26年前の3月、父が天に召されました。
父は大学で教えていたのですが
詩を書く教え子の方が
そのときに
父に向けて詩を作ってくださいました。
なんだか急に思い出して
子どもたちにも祖父のことを伝えておきたいので
ブログに載せたいと思います。
天国の春
春の宵闇の奥には
海を照らすにぶい月光りがあり
寄せては返す波のまにまに
過ぎ去った歳月が揺らめいている
夕日に照らされた木造の研究室で
英文学の素晴らしさを説き
何も知らない一学生の私に
あなたは熱っぽく語りかけてくれた
煙草を燻らせながら…
あの時はあなたも私も若く
夢と希望に未来は照らされていた
教育の厳しさと
人間の誠実さと
神の愛の深さを若者に教えて
あなたは時の彼方へ静かに旅立った
桃や桜や色とりどりの思い出草を
こころの庭に咲き誇らせ
涙の星を止めどなく振りまいて
闇の奥の光の世界へ…
天国の春の中で
安らかに眠って下さい
家族以外にも
悲しんでくださる方がいて
慰められたのを覚えています。
力不足ではありますが
厳しくも誠実だった父の思いを
私も受け継いで
次の世代に繋げていきたいです。
素敵な詩をありがとうございました。