ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

第9地区:アパルトヘイトを彷彿させる人間たちの残酷さ

2010年10月31日 | 映画♪
ドキュメンタリータッチの斬新なスタイル、難民化した異星人たちが住み着き28年後という設定…予想外に面白かったのがアカデミー賞4部門にノミネートしたニール・ブロムカンプ監督の「第9地区」。エイリアンをモチーフにしながら、しかしそれを1つの記号と見なすのならば、考えさせられることは多々あるだろう。 【予告編】 映画「第9地区(District9)」予告編(日本語字幕) 【あらすじ】 南アフリ . . . 本文を読む

「日本鬼子(ひのもと おにこ)」は成熟日本を救えるか

2010年10月30日 | コンテンツビジネス
「シミュラークル」という言葉がある。80年代の「ポストモダン」ブームだった頃に流行った言葉だ。フランスの思想家 ジャン・ボードリヤールが提唱した概念で、高度消費社会において、商品が「使用価値」以上に「記号」としての価値が高くなっていることを示したものだ。つまりこれまでであれば実際に「道」がありそれに基づいて「地図」が作成されてきたが、高度消費社会では先に「地図」ありそれに基づいて「道」が作られる、 . . . 本文を読む

前工程と後工程

2010年10月25日 | ビジネス
「今、自分が抱えている業務を全て自分でこなすことは無理だとしたら、他の人間にどう任せていくかが大事だ」という話が課長からあった。これはそのとおり。自分だけで仕事をしているわけではないし、他の人とどのように「協調」して作業を進めていくかというのは重大な問題だ。 しかしここで注意しなければならないのが、この発言には必ずしも「全体効率」をめざした発言とは限らないということ。発言だけとればもっともなこと . . . 本文を読む

「Googleストリートビュー」がさしかかった社会との新しい段階

2010年10月24日 | ネットビジネス
ちょっと目についたニュース。ITProの記事によると、Googleは「ドイツでまもなく開始する「Street View」サービスについて、24万4237世帯から住宅の鮮明な画像を公開しないよう求められ」、「サービス開始に先立ち、ドイツのデータ保護当局の指導の下、文書とオンラインツールによるオプトアウトの手段を用意した」とのこと。 Googleの「Street View」、ドイツで24万世帯がオプ . . . 本文を読む

レスラーとダイバー :ミッキーロークとロバート・デ・ニーロが演じた男たちの挽歌

2010年10月23日 | 映画♪
似て非なる2つの映画。 1つはミッキーロークが主演した第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品の「レスラー」で、もう1つはロバート・デ・ニーロが主演をした作品の「ザ・ダイバー」。これら2つの映画は根底に流れるテーマは同一でありながら、メッセージもその結末も対照的だ。 【「レスラー」予告編】 『レスラー』予告編 The Wrestler Movie Trailer 【「レスラー」あらす . . . 本文を読む

プロフェッショナル 仕事の流儀:松本人志と「集合知」

2010年10月17日 | コンテンツビジネス
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でダウンタウンの松本人志を取り上げていた。結局はNHKで再放送する松本のコント番組の番線かよ、みたいなところもあるのだけれど、まぁ、松本人志の裏側(作り手側)をこれだけ追ったのもこれくらいだろう。で、これを見ていて感じたことを。 この番組の中で松本人志は「お笑い・コントの求道者」のように描かれていた。常に新しい笑いを求め、出来上がった笑いを定型化させるの . . . 本文を読む

Sony「Google TV」発表、ネットテレビがもたらす日本メーカーの危機

2010年10月16日 | デジタル家電・iPodなど
ソニーが「Google TV」搭載のネットテレビを発表した。「GoogleTV」とは、ネットへの接続機能を搭載したAndroidベースのテレビ向けプラットフォーム。これまでのテレビがいかにもハードウェア製品です、という感じだったのに対して、この製品はCPUとしてネットブックなどにも利用取れているIntelのAtomプロセッサを採用し、OSにはAndroid、ブラウザとしてChromeを搭載し、An . . . 本文を読む

十三人の刺客(13人の刺客):三池崇史監督が描いた「武士道」という虚構性

2010年10月11日 | 映画♪
もちろん「ヤッターマン」をあんな風に再現できるのは三池監督の手腕によるものだとわかりつつ、やはり三池監督の凄さというのは、疾走シーンや乱闘シーンなのだと実感。50分にわたる戦闘シーンはその魅力満点で、こんなに面白かった時代劇というのは勝新太郎が自ら主演をした「座頭市」以来だろう。役所広司、山田孝之、稲垣吾郎、松方弘樹、市村正親ら豪華なキャスト陣に彩られた10年代の時代劇の名作の誕生だ。 【予告編 . . . 本文を読む

検察という名の自虐的なジョーク

2010年10月06日 | Weblog
何というか、何かのジョークなのか、パロディなのか、大阪地検特捜部の証拠改竄事件は検察という組織人の感覚のおかしさを物語っている。 この事件、本来であれば、1)前田容疑者が何故、証拠の改竄をしたのか、2)何故、そのことを防ぐことが出来なかったのか、ということが焦点となるはずだったのに、そこに組織的隠蔽の可能性が高まり、大阪地検特捜部 大坪前部長と佐賀前副部長が逮捕されるという自体となる。 まぁ、 . . . 本文を読む

インビクタス/負けざる者たち:クリントイーストウッドが撮ったネルソンマンデラの不屈の魂

2010年10月04日 | 映画♪
クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン製作総指揮、27年間も投獄生活を余儀なくされた南アフリカネルソン・マンデラと南アフリカ代表のラクビーチームを主人公に描いた感動の実話。アパルトヘイトも過去のことになりつつある南アフリカで、しかしまだまだ戦いは続いているのだ。 【予告編】 映画 インビクタス/負けざる者たち 予告 【あらすじ】 1994年、南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任 . . . 本文を読む

立喰師列伝:押井守が描いた「立喰師」と「戦後」の変容

2010年10月03日 | 映画♪
いやはや押井守節炸裂の作品。新しく近所に開店したTSUTAYAに置いてあったので手に取ったが期待以上でき。混沌とした「戦後」から高度経済成長、政治の季節を経て現代に至る中で、時代を漂いあるいは抗ってきた「立喰師」たちの生き方を追ったドキュメンタリー。押井守が真剣にふざけている以上、こちらも真剣につきあわないと。 【予告編】 立喰師列伝 予告編 【あらすじ】 これは、“立喰師”と飲食店主たち . . . 本文を読む