ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

臭覚と不思議行動

2014-07-29 | 生態・行動
日中は高温注意報が出ていても、
何とか朝が25℃以下の日は、散歩の足も延ばせて嬉しい。

それでも太陽が昇って来ると、暑くなる! もう帰ろうよ!
Zionは猫を捜したいから、帰らない。
ここに来れば、高い確率で出会え、
走って追いかけられるのだ。



芝生広場を一直線に走る。
目指すは、奥の草むら。



猫ちゃ~~~んっ!



みっけた!
あれっ? こっちかな!
ここに隠れてたはず!



匂う! あっちにいる!



いない~~~。
あ~っ! いたかも~っ!
・・・って、本当に忙しい。



夜でも抜群の視力だ。
視界に猫がいないのは分かっているはず。
それなのに、とても楽しそうに探している。
どうしてだろう・・・

ほんの少し前まで、猫はいたのかもしれない。
辺り一帯にある匂いは気配となって、Zionを刺激する。



散歩に出ると、いつも臭覚に執着している。
犬にとっては情報を収集し、自分を取り巻く環境を把握、
正確な状況判断をするために欠かせないことは理解しているのだが、
つい、どうでもいいことにしてしまうことがある。

彼にとって視覚よりも優先すべき感覚・・・臭覚。

それは、人が本や新聞を読み、分析したり、視野を広げたり、
面白いと思うことに値するとしたら・・・

もっと理解してあげなきゃ。
もっと大切にしてあげなきゃ。
そんな時間・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




ピレネーの牧畜番犬と人

2013-11-28 | 生態・行動
風が冷たくなってくると、
Zionの放浪への憧れは、果てしない。
どこでもいい。
ただ、気の向くままに、うろうろしていたいのだ。



もしも、ノーリードだったなら、
このまま、こちらを振り返りもせずに、旅に出そうだ。
時々、そう感じさせる後ろ姿・・・



ピレネー犬は、人を舌でなめることがなく、ベッタリ甘えて来ない。
勿論、個体差があるので、全てに当てはまる訳ではないが、
一見、人に対して希薄な関係を望んでいるように思えることがある。
自由奔放、自分の判断に頑固、どこか孤高なふるまいは、
躾けることが難しいとされて来た所以である。



ピレネー山脈では、現在も伝統的な羊の山岳放牧が行われている。
牧畜番犬として働くピレネー犬と飼い主は、
一般的な 「人と犬」 では考えられない
驚くべき信頼関係で暮らしている。

牧畜番犬の仕事は、羊の群れに絶えずついて回り、
ヒグマなど捕食動物の攻撃から守ること。
羊から離れることなく、守り抜ける犬にするために
最も大切な事とは・・・



驚くことに、
人との強いつながりを持たせない・・・
人を大好きにさせない・・・
それが飼い主の使命だという。

牧畜番犬は、五感を研ぎ澄まし、自分の判断で動く。
人に懐き、羊をほったらかして来てしまうようでは、
番犬としての役割を果たせない。
仔犬時代から羊の群れと過ごさせ、飼い主は、
どんなに可愛く、誇りに思う存在であっても、
いつも少し距離をおき、そっと見守るのだという。

犬が仕事をしやすいように、その犬らしく生きられるように・・・

私には、たとえ生まれ変わっても、
ピレネーの羊飼いにはなれないだろう。



家庭犬としてのピレネー犬においても、
培われて来た性質の片鱗を受け継いだものと納得できる。
そして、その護衛能力の高さや我慢強さの裏にある
包み込むような優しさと忠実な心・・・
この犬を理解すれば、素晴らしい相棒になってくれる。
そう確信できる。



現在、ピレネーの山岳地帯では、
「働くピレネー犬を守る会」 という協会を中心に
牧畜番犬に向く個体の才能も守られ、
200頭ほどが働いているそうだ。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




マーキング

2013-08-24 | 生態・行動
やっと、雨が降りました。

九州では、19日に観測史上最高気温の記録が続出したり、
こちらでは、来る日も来る日も、最低気温が30℃近くあったりして、
早朝から息苦しいような日々が続いていました。
蒸し暑いものの、少し暑さが和らいだ週末になりましたが、
今度は大雨・洪水注意報が出ています。
何て、極端なんでしょう。

