まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

『福島10の教訓』

2016-04-24 16:53:09 | グローバル・エシックス
昨年度末、研究室の片付けをしたときに、テーブルの上の堆積物の山のなかから、

ブログネタにしようと思っていたいろいろなものが発掘されました。

そのうちのひとつがこちらです。



『福島10の教訓』 というタイトルのブックレットです。

副題は 「原発災害から人びとを守るために」。

福島ブックレット刊行委員会というところが刊行した、72ページの薄い小冊子です。

てつカフェのときに参加者のどなたかから頂戴して、

これは素晴らしいと思ってブログでご紹介するつもりでいたのですが、

研究室のなかで行方不明になってしまい、ずっと捜索願いが出されていた物件です。

それが何ヶ月ぶりかで発掘されて、ようやく日の目をみることになりました。

とても薄い読みやすいブックレットですが、中身は濃厚です。

とりあえずこの本の骨子、福島の10の教訓を書き出しておきましょう。

教訓1 「安全神話」 にだまされてはいけません

教訓2 緊急時には、まず避難することが基本です

教訓3 緊急時には、情報へのアクセスと行動の記録が重要です

教訓4 包括的な健康調査と情報開示を受けることは被災者の権利です

教訓5 生産者・消費者が参加する検査体制を作ることが必要です

教訓6 放射線による汚染を完全に除去することはできません

教訓7 原発労働者に対する健康管理を確立させなければなりません

教訓8 生活とコミュニティの再建という視点が欠かせません

教訓9 被災者の権利と救済のための法律は、被災者自身の参加によって作るものです

教訓10 事故被害を 「原発のコスト」 に算入しなければなりません

これらはまさに福島の教訓と言えるでしょう。

こんな基本的なことがこうした冊子にまとめられなければならなかったのはなぜかというと、

これらの大切な大切な福島の教訓が、日本では何ひとつきちんと受け止められていないからです。

あれだけの大惨事があったにもかかわらず、

そこから何ひとつ学ぼうとしない日本って何なんでしょうか?

現政権には1ミクロンも期待していませんが、ゆとり世代が選んでくれるであろう次回以降の政権に、

これらの大切な教訓を託したいと思います。