「行くしかないだろう」

ここ数日の自分はおかしい。
明らかにおかしい。

小さな事でもグラグラしてるし、些細な事で神経がピリっとする。
妙な孤独感、理由のないザワつき、クラブを手に取る気にもなれない。

きっと、自分はビビッている。
恐らく、間違いなくビビり倒しているんだろう。
正直に認めてしまえる。

これから突撃する戦場は、人生で初めてどころか、
幼い頃から想像すらした事がないフィールドだから。

堅実な自分の両親なら、決して許すはずもないリスキーな戦場。

脈絡のない「孤独感」とは、そこから来ているのかも知れない。

孤立無援という訳でない。
それこそ、最強の友軍が僕に伴ってくれる。
寧ろ僕がそれに追従するといっていい。

じゃあ何が孤独なんだ？
きっと、昔から共にあった家族や親友、仲間を頼る事が決して出来ない戦場だからだろう。
そこで待っている、新しい仲間に対して、まだ信頼感が育っていないからだろう。

引き返すなら今しかない。
今ならまだ、引き返せる。
名実共に、立ち止まる事が許される。

そうしたいか？
そうすればどうなる？

地道にいこう、堅実にリスクを抑え、チャンスをじっくり待てばいいじゃないか。
今はその時じゃないんじゃないか？　もう少し考える時間が必要だろう？

って
いい加減にしろ、いつまでそうしてるつもりだ。

リスクを抑える？その結果、自分は何を残した？
チャンスを待つ？今がチャンスじゃないなら、次のチャンスさらに40年後か？
地道？堅実？　その誤った人生訓が、一体どれほどお前を苦しめてきたと思ってるんだ？

何より、お前は「堅実」なヤツか？

そんなガラなら、ドラコンの世界に飛び込んだりしないはずだ。
もしも堅実を好む男なら、勝負に血湧き肉躍ったりしないはずだ。
いい加減に自分をよく見ろ、お前は堅実でも慎重でもない。

飛び込んで、頭を抱えて狂ったように暴れまくる方が性に合ってる。
じゃなければ、ガムシャラに栄光を勝ち取ったあの瞬間の景色が、今も鮮明に焼き付いてるはずがない！
与えられるのではなく、自ら探して狙い澄まして、飛び込んで戦って、勝ち得て、
初めて喜べる人間な筈だろう。

もう、行くしかないだろう！？

ビりながら行け！震えながら行けばいい。
怖い、恐ろしいと嘆きながら、それでも行け！！
行った先で後悔すればいい。
行かずに後悔して老いて死ぬより全然いい。

今しかない、今を勝ち抜かねば、未来なんてない！

行け！行け！！もういい加減に行け！俺！！！