先日は、夏バテを経験したZionですが、
そんなことはすぐに忘れ、日々、遠くへ遠くへと続く道を夢見ています。
そして、オスであることを誇示しながら、高々と片足を上げるのでした。



散歩をする時、匂いへのこだわりと切り離せないのが
このマーキング。

匂い嗅ぎやマーキングは、好きなだけさせてあげたいところですが、
してもよい所、いけない所は、
飼い主が、きちんとコントロールしなければなりません。

Zionの場合、犬や猫や動物の排泄の匂いがついている所は、
全てと言っていいほど、チェックしようとするため、
もしも自由にさせるなら、そのほとんどにマーキングするかもしれません。

Zionの動きを見ていれば、次にくる動作は分かりますから、
不適当な所では、ノーのコマンドとリードを引くことで、
こちらの意図が伝わり、マーキングを回避します。
一貫して繰り返していると、例えば
「よそのおうちの前だからね」 「ベンチはだめでしょ」
前もって言うことで、いつの頃からか、匂いが嗅ぎたくても、 
通過することが出来るようになりました。

リードを持っている人に、そうさせる気があるのとないのとでは
犬の行動は、明らかに違ってきますから、
コントロールの意識は、とても大切なことだと思います。


(マーキングした所には、水をかけています)

先日のこと・・・
犬を連れた人が、散歩の途中で神社に立ち寄りました。
手を合わせてお参りしたその一瞬、
犬が、神社の建造物にマーキング・・・
飼い主は、それに気づくことなく、立ち去って行きました。

どんな時も愛犬から目を離さず、動きを見ていれば、
コントロールは難しいことではないと思います。
ただ、ボ~ッ と気楽にしていられないだけです。

マーキングのコントロールは、
フンを持ち帰るのと同じくらいに、基本的な飼い主の心得。
犬と暮らすということは、毎日、毎日、労力のいることですが、
それは、様々な労力も感じさせない温かな気持ちに包まれる毎日です。



例えばドイツでは、公共交通機関やレストランや多くの場所を
犬と一緒に利用出来ますが、
マーキングのコントロールも含めた躾が、きちんとなされているからです。
そして、マナーバンドというものは、ないと聞きます。

どこで読んだのか忘れてしまいましたが、
ドイツ在住の日本人が書いた記事の中に
興味深い下りがあったので、紹介します。

もしも、ドイツの公共施設で、愛犬にマナーバンドをつけたとしたら、
ちょっと気の強そうなマダムに呼び止められて、
追及されるかもしれません ・・・

「あなた、何故、躾をしないの?」


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




客のもてなし方

2013-08-02 | 生態・行動
わが家を訪れる人は、気の毒である。

玄関ドアを開けた瞬間、護衛最前線の
猛烈なチェックに耐えなければならない。
このチェックを通過しなければ、いつまでたっても、うちにいる間中、
不信感と疑惑の眼差しを向けられ、吠えられることになるのだ。

ところが、この護衛最前線、Zion は、
遊びに来るなどの客人に対しては、チェックをずい分と緩める。
客人が部屋に入り落ち着いたところで、Zion に言う。
「こんにちは」 をして来てね。
すると、客人に向かって歩いて行き・・・



「 こんにちは。 よく、いらっしゃいました 」
ずしっ。

客人が複数の場合は、その一人一人に、自分からこの動作をして回る。
教えたわけではないのだが、そうするようになった。



しかし、挨拶がすむと、後は全く愛想なし。
どんなに話声がうるさかろうが、食べ物が出てこようが
知らん顔で、ど~んとお昼寝。



こんな風で・・・



こんな風である。



客人との記念撮影には、仕方なく、ぶす~っとして写り、
また愛想なく、さようなら。

でも、また来てねっ!

