ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

【映画】鈴木先生:啓蒙主義を否定した鈴木メソッドがもたらす息苦しさ

2013年09月29日 | 映画♪
「息苦しくなりましたねぇ」コンプライアンス強化やら、セキュリティ対策やらで最近の職場で出た会話。しかしこれは何もうちの職場だけではない。社会全体を覆うある種の空気感を象徴していると言っていい。映画版「鈴木先生」ではこの「息苦しさ」がテーマ。しかし僕が感じたのは「鈴木先生」の持つ息苦しさだ。 【予告編】 OP映像 【あらすじ】 緋桜山中学の国語教師・鈴木先生(長谷川博己)は、一見問題がな . . . 本文を読む

【書評】ペンギンが空を飛んだ日―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル

2013年09月16日 | 読書
Suicaの生みの親ともいえる元JR東日本の椎橋章夫が書いた、Suica誕生から全国の交通系ICカードの相互利用までの苦労などをまとめた一冊。Suica導入までの苦労やSuicaの仕組みの概要が網羅的に書かれている。 ペンギンが空を飛んだ日―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル / 椎橋章夫 【内容】 第1章 一枚のカードが変えた鉄道の世界 第2章 技術開発の時代―ICカード黎明期 . . . 本文を読む

【書評】がんと死の練習帳 / 中川恵一

2013年09月09日 | 読書
先日から、近藤誠氏の「がん放置療法のすすめ」、中村仁一氏の「大往生したけりゃ医療とかかわるな」、向山雅人氏の「生きる力がわく『がん緩和医療』」と立て続けに癌治療に関しての本を読んできたのだけれど、その流れで手にとった一冊。しかしそれまでの3冊が「実践」を前提にした考え方をまとめたものだったのに対し、中川恵一氏の「がんと死の練習帳」はもう少し生と死についての意味について書かれた、哲学的な視点の本。そ . . . 本文を読む

朗読劇「ひなた便り」にみる「朗読」「朗読劇」「演劇」の違い

2013年09月08日 | 演劇
ひなたなほこさん主催の朗読劇「ひなた便り」を観劇。プログラムの内容としては、夏目漱石原作の「夢十夜」より「第一夜」「第三夜」、北坂昌人原作の「ハンバーガー」、坂木司氏の「物件案内」の四作品。 舞台は狭い空間をうまくまとめており、壁からかけられた白い布がある時は舞台装置として、ある時はメンバーを隠す装置として活躍する。メンバーの衣装も決して飾ったものではないけれど、ナチュラルな感じに統一されている . . . 本文を読む

【映画】風立ちぬ:宮崎駿のラスト長編作品が残した課題

2013年09月07日 | 映画♪
総論としては一度は見た方がいい「良質な作品」。ただどうだろう、引退宣言をした宮崎駿監督の最期の長編作品だと思うと「ものたりない」というのが正直な感想。予告編が非常によかっただけに、宮崎駿氏の想いやメッセージ、あるいは作家性というものがもう少し出ているのかと思っていたのだけど、そうではない。 「創造的人生の持ち時間は10年だ」 映画の中でカプローニが二郎に語ったセリフ。その言葉が重なり合う。宮崎 . . . 本文を読む