転換

考えて、考えて、考えてきた。

自分の今までと今とこれからを考えて、考え抜いて、行き先が決まった。
方針を転換した、というよりもう一つの選択肢を選んだと言った方が良い。


きっと所謂「普通の人」からすれば、
勿体ない事をした、と言われるだろう。

だけどこの歳で気付いたのは、
自分はどうやら「普通の」生き方は出来ない人間だということ。
うまく言えないけれど、そういう生き方にすぐ飽きちゃうのか、
ドラコンを初めてからずっと感じてきたけれど、
ある程度の結果では、どうしても満足が出来ない人種だと分かった。

勿論、リスクを考えれば「普通」である事が一番いい。
冒険した先が崖だった、なんて事もよくある話なのだから。

だけど、今まで無意識ながらも「普通である事」にアクビしながら
どこか満たされないで眉を顰めていた自分がいた事をよく考えてみた。


飽く迄も「普通」を貶している訳ではない。

どの道も普通ではないかも知れないし
どの道も普通なのかも知れないし

何を普通と表現したいかと言えば、
決められた事を黙々とこなし、
決められた社規社則に従って評価に右往左往し、
自分が生み出した訳でもない製品を売り歩いたり
自分が作り上げた訳でもないシステムをプレゼンしたりすることに
ずっと疑問を感じて来た、という事。

勿論、色んな生業の人がいるから
何が正解かなんて分かりっこない。だけど。
分かってしまったのは、自分にとっての正解はそれではない、ということ。


ではそれに代わる、または相当する「何か」がお前にあるのか、と問われたら
以前までの僕では答えられなかった。何もなかったからだ。


ずっと探してきたものは
また皮肉な事に、自分が傷つき、歩んできた道にあった。


自分にしか出来ない事。
それにやっと出会えた。
ずっとバラバラだったパズルのピースが
パチっとはまった感触だった。

だから進む。
これでもう何も迷うものはない。