これが、Zionの最高の最高の
もてなしなのだった。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




外の世界への憧憬

2013-06-24 | 生態・行動
雨に翻弄される日が続きますが、
わんこの皆さん、いかがお過ごしですか。

Zionは、短時間になるのは不満ながら、元気にパトロールしています。



通常、着用しているレインウェアだけでは、間に合わず、
冬用の泥はね防止フルコートウェアも出動しました。
何も着たくないと思っているのは明らかですが、
パトロールのためなら、何のその・・・



自分の住み家の外にある世界・・・
その世界へ限りなく広がる興味・・・

特にピレネーは、この興味を満たそうとする気持ちが、とても強いように思います。
スキあらば脱走し、納得するまで帰って来ないというのも、ピレにはよくある話。
大抵は、その途中に見つけられ、または保護され、御用となりますが、
飼い主の真っ青な気持ちとは裏腹に、あっけらかんとして悪気なし。



私は、ピレネーのそんなところも実は大好きですが、
だからこそ、尽きることのない周辺環境への興味を満たしてやることは、
社会化、食事や疾病の予防とともに、とても大切なことだと思っています。

時間と体力の許す限り、その興味に寄り添うという土台があってこそ、
ピレもまた、お出かけや留守番など人の都合につき合う
心身の余裕が持てるのだと感じます。



Zionは、単なる散歩でも、パトロール(仕事)ごっこをすると、
とても、のってきます。

例えば、歩きながら、「あそこが怪しい!行ってみよう 」 などと言うと、
体中から輝きを発し、調べるような仕草をします。
「異常なし!」
私の顔が、キラキラした目に映ります。

仕事をこなした時に褒められる喜びや達成感のような気持ちは、
遊びの中からでも、感じることが出来るようです。

それは、実際に働くことはない家庭犬でも、
本能的 に求める気持ちなのかもしれません。



これを書いていて、ふと思いました。
もしも、何かの理由で、Zionが憧憬の旅に出てしまったら・・・
想像すると、恐ろしくなってきます。
2~3日放浪した頃、運よく無事に保護され、陳謝、感謝、感動。
そして、こんなことを思われたりするのだろうか・・・

お腹の辺りは、まるでサイトハウンドのように絞り上がっているじゃないか、
飼い主は、ちゃんと食べさせていなかったに違いない・・・
可哀想に、とうとう愛想を尽かして、家出したか・・・

いえいえ、何と思われても構わないのですが、
そんなことにならないよう・・・

今日も、明日も、あさっても、ずっと、きみの興味とともに。



雨が上がったね。
また降り出さないうちに、砂浜で走ろう。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




心の動きと笑顔

2013-06-06 | 生態・行動
犬と暮らしている人なら、おそらく誰もが
愛犬が多彩な表情を見せることを感じているだろう。

犬は、喜びや怒りや悲しみなどの感情だけでなく、
もっと細かな心の動きに合わせて、微妙な表情を見せるような気がする。

次のZionはどこか寂しげにも見え、何か考えているような・・・
静かで澄んだ目の表情が色々なことを想像させる。



犬の顔の表情は口、目、額、耳の部分の組み合わせで表わされるが、
口をあけて口角が上がると 「笑い」 の表情に見える。

これは、見えるだけだろうか。

犬が人に対して口角を上げる(引く)という表情をするのは、
イエイヌになって以来、身につけた人の笑いの模倣であり、
服従のあいさつの意味を持つと言われている。

そして、楽しくて、嬉しいという犬自身の気持ちが
尻尾や体だけでなく、顔の表情として表われる笑いは、
近年では、実際、犬にもあるとされている。
口角が上がるだけでなく、目の表情はリラックスし、
額(人で言う眉間)が広くなり、耳を少し後ろに引く
というような表現が見られる。

日々の生活の中で、多くの人が裏付けはなくとも、
愛犬の笑いを実感していると思う。



犬は、どんな時にそんな表情を見せるだろう。
おやつをもらう時や主人が帰宅した時、遊んでいる時、好きなことが出来る時・・・

Zionの場合は、最高に素敵な表情になるのが、
「散歩に行くこと」 をほのめかした時である。
その時の表情からあふれる輝き・・・
ハッと息をのむほどに、本当にキラキラしている。
その表情、残念ながら未だ画像には収められず。



笑顔が最も多くなるのは、走ったり、遊んだりしている時。
本能として、この時が楽しいのだろう。
人や犬との駆け引きが入る遊びでは、
表情がまた微妙に変わったりするところが面白い。





