2月に続いて第2回目となる 「本 de てつがくカフェ」 が開催されます。
第1回のときは課題図書はあっさり決まった、というか、
取り上げたい本ありきで 「本 de てつがくカフェ」 の開催を決めたと言ってもいいくらいでしたが、
今回は課題図書の選定に世話人一同、相当苦しみました。
「本 de てつがくカフェ」 はあらかじめ皆さんに本を読んできてもらい、
それについて2時間ほど語り合うわけですが、
したがってあんまり分厚い本ではダメですし、ムチャクチャ難解な哲学書でもダメです。
わりと薄めの、サクッと読めそうな小説で、かつ様々な読みを可能とし、
哲学的議論を誘発するような深い作品であることが求められます。
私たち世話人にとっては、仙台で行われた 「第1回書評カフェ」 が原点となっています。
そのときは雨宮処凛の 『ともだち刑』 が課題図書でした。
文庫本で176ページしかない薄い本なんですが、この本自体が非常におもしろかったですし、
書評カフェでの議論も盛り上がり、たいへん刺激的な会となりました。
あれに匹敵するような最適な本が何かないだろうか?
それをずーっと考え続けていたわけです。
6月に 「本 de てつがくカフェ」 を開催することは、すでに3月の時点で決定していたのですが、
課題図書がなかなか決まらず、けっきょく5月のてつカフェの時にも発表できずじまいでした。
そうやって苦しんだあげくやっとカフカの 「断食芸人」 に決定いたしました。
短編集のなかに収められているほんの20ページ余りの小品ですが、
「本 de カフェ」 の課題図書としてなかなかいいんではないでしょうか。
カフカだけど 「変身」 にいかないところも 「@ふくしま」 らしさを醸し出しています。
いろいろな翻訳が出ています。
どの版でもかまいませんので、お好きな訳をおもちになってご参加ください。
ところでウィキペディアで 「断食芸人」 を調べてみると、
「作品中で描かれている断食芸はカフカの創造したものではなく、
ヨーロッパでは19世紀後半から20世紀前半にかけて実際に断食芸の興行が行なわれていた。」
と書かれていました。
私は基本的にウィキペディアは信じていないので、
この説明にもホンマかいなと疑問を抱いてしまいました。
実際、ウィキペディアの 「断食芸人」 の項目のなかでも、
上述したような、いろいろな日本語訳が紹介されており、
そのなかに 「池内紀訳 『カフカ短編集』 岩波文庫、1987年」 が挙げられていますが、これはウソです。
『カフカ短編集』 のなかに 「断食芸人」 は収められていません。
「断食芸人」 が入っているのは同じ訳者の 『カフカ寓話集』(岩波文庫) のほうなのです。
こういう間違いがちょいちょい見受けられるのでウィキペディアは信じられないわけですが、
断食芸に関する記述ははたしてどうなんでしょうか。
残念ながらウィキペディアには 「断食芸」 という項目はありませんでした。
ウィキペディアを離れていろいろとググってみるしかありません。
いくら調べてもカフカのこの作品のことしか出てきませんでしたが、
やっと手がかりを見つけました。
『拒食の文化史』 という本が出版されていて、そのなかに断食芸のことが書かれているらしいのです。
実際に読んでみました。
するとたしかに 「Ⅴ 空腹芸人と生ける骸骨」 という章で断食芸のことが詳しく叙述されていました。
珍しくウィキペディアの記述は正しかったようです。
「断食芸人」 という作品はたんなる荒唐無稽な創作物ではなく、
歴史的事実に依拠して書かれた作品のようなのです。
同書ではカフカの 「断食芸人」、ならびにカフカ本人についても論じられていました。
「本 de てつがくカフェ」 の議論をある方向に誘導してしまうのは避けたいので、
参加希望者の全員にオススメするわけではありませんが、
どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかがわからないと、
この作品のことを理解することも、哲学的テーマを見出すこともできないという (私みたいな) 人には、
『拒食の文化史』 を参考文献としてオススメしておきたいと思います。
「本 de てつがくカフェ」 は事前申し込み制です。
関心のある方はカフカの 「断食芸人」 を読み、
私もしくは fukushimacafe@mail.goo.ne.jp まで参加の意思表明をお伝えいただいた上で、
ご参加くださいますようお願い申しあげます。
15名程度で締め切らせていただく予定ですので、残席あと5名分ほどです。
お早めにご連絡ください。
第2回 「本 de てつがくカフェ」
課題図書 : カフカ 「断食芸人」
日 時 : 2012年6月23日 (土) 16:00~18:00
場 所 : サイトウ洋食店
福島市栄町9-5 栄町 清水ビル2階・JR福島駅から徒歩4分
電 話 024-521-2342
費 用 : ドリンク代 300円
参加申し込み : fukushimacafe@mail.goo.ne.jp
ちなみに打ち上げも 「サイトウ洋食店」 さんでやらせていただくことに決まっております。
できれば懇親会への出欠も一緒にお知らせいただければと思います。
第1回のときは課題図書はあっさり決まった、というか、
取り上げたい本ありきで 「本 de てつがくカフェ」 の開催を決めたと言ってもいいくらいでしたが、
今回は課題図書の選定に世話人一同、相当苦しみました。
「本 de てつがくカフェ」 はあらかじめ皆さんに本を読んできてもらい、
それについて2時間ほど語り合うわけですが、
したがってあんまり分厚い本ではダメですし、ムチャクチャ難解な哲学書でもダメです。
わりと薄めの、サクッと読めそうな小説で、かつ様々な読みを可能とし、
哲学的議論を誘発するような深い作品であることが求められます。
私たち世話人にとっては、仙台で行われた 「第1回書評カフェ」 が原点となっています。
そのときは雨宮処凛の 『ともだち刑』 が課題図書でした。
文庫本で176ページしかない薄い本なんですが、この本自体が非常におもしろかったですし、
書評カフェでの議論も盛り上がり、たいへん刺激的な会となりました。
あれに匹敵するような最適な本が何かないだろうか?
