「リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクール」が開催されている。このLPレコードでの2人の共演は、正に”夢の共演”の表現がぴたりと合い、優雅さと華やかさとが融合し、聴いていると、あたかも一面に美しい花々が咲き誇った花園に居るような気分に浸ることができる。(LPC)