犬の笑いには、もう一つ、
声を出さないで、歯をむき出しにする笑いがあることも知られている。

実際に、この笑いをランで見たことがある。
年下のオスが勝ち目のない年上のオスに対して、
黙ったまま、口をあけて歯をむき出しにし、
目には殺気立った表情はなく、怒っているような笑っているような
どちらか分からない面白い表情を見せた。

その笑いの意味とは・・・

服従を示し、衝突を避けるための表情だという。
つまり、愛想笑い?
犬同士もまた、匂いや声だけでなく、顔の表情を駆使して、
コミュニケーションを図るのだ。



愛犬が楽しそうな表情を見せてくれると、とても嬉しい。
しかし、私は微妙な表情の方に実は関心がある。

君はいったい、何を思っているのだろうね・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




体の運動・頭の運動

2013-05-22 | 生態・行動
愛犬の害虫予防や皮膚の健康に、神経を使う季節になってきた。
中でもマダニ予防は、一年中、特に夏は気を使う。

怖い病原体を媒介するマダニ。
山でも公園でも河原でも、あらゆる場所の草むらで、
哺乳動物に飛び移ろうと、狙っている。



ならば、草むらを避けて散歩したいところだが、
犬は、匂いで周囲の状況を判断する生き物、
草むらにある匂いには、とても魅かれるらしい。

犬が匂いにこだわる感覚は、人には、最も理解できない感覚ではないだろうか。
どこにそんな価値があるのか、さっぱり、わからないものだ。

しかし、汚いから、マダニがいるから、そこは行ってはダメ、ここもダメの連続では、
犬の散歩の楽しみは激減、楽しくなければ、結局、ストレスになるだろう。



しばらく手入れされていないような場所は、避けざるを得ないが、
出来るだけ、草や好きな場所の匂いを嗅ぐことに寛大に、
愛犬が楽しめる散歩にしたいと思うのである。

Zionが草に触れるたびに、マダニはつかなかったか、目を光らせながら・・・
周囲に危険な状況はないか、辺りを見回すことも忘れずに・・・



動物の皮膚に噛みついたマダニを駆除する薬としては、フロントラインがよく知られている。
問題は、マダニがバベシア原虫に感染していた場合である。

フロントラインが、マダニを駆除するのは48時間以内、
バベシア原虫が、マダニから動物の体内に移動するのに、36~48時間かかると言われている。

フロントラインの駆除能力に任せるだけでは、感染を完璧に防ぐことは出来ない。
忌避効果のあるスプレーなどを併用すると、防御率が上がるだろう。

また、フォートレオンという駆除薬は、成分が皮膚から被毛全体に広がり、
マダニが皮膚に噛みつく前に、駆除するというもの。

しかし、どちらも殺虫剤である。
副作用の影響を考えると、使わないという選択もある。



引き運動や広い場所で走ったりすることが体の運動なら、
匂いを嗅ぐことは、頭の運動。

匂い分析をしながら散歩をすることは、脳の活性化につながることも分かってきている。
楽しい気持ちは、犬の免疫力も人の免疫力も向上させる。

匂いという領域で・・・人は、どれだけ犬の気持ちに寄り添えるだろうか。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




吠える愛犬の言い分とは

2013-05-20 | 生態・行動
朝から元気よく、大きな声で吠えているZion。

Zionは、散歩をしている時は、人や自転車、車やバイクなどに
吠えることは、まずないのだが (3才頃、軽トラに吠えたことあり )、
家や車の中では、テリトリー意識が、強く働くようだ。



目下、よく吠えているのは、家の前を通るお向かいさんと奥のお隣さん。
外でお会いすると、何の問題もないことからすると、
「人」 は認めているが、「家の前を通ること」 には異議ありということなのか?
しかし、時々、通る人には、吠えないのは、何の違いか?

