まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

橘高校進路講演会 「まさおさまの幸福の倫理学」

2016-04-06 18:03:20 | 幸せの倫理学
もう先月のことになりますが、橘高校で進路講演会を行ってきました。

例のグダグダなゼミ送別会の翌日ですね。

というか進路講演会だったということもよく知らされておらず、

知り合いの先生 (仙人さん) から何でもいいから1年生に話してくださいと頼まれて、

前日までずーっと悩んでいました。

進路講演会だってわかっていたらいつもの 「人はなぜ学び、なぜ働くのか?」 でよかったのですが、

あの話ももうそろそろ手垢がついたというか、話しすぎてちょっと飽きてきてしまったので、

別の演目にすることにして、「まさおさまの幸福の倫理学」 を話すことにしました。

一昨年、学祭のときに話した内容ですね。

その演目で3月16日に講演を行い、無事に終了したのですが、

その報告をまだしておりませんでした。

今回は橘高校の1年生全員300名弱を相手にしての講演だったので、

感想用紙の集計がなかなか終わらなかったのです。

というか、枚数が多いので集計作業をする場所がなかったのでした。

先日やっと研究室を片づけて、エイプリルフールの日にテーブルの上に広げていたのが、

そのときに橘高生に書いてもらった感想用紙でした。



5段階評価の点数ごとに分類して枚数を数え、ブログに掲載するものを選別していたわけです。

集計の結果、満足度の平均値は4.03でした。

300人相手の巨大講演会ですから4.0を超えたのでよしとしましょうか。

選別した感想を評価ポイントごとに分けてご紹介していきましょう。


【評価1の人】 (記入者全員)

●話が長くて、理解するのに苦労した。とても疲れた。

●比較的恵まれた環境にある自分たちが幸せになった上で、他者を幸せにしていくべきなのだと思った。


【評価2の人】 (記入者全員)

●資料は良かったが、何を伝えたいのかあまりわかりませんでした。

●100人の村の話が印象に残りました。

●自分が幸せじゃないと人を幸せにできない、というのが印象に残りました。

●幸福について考えることができました。ありがとうございました。

●「幸せ」 という目に見えない実体の無いものに対して、ここまで深く考えることができるとは思ってなかった。

●幸福の向き合い方が分かった。質問を聞いていていろんな意見があるなと思った。

●おもしろい話が聴けて良かったです。この講演会だけでは、まだまだ幸福について説明できないと思います。自分の力で、幸福について追求できたらと思います。


【評価3の人】 (抜粋)

●幸福感の話が印象に残りました。もう少し簡潔だと理解しやすいです。まわりを幸せにすることを心がけたいと思いました。物事のとらえ方によって幸福感が得られるというのがためになりました。

●”幸福を感じた人が幸福”。幸せって自分で決めていいんだなと思いました。って考えると自分の幸せって案外小さいんだなと思いました。辛いときとか死にたいときとかあったけど、小さい嬉しいことで気持ちがリセットできたし、そんなものかあと改めて思いました。今日はありがとうございました。これからも頑張って下さい。

●毎日こうして学校に来れて、友達と生活していることがどんなに幸せなのかが分かった。今までそれは 「当たり前」 だと思っていたけれど、今日の講義で自分が 「幸せ」 なのだと感じることができた。

●人はめったに何もしてくれないから、何かしてくれたときにありがたいと感じるから、「ありがとう」 と言うんだよとおっしゃっていました。だから、これからはもっときちんと 「ありがとう」 と言えるようになりたいと思いました。一番印象に残ったのは、「幸せな人しか人を幸せにすることはできない」 という言葉です。一人でも幸せな人が増えるように、私たちが頑張っていかなければならないと思いました。

●幸せの定義について、「しか」 と考えるのか 「も」 で考えるかで生活が変わっていくことうを改めて理解できた。自分で欲求や欲望をコントロールすることによって、よりよい生活がおくれると思った。お話であったように、勝つことは難しいかもしれないが、試合で点が入ったり、前はできなかったことが出来るようになることも1つの幸せだと感じること、思うことで人生がより豊かになっていくと思った。

