マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

ARDBEG GALILEO 1999

2014-05-07 13:43:53 | グルメ
前回のラフロイグと今回のアードベッグとは、わずか500m
くらいしか離れていないご近所さんの蒸溜所なのですが、ボト
ルの中身としては前回と今回とでは大きく方向性が異なります。

maltclub-spring16.jpg

アードベッグという蒸溜所は、アイラ島南端の蒸溜所の中でも
小さい方で、ポットスチルはわずかに2器だけというところです。
そのためか、従来は素朴でオーソドックスなヘヴィピートのウィ
スキーを出荷していました。

しかし、ここ数年昨今のアードベッグは、まるで人が変わったか
のようにさまざまなバリエーションの製品を送り出すようになり、
今回のガリレオというラベルは、「ウィスキーは宇宙でも熟成
するか」という宇宙実験プロジェクトを記念したボトルなのだ
そうです。

もちろん宇宙に行っている樽は宇宙にあるわけですから、この
ボトルの中身が宇宙帰りというわけではありません。あくまで
イベント商品ということです。

そういうことですから、中身の良し悪しより話題先行の商品で
あり、テイストはシェリーとバレルのブレンドというオーソ
ドックスなもの。モルトマニア向けというより一般社会向けです。
特筆すべき内容は見られませんでした。

まあ話のネタとして。
 

感謝!
 
 

PREMIER BARREL LAPHROAIG 11yo

2014-05-02 15:04:20 | グルメ
プレミア・バレル・セレクションと名付けられたラフロイグの
11年物。

maltclub-spring14.jpg

英語で色々書かれていますが、可笑しいと思ったのはシングル
バレルの11年熟成でアルコール度が46度になるか?という
ことでした。

確かにテイストはバーボン樽で、一般的なラフロイグの印象を
大きく覆す甘ーいバニラ風味のウィスキーに仕上がっていますが、
ラベルの最下部には384本ボトリングされたと印字されてい
るので、なにをどう考えても辻褄がありません。

これは要するに加水したということでしょう。シングルカスク
という言葉の定義の隙間をつく一本ということです。

ここで、私がこの記事を書く理由としては、蒸溜所の名前だとか、
ラベルのデザインだとか、熟成年数だとか、挙句の果てには
シェリーがどうとか、そういう一切合財の第一印象と、実際の
味覚には完全一致がないということです。

むしろ、酒という嗜好品の原点に立ち返ったとき、飲み物と
して美味いかどうか。その美味いものをどのように作るか、
というプロセスとノウハウにこそ一番の価値があるのであって、
それを直視して味わうことが一番美味しい飲み方ではないか、
ということにつきます。

私自身、ついいつもの癖でラベルを読んで製造の中りをつけ
ようとしたのですが、そのセオリーを大きくうれしい形で
裏切ってくれた一本です。何事も素直に受け止めてみるという
ことが、いかに大切かを反省させられました。

もちろん、大人の美味しいお酒として飛び切り上等です。

それでは、よいゴールデン・ウィークをお過ごしくださいませ。
 

感謝!

 


SAMAROLI S PEATY ISLAY BLENDED MALT 1993

2014-05-01 14:18:24 | グルメ
ようやく、ジュラから小さな連絡船に乗ってアイラ島にやって
きました(笑)。

アイラ島のピーティなモルトウィスキーばかりをブレンドした
企画もの?です。

maltclub-spring13.jpg

日本人は、アイラ島のピーティでスモーキーなウィスキーが
好きだと言われますが、いくらなんでもそればかり混ぜるのは
どうなのよ?と思います。

でも、意外や意外にそういうミックスを作りたがる、飲みたがる
面白がる精神がスコットランド人にはあるんですね。「ここに
超臭いウィスキーばかり集めた一番ストロングなやつがあるぞ、
どうだー!」というところなのだと思います。

一般的に、ブレンデッド・ウィスキーというのは、さまざまな
個性の原酒を混ぜることで高バランスの美味しさを作ることを
視野にして行われていますが、似た個性ばかり混ぜて最強の
クセを追求するというのも、アリと言えばアリですね。これは
日頃から常識に捉われてしまっていると、なかなか思いつかない
芸当です。

テイストの方ですが、味から分かるのはアードベッグとボウモア
が含まれていることで、あともう一種類入っているそうですが、
バニラっぽさから見るとラフロイグか、線の細さでいうとラガ
ヴーリンか、というところだと思います。

ラベルをみるとピーティな原酒ばかりのブレンドということで、
ちょっと躊躇する感じもありますが(笑)、飲んでみると各蒸溜所
のカスクほど強くなく、ピーティな範囲でマイルドなブレンド
に仕上がっていると思います。要するに、飲みにくいはずなのに
飲みやすいということです。そのあたりが、20年熟成の45度
というところに表れているのでしょう。

アイラ島のウィスキーがお好きという方なら、こういう飲み方も
あるということで、お試しいただいてはいかがでしょうか。
 

感謝!