以前、住んでいた家では、前の道路は私有地で、
ご近所の生活の動きもほとんど感じないような立地環境だったため、
Zionにとっては、今の方が監視する機会が多くなり、
その分、吠えることも増えた。

家に人が来た時も、必ず吠える。
ところが、玄関ドアを開ける時、自分も一緒に出て確認すると、吠えるのをやめる。
この 「自分が確認する」 という作業が、Zionには、大切らしい。



Zionは、車に乗るのが好きだ。
流れる景色の中を自分が走っている・・・
そう感じているように、思えたりする。
勿論、目的地で散歩できるという前提があってのことだが。
しかし、クレーン車など大型特殊車両やある種のバイクに出会うと、
やはり、吠えてしまう。
視覚や聴覚で感じる威圧感に対し、
警戒モードになるようだ。



犬が吠えるとき・・・
警戒心や恐怖心の他にも、ストレスを感じている時や寂しい時、
遊びたくて興奮している時、何か要求がある時、暇つぶしや仕事がない時、
吠え方や吠え声を微妙に変えて、自分の気持ちを表現する。



Zionが、警戒モードで吠えている時、
ゆっくりと近づき、マズルの上に手を当て、静かに低いトーンで言う。
「 もういいよ、ありがとう 」

すると、多くの場合は、吠えるのをやめ、気持ちを収めてくれる。

Zionの性質からすると、外に向かって、しつこく吠える時は、
リードをつけて出て、確認させてみるのもいいかもしれない。

大きな吠え声は、迷惑ではと心配になることもあるが、
ありがたいことに、頼もしいと言ってくださるご近所さんも多くいて、
Zionは、いつの間にか、頼りにされていた・・・

お花畑 にいる場合ではないっ。
出動だ Zion


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




愛犬から物を取り返す時

2013-05-17 | 生態・行動
庭仕事を終えると、先にZionを家の中に入れ、
私は、後から部屋に入って行きました。

すると、Zionは、置いていた帽子を持って来て、
おもちゃにしようとしているところでした。

ちょーだいと言うと、微妙にウ~~と言っている顔。



それは大切よ。ダメにしたら、お散歩行けなくなるよ。
そう言い放って、その場を去り、
しばらくして、そ~っと見に来てみると・・・



はは・・・押さえながら、噛みたいのをガマンしているうち、眠くなったと見える~。

こんな時、Zionの場合は、叱って取り上げようとすると
100%、うまくいきません。
おだてたり、何かと交換するなどの手にも、全くのってきません。
ますます、意固地になります。

だめな理由を言って、放っておくと、
おもちゃにしたい欲求に耐えながら・・・考えるようです。

そうしたら、しめたもの。
噛まなかったね~さすがだね~賢い選択だ!
褒めるというよりも、尊重するような
そんな気持ちを見せると、すんなり返却。

してはイケナイことを教える時や、やめさせる時、
自然現象的戒めや色んなやり方がありますが、
この 「尊重」 というポイントは、特にピレには、有効ではないかと
常々、感じています。

そして、心の読み合い、かけひきは、いつも量られている気がします。
主の度量やいかばかり・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




犬にとって幸せとは

2013-03-08 | 生態・行動
「ホントに、おとなしいですね」
よく言われる言葉なのだが、いつも、返事に困っている。

Zionは、我慢強く、優しい性格だが、
遊ぶ時は大暴れするし、警備をすれば厳しく、
怒った時の唸り声や吠え声には、震撼させられる。
決しておとなしいとは言えないからだ。

散歩で出会う多くの人には、
どこまでもおとなしく見えるかもしれないが、
外を歩く時、人と出会う時、
人の社会で生きていくための行いとして、
Zionなりに、わきまえているだけなのである。

しかし、人の社会から好まれる行いを
教えられるばかりでは、おそらく身が持たない。
犬は、犬として生きる幸せを感じてこそ、
そうする余裕を持つことが出来るのだと思う。



生きていくすべての環境を飼い主から与えられる
犬の幸せとは何か。

家族の愛情に包まれて暮らすことはもちろんだろうが、
生まれ持った犬としての望みは、
どのくらい満たされたら、幸せなのだろう。

先代ピレが天国に旅立った時、
悲しみの底で、何度も問いかけた。
家族は君からどれだけの幸福をもらったか言い尽くせないが、
君は本当に幸せだったのか?