●言葉が幸福に大きくかかわっていてることがわかった。前向きな言葉をつかっていくことが、幸福を得ることにつながるとわかった。「小さな幸せ」、その積み重ねが幸福だと感じることにつながると思うから、小さな出来事への考え方を変えたいと思う。また、1つのことに対しても考え方1つでいろいろなとらえ方ができることを改めて知ることができた。日ごろの生活で、あたりまえだと思い込んでしまっていることが多くあった。あのひとつひとつを考えてみると、自分がとても幸せだと感じることができると思った。すべて 「ありがたい」 ことだと思う。人と人をつなぐあたたかい言葉 「ありがとう」、この言葉を胸に忘れることなくこれからの人生を歩んでいきたいと思う。


【評価4の人】 (抜粋)

●「試合に勝つこと」 に幸福を置かないことって難しいです。「あの技ができたのに…」 って絶対思います。私は勝負については考え方が固いので、他のことは柔らかく考えてみようと思います。「この服が着れてうれしい」、「この人と話せて楽しい」 とか日常生活の何気ないことの1つ1つに喜んでいきたいです。

●何でもない一日がどれだけ幸せか、話を聞いて自分は恵まれているんだなと思いました。幸せの定義が話の後と前で変わりました。話を聞いた後は人に幸せを分けることが自分の幸せにもつながるんだなと思いました。

●幸福について考えるのは難しいし、答えのない問題にもやもやすることもありました。でも、幸福は身近なところにあるのかなと思うことができました。人を幸せにすることが最大の喜びという言葉が印象に残りました。人を幸せにすることは難しいと思うし、他者の幸せはわからないけれど、それでも人を幸せに出来たと思えることが1度でいいから経験できたらいいなと思いました。

●自分はものすごく良い環境で育ってきたんだということを改めて実感した。お母さんが家事をするのは当たり前だと思っていたし、お父さんが働くのも当たり前だと思っていました。でもそうではないと気がつけたので、しっかり感謝を伝えたいと思いました。

●私は5年前の大震災で家の電気が止まったり水が出なかったりして不自由な生活をしていました。その時、今まで普通に過ごしてきた日常は当たり前のようで当たり前じゃないことに気付きました。なので今回の講義は共感する部分が多かったです。今回教わったことを忘れずに過ごしたいです。今日は本当にありがとうございました。

●親切にしてくれる人には、「めったにないことだ」 という意味で 「ありがとう」 と言うことを知ると、重みを感じながら感謝の気持ちを伝えられそうです。また、勉強をしていると、自分は大学に行く為だけにやっているのかと思ってしまうこともあるが、よく考えてみれば人の役に立たない仕事なんてこの世にないのであって、頑張ってやっていけば人の幸せに一役立てることがわかり、考えが変わりました。

●合格発表のことを思い出してみると、すごく夢と希望にあふれていたな…と思いました。実際入学してみると思い描いていたスクールライフではなく、勉強や部活との両立に追われる毎日でした。でも、大変だからこそ学べることもあると思うので、2・3年生も頑張らないといけないなと思いました。

●人間発達文化学類は答えのないものを追い求めると言ったが、「幸せ」 こそまさにそれなのだな、と思った。具体的に 「こういうこと」 が幸せ、というものはなく、様々な 「幸せ」 の形があるからこそ、幸せを探求する価値があり、得る価値があるのだな、と思った。ただ、自分のあだ名でもある 「まさお」 について色々言われたことは、少し気に食わなかった (えらそうですみません)。

●「幸福を感じられることが幸福」 という言葉を聞いて、確かにそうだなと思いました。病気の人や障がいをもっている人が体が悪いだけで幸せになれないなんてことがあるはずないですし、人それぞれに幸せを感じることが違うということを改めて感じることができました。「『してくれないのが当たり前』 と思うことで 『ありがとう』 と言える」。そんなことを考えたことがなかったので、とても新鮮でした。いつも 「感謝しなきゃいけない」 という思いで 「ありがとう」 と言っていましたが、これからは、心の底から思えるようになりそうです。


【評価5の人】 (抜粋)

