一刀入魂 勇往邁進

2012年4月デビュー
2015年5月初勝利&再起不能
2019年、人生本番開始(笑)

もう一つの理由

2015-09-27 16:25:19 | 日記

昨日、再燃の起爆剤となった出来事がもう一つあった。


過去の栄光は出来るだけ忘れてしまいたいと努めて来た。

どうしても人間の弱い所なのか、
過去に残した数少ない実績を、フラッシュバックのように思い出したり、
それに己の希望を掛けたりしてしまいがちだ。

その行為は、自分の実績の矮小さ、脆弱さ、少なさを
皮肉にも物語っている事になるのに。


自分は何を目指しているのか、何を目指して来たのか、
それを見失う要因になってしまう気がして、ずっと勝利の記憶なんてものは
封じ込めよう、封じ込めようとしてきた。


だけどそれは『違うんだ』と昨日の出来事で知った。
まるで初めての経験だったから、鈍器で頭を打たれたような感じだった。



以前からずっと懇意にしてくれた、あるシニアリーグの選手がいる。
5月のあの試合では、僕の後ろに付いてずっと応援してくれていた。

その理由は単に仲が良いというだけではない。

出会った頃から僕のポテンシャルを信じ、
君はいつかとんでもない記録を残すだろう、
だから早くその姿を見せてくれ、その瞬間を拝ませてくれよ、と
僕の勝利を切望してくれていたからだ。

その選手はシニアで幾度もチャンピオンになっている、
姿・実績共に傑物の人なんだけど。


その人が、昨日の試合を前にして何の脈絡もなく話してきた。


5月の君の姿が忘れられない。一発目に叫びながら打ったあの姿。
あの雄叫びは、自分も過去に一度だけ経験がある。
”会心の一撃”っていうのかな、本当に激芯を捉えて、
更に全力で振り切れた時にだけ出る、無意識の叫びなんだよな。

予選、決勝共にそれを出した、あの時の君の姿を忘れられん。
あれは自分の事のように本当に嬉しかったし、
俺もまたあんなインパクトを経験したい、
そう思って今も震えがくるんだよ。興奮が冷めねえんだよ。
来季、出るんだよな?あれ以上のものを見せてくれよ。


…って。

正直僕はずっと、今も、そしてきっとこれからも、
自分の為だけに、自分の生きた証を残す為だけに、
ドラコンの世界で戦い続けて行くんだろうと思っていた。


でも、そうだった。
5月のあの日、誰かも知らない観衆から
「感動したぞ!」とか「ありがとう!」と言われた時、
生きていて良かったと思ったんだ。


こんな利己的で偏狭な僕でも、誰かを奮起させたり感動させることが出来るんだ。
それを初めて知ったあの日、もう一つの戦う理由というか、
目的ってものを手にしていた事を忘れてしまっていた。


昨日、その尊いものを、一人の選手・一人の同志が
改めて思い出させてくれた。


そうだ。
誰かの記憶に残る、のではなく、
誰かが思わず手に汗を握ってしまう、
思わず熱の籠った声を挙げてしまう、
そんなファイトスタイルを、そんな戦いぶりを
これからも貫いて行かなければ申し訳が立たない。
それになにより、ただ勝つだけでは得られない喜びが
あの日だけではなくこれからも欲しい。


よく「記録に残る選手ではなく、記憶に残る選手に」という言葉を目にする。

僕は正直、そんなモンいらない。そんなモンじゃ本物じゃないと思うから。


記録も残し、強烈な記憶としても残る。
そして、それを繰り返し、積み上げて、
フィールドに立つだけで観衆が詰め寄り、
「コイツなら何かやってくれる」「コイツは予想以上の結果を出す」
そういう期待や興奮を出来るだけ多くの人に与えられるような、
僕が追い求めてきたあの選手のような、いいやそれ以上の、絶対的な選手になりたい。


僕と、僕が愛する人の為。

それが戦う目的だった。

今シーズンを戦い抜き、そして出会った強敵や好敵手たちがくれた言葉は
僕にもう一つの戦う理由をくれた。

多くの人に、勇気や闘争心や興奮を与えられる選手でありたい。
それが今季生まれたもう一つの指標。

もう辞められない。














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