今、ビクター・マイヤー=ショーンベルガー/ケネス・クキエ著「ビッグデータの正体」を読んでいる。前半部を読む限り、この著作は「ビックデータ」社会がこれまでの「スモールデータ」社会をどうように変革するか、その可能性を説いており、それを訪れるものとして肯定している。
ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える
この著作によると、ビックデータ社会では3つの大きな変化があるという。、
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Suicaの生みの親ともいえる元JR東日本の椎橋章夫が書いた、Suica誕生から全国の交通系ICカードの相互利用までの苦労などをまとめた一冊。Suica導入までの苦労やSuicaの仕組みの概要が網羅的に書かれている。
ペンギンが空を飛んだ日―IC乗車券・Suicaが変えたライフスタイル / 椎橋章夫
【内容】
第1章 一枚のカードが変えた鉄道の世界
第2章 技術開発の時代―ICカード黎明期 . . . 本文を読む
先日から、近藤誠氏の「がん放置療法のすすめ」、中村仁一氏の「大往生したけりゃ医療とかかわるな」、向山雅人氏の「生きる力がわく『がん緩和医療』」と立て続けに癌治療に関しての本を読んできたのだけれど、その流れで手にとった一冊。しかしそれまでの3冊が「実践」を前提にした考え方をまとめたものだったのに対し、中川恵一氏の「がんと死の練習帳」はもう少し生と死についての意味について書かれた、哲学的な視点の本。そ . . . 本文を読む
「がん放置療法のすすむ(近藤誠)」と「生きる力がわく「がん緩和医療」(向山雄人)」の後に引き続き読んだ一冊。近藤誠さんが、「がん」、特に根治の可能性のない転移癌については、積極的な治療を求めるのではなく、QOLを確保するための治療や痛みをとるための治療のみとすることが望ましいとし、どちらかというと「積極的な治療」の否定派だとすると、向山雄人さんは「緩和治療」を抗がん剤などの「積極的治療」と並行して . . . 本文を読む
近藤誠さんの「がん放置療法のすすめ」ががんに対して積極的な治療をするのではなく、QOLを維持するために限定的に「抗がん剤」か「緩和治療薬」を使うというスタンスなのに対し、向山雄人さんは緩和ケアを早期の段階から他の積極的治療と並行して活用することを提案する。同じく「がん」に対して根治が難しい場合が多いことを認めながらもそのスタンスは対照的だ。
生きる力がわく「がん緩和医療」 / 向山 雄人
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乳がんの「乳房温存治療」の提唱者にして、「がん放置療法」を提唱する近藤誠氏の著書。何とも衝撃的なタイトル。個人的には非常に共感できるところも多々あるものの、同時に1つの大きな疑問が。
「結局、がん治療に携わる医者の役割とは何なのか」
がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書) / 近藤誠
近藤先生の考えを整理すると、
「癌」は「老化現象」である。年齢を重ねる中で遺伝子変調の . . . 本文を読む
「親の死なせかた」ちょっと衝撃的なタイトルではあるけれど、第三者として患者と接する医師が「親」という特別な存在の看取りに際して、どのように考えたか、どうすべきかをまとめた本。病名やおかれている状況も違うし、そこに正解があるわけではないのだけれど、自らの考え方を整理するために購入した本。
親の死なせかた 医者が父母の最期を看取って考えたこと / 米山公啓
【概要】
海外では「口から食べられな . . . 本文を読む
ちょっと職場で個人的に不条理さを経験したことと、東日本大震災という僕らの生活基盤の根底を揺るがす事態を経験したこともあって、これからの仕事との付き合い方を考えることが度々あった。そんな中で出会った一冊。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
僕らの世代にとって、終身雇用が幻想だったということは分かっていたとはいえ、そのメリットを享受できる端境期というか、いず . . . 本文を読む
ちょっと地方のビジネスホテルのマネージメントについて調べようと思い、手に取った一冊。業界の人からすると当たり前、他の業界の人間にとっては情報を整理する分にはお手ごろの一冊。
なぜビジネスホテルは、一泊四千円でやっていけるのか / 牧野知弘
【要約&まとめ】
確かに僕が子供の頃は「ホテル」に泊まるというのは一種特別な「ハレ」の意識があったけれど、今ではそうではない。一泊4千~5千円だせば泊 . . . 本文を読む
いまさらながら「1Q84」を読む。新しい村上春樹。謎に満ちた展開と、解き明かされないまま終わりを迎えるストーリー。それでもこれは新しい代表作といえるのだろう。
1Q84 / 村上春樹
村上春樹の作品を読んでいると、その内的世界がいくつかの変化を遂げていることがわかる。
デビュー当時、鼠三部作の呼ばれる作品郡(「風の唄を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」)の頃の世界観というの . . . 本文を読む
3.11という未曾有の震災があり、同時にそれがこれまでの時代の限界と新しい在りかたを浮き彫りにさせたという点で、あの震災は大きなエポックメイキングだったのだろうと改めて思う。
終わりを告げるもの―それは中央集権的な巨大なシステムであり、新しい時代が求めるものそれはまだ明確に定義づけできる言葉はないかもしれないが、いくつかのヒントや部分的に象徴する概念はある。例えば「分散」「自律性」「ソーシャル . . . 本文を読む
岩田規久男さんの「金融入門」を読んだ時だっただろうか、銀行内に開設された口座を担保にその何倍ものお金を貸し出す「信用創造」という仕組みにどうしようもな違和感と、直感的にバブルの発生の根本原因がここにあるのだなぁと感じたことを覚えている。と、世界史の授業で習ったニクソンによる「金・ドル交換停止」がもたらしたものについて、その意味の大きさを漠然と感じたりしたものだった。
定義の違いはあるだろうが、「 . . . 本文を読む
WIREDに初めて触れた時に感じた衝動。ネットという新大陸が発見されたんだという興奮。そうした想いも、もはやネットへの接続が当たり前になるなかで、忘れかけていたのかもしれない。
でもそうではない。新しい世界は「これから」始まるのだ。そんな予感を感じさせたくれる2つのキーワード「パブリック」と「シェア」。新しい社会のルールが変わろうとしている。それを見極めねばならない。何か正しいのか。僕らはどう在 . . . 本文を読む
大晦日。部屋の片付けをする。ベットサイドに積み重ねられていた本を、書店のカバーを外し、パラパラと見返しながら、本棚に入れていく。ずっと前に読み終わった本もあれば、つまらなくて途中で辞めてしまった本、読もうと思って忘れていた本などもある(場合によっては、やっぱり枕元に残されたりもする)。
こうやって見返すと、今年はここ数年にないくらい本を読まなかったなぁ、と思う。読書メーターも更新してないし。
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以前、読んだインタビューだったか何かで、村上春樹が1995年に起きた2つの事件―阪神大震災とオウム真理教のテロ事件―に非常に強い衝撃を受けたという話を読んだ。ある種の圧倒的な暴力の存在を感じた、と。
当時、被害は圧倒的に少なかったけれど、僕も関西に住んでいて、実際、西宮なども見てきており、その破壊の凄まじさは目の当たりにしたのだけれど、村上春樹がいう意味での「ある種の圧倒的な暴力」ということの意 . . . 本文を読む