●資料にのっていた「どんなに恐ろしい病気でも、『こころ』 までは絶対に奪えない」 の文を読んで、今までにそういうことを考えたことがなかったので衝撃をうけました。そして、よく考えたらそうだとも気づきました。それからの、今日の幸せに対しての話はとても興味深かったです。人にはそれぞれの幸せの価値観が違うことや、限界があるといった、現実的ではあるけれど、とても納得のできるものでした。おもしろかったです。

●幸福を感じたことが幸福であるということがとても印象に残っている。受け止め方によって、その事実が幸せとなるか不幸となるかが大きく変わってくることがよく分かった。そう考えてみると、自分の生活をふり返ったときに幸せだと感じる場面はたくさんあったということに気づいた。これから先、運命という言葉で片づけられないことがたくさんあると思うが、どんな事実も幸せと感じられる受け止め方をしたいと思った。

●自分の思う幸せが他人にとってはどううつるかなんて考えた事が無いけれど、この話を聞いて幸せの形は人それぞれで、それを他人が否定することはできないなと思いました。自分の状態が不幸だろうが幸せだろうが、他人の不幸を取りのぞいてあげたほうが自分の自信につながるかなと感じ、自分の事だけ考えればいいと思っていた考えを改善することができた。目の前の小さな幸せを見つけ、さらに上へと努力していける人間になりたいと思いました。

●私はときどき 「なんとなく毎日が物足りない、毎日がつまらない」 と思うときがあります。そこでよく考えてみると、両親、友達の顔が思い浮かび、私らしく生きられているから私は幸せだと、とふと気づきます。正直なところ、自分は何をしているときに ”楽しい” と感じるのかよくわかりません。だから 「毎日が物足りない、毎日がつまらない」 と思うことがあるのです。何が自分らしいのか、何をすれば楽しいのか、何が幸せなのか、これから見つけていきたいです。

●幸福は、その人の受けとり方によって幸福にもそうでないものにもなりうることがわかった。また、言葉は銃弾になりうるという言葉は、とても印象に残った。何げなく言ったことでも相手の受け取り方によっては幸福にも不幸にもなることが分かった。これからは相手のことを考えて言葉をいいたいと思う。先生のお話を聞いて、考えさせられることがたくさんあった。私には何が出来るのか、どうすればいいのかということをこれから考えていきたいと思う。

●幸せに対する考え方が変わった。幸せと感じる基準をかえれば、今まではたいしたことと思っていなかったことも、満足できるのだということが分かった。人と人の間の幸せに対する価値観が違うからこそ、争いが起こってしまうのだ。だけど、お互いに認め合うことで、本当の 「幸せ」 をつかむことができる。これからは、当たり前の日々の中から幸せを見つけていきたい。そして、その幸せをくれた人達に感謝して精いっぱい生きて行こうと思った。

●私は日本というめぐまれた国に生まれて、毎日美味しいご飯を食べたり、橘高校で学ぶことができたり、そういうことに慣れてしまっていることは問題だなと気づきました。この現状に危機感を持って、どうしたら世界中の人々が少しでも幸せになれるか、不安なことを取り除けるか、考えてみたいと思いました。

●幸福は客観的なものでなくて、自分自身が幸福に感じるよう努めることが大切なのだと分かりました。同様の事柄をプラスに受け取るかマイナスに受け取るかで大きな違いが生まれてくるのだと思います。また、私は自分を発信源に相手へ影響を与えて感情が伝染していってしまうと思っています。今回の講義をお聞きしたことでさらに、明るい未来を思い、良い方向へ考える思考を大切にしていきたいと思いました。(白馬の王子様はいないことも印象に残りました(笑)。) ありがとうございました。


いいことを書いてくれていたものはまだたくさんあったのですが、

さすがに全部は紹介しきれません。

橘高校の皆さん、私の話に最後までお付き合いくださりありがとうございました

講演会後にいただいた2つの質問も、とても的確ないい質問でした。

質問者ばかりでなく、他のみんなにとっても私の話をより深く理解するために重要な問いでした。

感想用紙のなかでさらに突っ込んだ質問を書いてくれた方もいらっしゃいましたので、

それについては近々お答えできればと思います。

新学期が始まってしまって大忙しですので、すぐには返事できないかもしれませんが、

いずれ私の気が向くときまで気長に待っていてください。

それではみんな、幸せの感受性を高めて幸福な人生を送ってください。