今を生きるZionもまた、何も答えてはくれない。



Zionの気持ちを探りながら、その時、ぐっとリードを引き締めた。
ワン!ワン!ワン!ぴ~ぴ~ぴ~!
前方にいるのは、たぬきではないか!
海の中道の公園には、野生のたぬきもいたのか。

リードを引きちぎらんばかりに、走り寄ろうとするZion。
追いかけて、確かめてみたいだろう。
それも、犬として生まれ持つ欲求か。
そうさせてあげたいが・・・それは、だめだ。

この一瞬、飼い主に必要な能力とは・・・
瞬発力と剛腕。

その後、執念。
リードだけは放さないぞ。
どんなに引きずられても。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




牧畜番犬の視力

2013-02-15 | 生態・行動
一般的に犬の目は、動体視力は優れているものの、
近視であると言われています。

しかし、狩猟犬や牧羊犬は、視覚が発達していて、
1,500メートル先で人が手を振るのを識別出来る・・という報告もあるそうです。

ピレは、主に牧場で働く牧畜番犬。
やはり、視力は良いはずです。
Zionは、少なくとも、矯正視力1.5の私よりも、よく見えています。
外では、臭覚や聴覚を交えて、視覚でかなり遠くの標的まで見極めようとしますが、
家の中でも、視覚の部分を大きく働かせているように感じます。



薄いカーテン越しに、外の標的を監視するZion。
問題がある場合は、この後、強烈に吠えたてます。
私には、カーテン越しでは全く、カーテンをめくっても、見えないのですが、
しばらくすると、見知らぬ人が歩いて来たり、
ゆっくりと、見慣れない猫が姿を現したりします。



あの人物は、確か前にも来たな・・・
同じかばんを持っているぞ・・・
怪しくはなさそうだな・・・

こんな事を考えているかどうかは分かりませんが、
視覚と記憶の情報から、問題ありか、問題なしか
判断しているように見えてしまいます。

こんな目をしている時は、話しかけることが出来ません。

真剣に見極めようとしている事が
人にとっては、とるに足らない事だとしても。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




イヌ科肉食動物

2013-02-05 | 生態・行動
自然界では、動物は生き残ることが最大のテーマだ。
そのために、進化の過程で様々に工夫してきたことの一つ、
「速く走る」

チータのようなネコ科ほどではないが、イヌ科もまた
脊椎を屈伸することによって、歩幅を広げる走法をとる。

前肢で着地するのと同時に、脊椎を曲げて力をため、
後肢を着地点よりも前に運んで、次の推進力の準備をする。



ここから、後肢で地面を力強く蹴って、脊椎を伸ばし、前へ大きくジャンプする。



これに対して、
馬などの草食動物は、脊椎をほとんど動かさずに走る。
発酵槽(草類を消化するための臓器)が脊椎に吊られる構造になっているため、
脊椎の屈伸によって歩幅を大きくすることが出来ないからだ。

そこで、彼らは、脚を長くすることによって、歩幅を大きくし、
ネコ科・イヌ科肉食動物に対抗したのだ。



動物の体の構造について書かれた本を読んだ。
Zionの走る姿がさらに興味深く、面白く思える。

犬は、ネコ科の動物ほど脊椎が柔軟ではないので、スピードの効率は落ちるが、
Zionの過去の画像を見ても、しっかりと使って走っているのが分かる。



本当に楽しそうだ。
そんなに喜んでくれるなら、また走りに来よう・・・



海風は冷たくて、気持ちいいから、
やっぱり、次の日も、それ~っ!



両日それぞれ、さらに10キロ、歩いている。
Zionは、まだ遠くへ遠くへ行きたがる。
その方向感覚にも、脱帽。

複雑な進化の中で残って来た性質は、大切にしてあげたいと思う。

飼い犬はイヌ科雑食動物、心はもはや・・・
ヒト科なのだろうか。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




かくれんぼの効用

2013-01-16 | 生態・行動
冬の日の陽だまりの中、たまには
散歩の常連さんとおしゃべりを楽しんだりする。
最近の話題は、叱って躾けるか、ほめて躾けるか、訓練は必要か。

私は、叱らないと言ったら、意外にもとても驚かれた。

勿論、してはいけないことは教えるが、躾というより、
愛犬と気持ちを共有することの方を優先しているかもしれない。
一緒に遊んだり、少し困難な目的地を目指したりすることで、
集中力や考える力を育て、達成感を共有し、心がとても近くなると感じる。