それをずーっと考え続けていたわけです。
6月に 「本 de てつがくカフェ」 を開催することは、すでに3月の時点で決定していたのですが、
課題図書がなかなか決まらず、けっきょく5月のてつカフェの時にも発表できずじまいでした。
そうやって苦しんだあげくやっとカフカの 「断食芸人」 に決定いたしました。
短編集のなかに収められているほんの20ページ余りの小品ですが、
「本 de カフェ」 の課題図書としてなかなかいいんではないでしょうか。
カフカだけど 「変身」 にいかないところも 「@ふくしま」 らしさを醸し出しています。
いろいろな翻訳が出ています。
どの版でもかまいませんので、お好きな訳をおもちになってご参加ください。
ところでウィキペディアで 「断食芸人」 を調べてみると、
「作品中で描かれている断食芸はカフカの創造したものではなく、
ヨーロッパでは19世紀後半から20世紀前半にかけて実際に断食芸の興行が行なわれていた。」
と書かれていました。
私は基本的にウィキペディアは信じていないので、
この説明にもホンマかいなと疑問を抱いてしまいました。
実際、ウィキペディアの 「断食芸人」 の項目のなかでも、
上述したような、いろいろな日本語訳が紹介されており、
そのなかに 「池内紀訳 『カフカ短編集』 岩波文庫、1987年」 が挙げられていますが、これはウソです。
『カフカ短編集』 のなかに 「断食芸人」 は収められていません。
「断食芸人」 が入っているのは同じ訳者の 『カフカ寓話集』(岩波文庫) のほうなのです。
こういう間違いがちょいちょい見受けられるのでウィキペディアは信じられないわけですが、
断食芸に関する記述ははたしてどうなんでしょうか。
残念ながらウィキペディアには 「断食芸」 という項目はありませんでした。
ウィキペディアを離れていろいろとググってみるしかありません。
いくら調べてもカフカのこの作品のことしか出てきませんでしたが、
やっと手がかりを見つけました。
『拒食の文化史』 という本が出版されていて、そのなかに断食芸のことが書かれているらしいのです。
実際に読んでみました。
するとたしかに 「Ⅴ 空腹芸人と生ける骸骨」 という章で断食芸のことが詳しく叙述されていました。
珍しくウィキペディアの記述は正しかったようです。
「断食芸人」 という作品はたんなる荒唐無稽な創作物ではなく、
歴史的事実に依拠して書かれた作品のようなのです。
同書ではカフカの 「断食芸人」、ならびにカフカ本人についても論じられていました。
「本 de てつがくカフェ」 の議論をある方向に誘導してしまうのは避けたいので、
参加希望者の全員にオススメするわけではありませんが、
どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかがわからないと、
この作品のことを理解することも、哲学的テーマを見出すこともできないという (私みたいな) 人には、
『拒食の文化史』 を参考文献としてオススメしておきたいと思います。
「本 de てつがくカフェ」 は事前申し込み制です。
関心のある方はカフカの 「断食芸人」 を読み、
私もしくは fukushimacafe@mail.goo.ne.jp まで参加の意思表明をお伝えいただいた上で、
ご参加くださいますようお願い申しあげます。
15名程度で締め切らせていただく予定ですので、残席あと5名分ほどです。
お早めにご連絡ください。
第2回 「本 de てつがくカフェ」
課題図書 : カフカ 「断食芸人」
日 時 : 2012年6月23日 (土) 16:00~18:00
場 所 : サイトウ洋食店
福島市栄町9-5 栄町 清水ビル2階・JR福島駅から徒歩4分
電 話 024-521-2342
費 用 : ドリンク代 300円
参加申し込み : fukushimacafe@mail.goo.ne.jp
ちなみに打ち上げも 「サイトウ洋食店」 さんでやらせていただくことに決まっております。
できれば懇親会への出欠も一緒にお知らせいただければと思います。