そんな訳であまり歓迎すべき年齢ではなくなった12月2日でしたが、
昨日書いた通り、存外に嬉しい日となった。
まずは親友のマラソンデビューが華々しいものとなった事。
彼は僕のドラコンに触発された、と言ってくれているけど
僕は彼なら遅かれ早かれ、何か新しいチャレンジを始めると思っていたし、
そんな彼の性質を今までもこれからも好ましく思っています。
そしてそれを実現させ、新たな一歩を彼らしく重厚に、堅実に、
更に楽しく踏み出した事が本当に嬉しい。
願わくば、お互いの見出した道が
日の光を浴び、笑顔の伴う良き道であり続ける事を。
それと二つ目。
昨日急きょ連絡があったもう一人の親友から、
今日どうしても会って話したい事があると打診を受けた。
珍しい事だ。
いつもはメールで事足りる僕らなのに、昨日今日と電話をしてくる。
待ち合わせにおいても彼は急いた。
冷静で朗らかな彼が取り乱しているのが分かった。
口調こそ穏やかだが、待ち合わせ時間に設定した19:30より30分も早く到着し、
更にそこから待ちきれず、僕の住居の近くまで移動しているとのメールも届く。
らしくない彼の言動に言葉にならない不安を覚えた僕は待ち合わせ場所に急いだ。
会ってみればいつもと変わらない、彼の状態にホッとした。
矢も楯もなく彼は話し始める。
内容は、彼と彼の奥方との不和について。
奥さんが浮気をしていたらしい。
男と女がこの世に存在し続ける限り、こういった類の問題は
きっとなくならないんだろう…。
勿論、精神性の話になるからその限りでもないのだろう。
でも、他人同士が夫婦としてくっついて営むこの世の、なんとも危うい一端を
改めてこういった出来事に直面すると、知る。
詳細は省くけど、彼のベクトルと彼女のベクトルは
大きく逸れているという事を感じた。
これまでも彼からは奥方の不穏な行動や、年齢にそぐわない幼児性、
だらしなさは聞かされていた。
勿論、家族ぐるみでレジャーに出かけた事もあるし、
我が家で会食をしたりもする仲だったから、そんな彼女の性質を僕は
少なからず垣間見ていた。
正直、危うさを僕も僕の嫁さんも感じていた。
それでも親友と言えども他人の夫婦関係に土足で上がり込むのは
不遜・無礼極まるものだから、何も言えずにいた。
でもその危惧は、現実のものとなってこうして現れた。
僕だって人並み(?)には恋愛経験もある。
自慢じゃないが失敗だらけの人生だ(苦笑)
世の不条理、男女間の理屈でコントロール出来ないヒビワレ。
そういったものとは図らずも密接に寄り添いながら生きてきた。
でも、大切な家族・友人には
そんな憂き目に遭って欲しくなかった。
不条理ってヤツは
そんな人間の願いなんてものを憎たらしいくらいに無視し、
そればかりか、小さな幸せを願う罪なき人に限って
そういう不条理は好んで食らいついてきやがる。
言い出せばキリがないな。
とにかく起こってしまったものは
解決するか、華麗にスルーしてやり過ごすか
二つに一つなんだ。
強く、賢い親友にはそんな事はとうに分かってる。
なのに彼は、僕に言った。
言ってくれた。
昨日、こんな事態になった時、お前の顔が真っ先に浮かんだよ。
今日も、お前に一秒でも早く話を聞いてほしくて、待ち合わせの時間を忘れた。
お前がいてくれて、本当に良かった。
正直、お前に今まで支えてもらってた事を、今日思い知ったよ。
ありがとう。
これからも、親友でいてほしい。
…と。
相談に乗ってたつもりが、そんな思いも寄らない贈り物を彼はくれた。
僕は気付けば目を閉じてた。
涙出たから。
アラフォーになると涙腺緩むらしいぜ気をつけな!!
僕は何もしてあげられなかったのに。
彼の話を終始聞いて、「所詮は他人のアドバイス」しか出来なかったのに。
彼の苦しみを切り払ってなんてあげられなかったのに。
彼は僕を必要としていてくれたんだな…。
お礼を言うのはこっちの方だ。
正直、バチ当たりな話だけど、僕は自分の生きる意義を失っていた。
死んでしまえば良いのかもな、なんて数えきれないほど考えて、
人を幸せに、笑顔にする事も出来ない僕なんて要らないよな、なんて考えて。
それでも何とかやっと生きてきたような有様だったのに。
そんな僕を、親友はハッキリ「必要だ」と言ってくれた。
今もその言葉に涙が出る。
僕が勝手に親友だと思ってるのかな、なんて思った事もあったけど
彼は「たった一人の大親友だ」と言ってくれた。
嗚呼素晴らしきかな、生きる道!!!!!
素晴らしきかな、心知ったる少なき友!!!
僕が生まれて30ウン年目の今日、二人の代え難い親友は
それぞれの生き様と思いを、僕に見せてくれた。
こんな幸せ、ないよ。ない。
幸福にも僕は血の繋がった家族からは愛されてる。
今日だって全員からお祝いのメールが届いた。
でも、まさかこんな日がくるなんて。
縁があったとは言え、二人の素晴らしい友に、
こんなプレゼントを貰えるなんて。
良い日だった、良い誕生日だった。
生きてて良かったと心から思える。
人の温もりは、それだけで人を生き返らせる。本当に。
そして
嫁さん。
毎日忙しいのに、クタクタなのに、身体も強くないのに。
手料理に気合を入れて、僕を待っててくれた。
ドラコンだって、苦悩の果てに僕が見出した道で。
ある意味、苦肉の策で生まれた無謀な挑戦で。
一朝一夕に戦える生半可な世界じゃないのに。
アンタは、口下手で不器用ながら、
細腕にグッと力を込めて、僕を応援してくれた。
少ない言葉の引出しから絞り出した、精一杯の言葉を添えて。
喧嘩も多い。
ストレスだって比例してるだろ。
でも
アンタは僕を諦めない。
ずっと傍で励まそうとしてくれてるな。
その気持ち、それだけで腹一杯だ。
ケーキは買わないか?
プレゼントはいらないの?
じゃあ料理はあなたの大好物にしようよ、何が良い?
頑張って作るよ、楽しみにしてて。
そう言ってくれたけど
僕はもう両手に余るものをアンタから貰ってるから、そう思うから、
「いらないよ」とだけ言った。
ああ
こんなバカな僕なのに
愛してくれる人が、今日もいてくれる。
支えてくれる友が、必要としてくれる人が
今日もいてくれる。
人生には意味がある。
どんな人にも意味がある。
きっとある。
その意味は、これなのかも知れないな。
愛する人たちが、愛してくれた。
今日の、良き日に。