もともと、ピレネーは、ボスの命令を待っているタイプの犬ではなく、
特に警備、護衛という仕事では、自分の判断で行動する。
そして、その判断がボスに認められた時、喜びを感じるという。

そうした特性からすると、
一般的な訓練所では、トレーニングされにくい犬種である。
訓練するなら、犬全般ではなく 「ピレ」 を熟知しているトレーナーに任せないと
効果がないばかりか、かえって悪くなるという話は、うなづける。



私自身、ワイマナラーの訓練を見て、Zionにも試みたことがあるのだが、
おやつにもつられないZion、何をやっても無視されただけであった。
訓練で瞳が輝く犬もいれば、そうでない犬もいる。
Zionには、遊びを通して培えることが、たくさんあるように思う。



さて、本日の画像は、かくれんぼをして遊んでいるところである。
私がブッシュに隠れると、Zionは姿を見つけようとする集中力と
追いかける意欲が高まるようだ。
まるで、小動物でも追いかけているようなやんちゃ顔!



そして、面白いのは、Zionが自分もブッシュに隠れて、
突然、出て来て、驚かそうとするような素振りを見せたりする。
こんな時、考えたな~とにやにやしてしまう。



遊びは、色々な意味で、無限である。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




必要がない時は・・・

2012-03-22 | 生態・行動
散歩道で、よく言われる。

「おとなしいですね~!」 「優しいでしょう?」

広く優しい心を持っていることは、間違いないと思うが、
いつも、おとなしいとは言えないなぁ。

つまり・・・

Zionは、おとなしくする必要がある時は、おとなしいが・・・
その必要がない時は、やりたい放題だ。

朝からいきなり、突撃したり・・・



ヒマになると、おもちゃをかじり・・・



思うようにならないと、パピーみたいにダダをこね・・・



ソファに置いていた洗濯物をぐちゃぐちゃにして、
下敷き~、お昼寝~っ。



郵便配達員さんには、
「ぼくに無許可でポストに入れたな~っ
と、仁王立ち。



他の牡犬に威嚇され、堪忍袋の緒が切れれば、
リードを容赦なく引っ張り、怒る。

彼が、その必要がないと判断した時・・・
言うことを聞かないし、おとなしくもしない。

でも、その必要がある時、
とことん頑張る・・・



「それが、ぼくですけど、何か?」


   

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




脳を鍛える散歩へ

2012-03-02 | 生態・行動
散歩に出ると、そこは避けてほしいと思うような場所に
Zionは、必ず行きたがる。



いかにもダニがつきそうな、ヨゴレそうな茂みに頭を突っ込んだりすることにも
今ではずいぶん、寛大になった。

犬にとって、散歩は運動の他にも大きな意味を持つ
ということを意識するようになってから、
自分自身も更に散歩を楽しめるようになってきた。



散歩の大きな意味とは、
飼い主との絆を深めるだけでなく、
外部の情報を収集したり、他の人や犬、動物と心を通わせる時、
犬は、脳をフル回転させているということだ。



散歩の満足度は、犬それぞれだろうが、
そうした刺激が足りないと脳はストレスを感じ、
ストレスは、免疫力を低下させることも分かってきている。



臭覚や視覚、体験などから常に新鮮な情報を得て、
脳を発達させるには、
出来るだけ変化に富んだ散歩をすることだろうと思う。



これは、なかなか難しい。



せめて、毎日コースを変えて歩き、新しい匂いや視覚的な刺激にも
出会えるようにと思う。



勿論、全てに安全第一。



ただ、Zionの匂い分析、生き物への興味に
しっかりつき合いながら散歩をすれば、きりがなく・・・
飼い主の体力からも、一区切りを最長で4時間ということにしている(約8キロ)。



Zionと一緒でなければ歩かないし、費やさない貴重な時間。
たくさん歩けて楽しい、新しい散歩コースをもっと見つけなければ・・・



Zionの気持ちはたぶん、こうだろう。

春だけど まだ行かないで 冬の空

彼は、まだ遊び足りないらしい。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!