昨日、午後から「上賀茂神社」へ出かけました。5日の賀茂競馬の前に先立って、競馬に出場する馬足の優劣を定める「賀茂競馬足汰式(かもくらべうまあしぞろえしき)」が行われました。詳細は前ぶろぐにて。
上賀茂神社では「平成26年度春季 京都非公開文化財特別公開」が行われています。普段見ることのできない文化財を広く一般に公開する事業で、今春は初公開4か所を含む、京都市、八幡市及び伊根町の20法人を公開しています。そのうちのひとつが上賀茂神社です。
上賀茂神社の正式名称は「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」といい
ます。神代の昔、本殿の北北西にある秀峰神山(かみやま)に御祭神が降臨、天武天皇の御代(678)に、現在の御殿の基が整えられた歴史の古い神社です。
平安京がおかれる前の事ですから、かなり遠い昔です。今回の特別公開では、首から紙製の「浄掛」という、清めた白衣の代わりのものを首からかけお祓いをして普段入る事ができない神域へ入ります。 (写真撮影NG)
まず、御祭神の降臨の様子を描いた図画を見ながら、神職さんが由来をわかりやすく説明してくれます。かんたんに説明すると・・・賀茂一族のお姫様が川で一本の矢を拾い、その矢を持ち帰り枕元に祀って休んだところ、御子を授かります。その御子が元服した際に、数々の神様を招いて宴を開き、御子に「父親だと思う神様に盃を捧げなさい」と言うと、御子は「私の父は天の神様です」と、言って雷と共に天に昇ってしまいます。
別れを悲しんだ母(姫)の夢枕に御子が現れ「馬に鈴掛けて走らせ、たくさんの葵で飾って待ってくれればお母さんに逢いに行きますよ。」とお告げがあります。さっそく、その通りにすると御子が天より神様(賀茂別雷大神)として、神山(こうやま)に降臨されたそうです。葵は、あふひ(逢う)・・・神社には葵の紋や葵の飾りがいっぱいです。*写真は社務所から奥に見える神山です。(入山禁止)
お話を伺った後、本殿を特別参拝します。
←看板写真の向かって右側が本殿、左側が権殿(ごんでん)です。権殿は、常設の仮殿で、遷宮の際等に神様が御遷りになる御殿です。2つの御殿は大きさや形状が同じです。扉の前には狛獅子が祀られ、扉にも獅子が描かれています。(共に国宝)
来年は平安時代から数えて42回目の遷宮の年にあたります。特別公開された本殿は、もうすぐ遷宮のための修理に入ります。権殿は遷宮の前の修理が終了したところで、飾りなどの金具がきれいになっていました。
本殿拝観の後は、本殿前の高倉殿に展示された馬具等を拝観します。中には信長が奉納した鞍や俳優のジョン・ウェインさん愛用の鞍もあります。
その後、係りの方に誘導され、細殿の立砂(たてすな)を見ます。これは御降臨された神山を模したもので、御殿ができる前の古い神迎えの姿を伝えています。2つあるのは陰と陽を表します。頂上には松の葉が挿してあります。
細殿の前や楼門の前には干支の馬が奉納されています。右下写真:本殿前の高倉殿に、以前奉納されたチェーンソーアートの干支が並べられています。
その後、渉渓園を拝観します。昭和35年に浩宮様(皇太子)のご誕生の奉祝行事として、復活させた「賀茂曲水宴」のために作庭された庭園です。(毎年4月の第2日曜日に開催)
曲水の宴の様子を写真で見て、その際に使われる鴛鴦(おしどり)の姿をかたどった「羽觴(うしょう)」を実際に流して見せてくれます。先日見た城南宮の曲水の宴【前ぶろぐ】では、雨のため流れる羽觴を見れなくて残念でしたが、ここで見れてうれしかったです。しかし・・・雨のためペンキが落ち、白鳩みたいになってる・・・。(^^;)
園内には、この地にあった龍の棲むと伝わる池の底より出土した「陰陽石」や、樹齢300年を超える「睦(むつみ)の木」があります。一つの株からたくさんの木が出ている事から仲睦まじい家族を表し、家内安全を見守っています。
渉渓園では「平安装束の着付披露」が行なわれています。
今回は単衣姿・・・十二単を着る前の童女の衣装だそうです。
↓後姿はこんなに長いです。・・・しかし、この姿で葵祭の斎王代の行列に参加されるそうです。しかも馬に乗ります。(@Д@;)こんな感じです。【前ぶろぐの写真】モデルを務められた方は実際に参加される女性です。
披露は、1日2回、30分程度、11:30~と12:30~です。時間が合わない場合は、特別公開の当日のチケット再提示で見学できます。諸行事により時間が変更になる場合があります。写真撮影OK、最後は衣装を間近で見ることができます。
【おまけ】八咫烏(やたがらす)のおみくじ(500円)を引きました。中吉でした。何事も中くらいがいいですね。(^^;)八咫烏はサッカー日本のシンボルマークです。説明写真クリックで拡大(許可を頂いて撮らせていただきました)
帰りに、門前の葵家やきもち総本舗さんで、やきもちとかしわ餅を買ってきました。(各125円)やきもちは甘さしっかりした餡が入っています。家でトースターで軽く焼いて食べると出来立ての味が楽しめます。右下写真:5月3日から6日は境内でお茶席があるようです。
平成26年度春季 非公開文化財特別公開 http://www.kobunka.com/
4月26日(土)~5月6日(火) 9:00~16:00 拝観料:大人800円 中高400円 手引300円 展示拝観所要時間(着付け見学別):40分~ (神職・係員による説明があります)
上賀茂神社(賀茂別雷神社) http://www.kamigamojinja.jp/
参拝自由 駐車場有(30分100円*時期によって違います) 競馬会足汰式は13:00~15:00頃まででした。有料席あり(西側・テント有:1,000円・東側:500円)
第4日曜日には上賀茂手づくり市が開催されます。【前ぶろぐ】