5月30日(土)に、無事、実践編ともいえるオンライン公演を実施したので、その取り組みについていったん整理。
1)オンライン演劇を実施する上での課題の確認
2)オンライン上でどこまでリアルに近づけられるのか
3)オンラインらしさ、オンラインならではの表現は何か
4)投げ銭・送金といった課金は可能か
5)オンライン演劇で演劇的な虚構性、ダイナミックスさは可能か . . . 本文を読む
先日、劇団の総会があった。総会で何をするかというと、まずは劇団の代表を選出することになる。
多くの劇団は、作家や演出家等の一つの才能、中心人物のもとに役者やスタッフが集うというような形が多いのではないかと思う。だからこそ代表が劇団の柱であり、存立条件だったりするだろう。
僕が所属する劇団では、代表をはじめとした執行部全員の任期を1年とし、毎年、選出・信任することにしている。
その制度を導入し . . . 本文を読む
映画が終わった瞬間の重苦しい空気。救いのない様に誰も口を開かず席を立つ……。久しぶりに映画館で味わうこの雰囲気に、何となく嬉しくなる。クリストファー・ノーランなら、同じ様な重苦しさの中にも、映画的なダイナミズムやアクションで観客たちを驚嘆させたのだろう。でもここに描かれた「ジョーカー」は、社会の底辺の精神疾患を抱えた者が社会から疎外され、怨嗟の念を募らせていく映画だ。そこにはダイナミズムではなく . . . 本文を読む
コインチェックで仮装通貨NEM、26万人460億円がハッキングされた。このところの仮想通貨の高騰等もあって、周りでもビットコインを購入している人間がいたのだけど、僕自身はもう一つ、仮想通貨の価値についてピンと来ていなかった。
利用シーンはわかる。不安定な国家の信用のない貨幣よりは安定しているかもしれない、世界中で利用できるから送金手数料も不要だ。でも貨幣の代替だとすると、その単位(便宜上「BTC . . . 本文を読む
年末に我が家に子犬が来た。
生後3~4ヶ月のまだ子犬だ。
その子犬が心臓に障害を抱えており、長生きは難しそうだということが分かった。
さて、ここで考えたこと。
まだ数日とは家、縁あって我が家に来た子だ。彼女がうちを選んだわけではない。
それが前提。
当然、ペットショップでは健康であることを保証した上で販売をしている。
ペットショップの今回の話をすると、「他の子犬と交換しましょうか?」とのこ . . . 本文を読む
燐光群「ゴンドララドンゴ」観劇。
昭和天皇崩御前、バブル華やかなりし頃、ゴンドラやブランコに乗って、ビルのガラス清掃をする2人。ゴンドラの転落とともに起こったのは、まさかの「転校生」的展開。2人の体と中身が入れ替わってしまう。「おれがあいつであいつがおれで」。これも80年代に対する郷愁か。蜷川に対する突っ込みやや野田秀樹に対するパロディも、80年代の転換した演劇に対する想いだろうか。
(昭 . . . 本文を読む
DULL-COROLED POPこと、ダルカラの活動休止前公演「演劇」を鑑賞したので簡単に感想を。
演目タイトルが「演劇」という、まぁ、大胆というか、怖いもの知らずというか…並み半端な覚悟ではできない公演。主宰 谷賢一さんの気合が感じられるというもの。
ストーリーはというと、「僕たちは一人一人が人生という舞台の主役なんだ!」的な言い方もできるのだけれど、この芝居ではむしろ大事ないのは、ストーリー . . . 本文を読む
思うところがあって、震災から5年たった被災地を巡ってみる。
5年という月日は長いのか短いのかわからないけど、震災直後のような風景は残っていないし、かといって全てが復興したわけでもない。これは5年後の被災地を巡った備忘録だ。
<訪問先>
■2016/05/02 閖上(ゆりあげ・名取市)
※語り部タクシーに乗車
・日和山
・閖上の記憶
■2016/05/02 荒浜(通過)
※語り部タクシーに乗 . . . 本文を読む
2015年1月12日、親父が死んだ。
StageIVの告知を受けたのが、2013年の8月でその時に言われたのが、余命は6~8ヶ月だろうと。その後、治療方針についての葛藤を経て、抗がん剤治療を拒否し、地方では珍しい献身的な医師の下で緩和ケアという選択をし、17ヶ月間を自分らしく生きて、そして死んでいった。
本人も、僕も覚悟はしていた。
親父は Ending Note をつけ、事前に身辺整理を進 . . . 本文を読む
久しぶりの更新が極私的な内容。まぁ、あまり気にせずに。
僕がもっとも精神的にしんどかった頃、僕は二匹のうさぎ達に救われたと言っていい。「さくら」と「りんたろう」の二人だ。
長女の さくら は「超」がつくほどのお転婆で、わがまま、そして甘えん坊でツンデレ。でもその仕草はいつもどこかおかしくて、いつでも僕を笑わせてくれた。
彼女は撫でられるのが好きで、幼い頃は僕が撫でているとそのまま気持ちよさ . . . 本文を読む
父の癌が発覚してから1年が過ぎた。Stage4。この状況が好転することは、まずない。
今日はこの件ではなく、遠く離れて暮らす親父への介護/看病をどうするか、それに対する介護スタッフの姿について書きたいと思う。
親父が住んでいるのは北陸の地方都市。親類が近隣にいるとはいえ、必ずしも付き合いが多いわけではない。母親は他界、息子は東京で働いているということもあって、いわゆる「独居老人」だ。
体も比 . . . 本文を読む
7月26日(土)~7月27日(日)は「柏祭り」だということもあって、街の至る所でイベントが行われた。だいたい「柏祭り」は、賑やかではあるものの歴史というか伝統というか、そういったものが希薄だ。神輿もあるし、盆踊り(柏おどり)もある。ねぶたもあるし、過去にはよさこいパレードもあった。とはいえ、いずれにしろ京都の祇園祭や浅草の三社祭のように、伝統に裏打ちされた祭りという感じではない。
とはいえ、70 . . . 本文を読む
演劇の魅力というのは、その「生」の空気感にある。物語の良し悪しであれば、演劇でなくても小説でも映画でもいい、役者の演技の質というだけならベストなシーンばかりを集めた映画の方が上かもしれない。しかし「生」であること、役者自身が放つパワーや観客も含めた一体感というものは、映画では味わえない絶対的な魅力がある。
と、同時にこの魅力は、意識するしないにかかわらず、観客に参加することを強要する。役者の . . . 本文を読む
一言でいうなら、素敵な芝居だったな、と。うん、見てよかった。
初めてのマームとジプシー、初めての藤田貴大。岸田戯曲賞受賞作ということで、池袋まで。
開演前、せり出した舞台も、シンプルなオブジェも、白い衣装で体を伸ばす役者陣もいい雰囲気。正面には街の様子をかたどった箱庭のような世界が映し出されている。これだけでいい雰囲気。開演が待ち遠しくなる。
役者で魅せるというよりは、演出で魅せるタイプ . . . 本文を読む