まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

「科学技術と環境の倫理学」 授業改善学生アンケート結果2016

2017-02-06 16:06:28 | 教育のエチカ
衝撃の修士論文を提出した院生から、
恥ずかしいから早く新しいブログを書いて、あの記事を過去ログにしてくださいと頼まれたので、
後期の授業で行った 「授業改善のための学生アンケート」 の結果報告をさせていただきます。
実を言うと、「人生で一番忙しい年」 だったために、
(引き続き 「人生で一番忙しい年度」 継続中ですが…)
前期の授業のアンケート結果をまだご報告していません。
あの院生に頼んですでに集計は終わっているし、自由記述も打ち込みずみなんですが、
ブログ記事に仕上げるヒマがないままに今日に至り、
そしていつしか、このごった返した研究室のなかのどこかにデータが埋もれてしまいました。
新年度が来る前にはまた一度研究室の整理をしたいと思っており、
発掘され次第、ブログを書けたらと思っております。
とりあえず、先ほどあの院生から渡されたばかりの、
後期の 「科学技術と環境の倫理学」 のアンケート結果を忘れないうちに発表しておきます。

まずは5段階評価から。

「1.教員の授業に対する姿勢はよかったですか。
 (観点:授業の準備、授業への熱意、学生への対応等)」・・・・・・・・・・・・・・・・4.89

「2.教育の方法は適切でしたか。
 (観点:質問への対応、発表・討論の機会、シラバスの記述内容等)」・・・・・・4.93

「3.授業の内容は適切でしたか。
 (観点:魅力あるトピック、教材・教科書の適切性、参考文献の提示、
  授業の進度、シラバスに記述された目標の達成度等)」・・・・・・・・・・・・・・・・4.86

「4.総合的にみてこの授業に満足しましたか。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.89

一昨年もけっこういい評価で、さすがにもう打ち止めだろうと思っていたのですが、
(上から順に4.81、4.73、4.84、4.84)
その記録をさらに更新してしまいました。
ありがたいことです。
一昨年のアンケートで 「ワークシートを書く時間が足りない」 という意見が散見されたので、
その点を気を付けるようにしたのがよかったのかもしれません。
「2.教育の方法は適切でしたか」 の回答が一番高得点になっているのはそのおかげでしょうか。
今年の自由記述欄では授業内容や授業方法に関する苦情はひとつもありませんでした。
(テストに関する苦情が1件のみ…後述)
では、自由記述を見ていくことにしましょう。
問いは 「あなたが、この授業を通じて学んだことで、特に印象に残っているのはどのようなことですか。
授業への感想や意見も含め、自由にご記入ください」 となっております。

【自由記述】
●NASAのような例示VTRがとても面白くて勉強になりました。

●グループワークを取り入れられたため、他の人との意見交換が出来た。

●それぞれの倫理について考えることによって、これからどのように生活していけば良いのかということを毎回考えることのできる授業だった。環境倫理の話が一番印象に残った。

●特に印象に残った授業は、「チャレンジャー号爆発事故の際の技術者の行動」です。長年の経験上、技術者側の視点と経営者側の視点の相反する立場から、相互の心理レベルにまで触れられたことです。実務では、利益相反、境界問題の中での判断が求められるので、判断する軸を見つけられたと思います。ありがとうございました。

●自分の専門分野では全くない領域ですが、内容的に興味があったので、受けさせて頂きました。私の知らない事や、今までの考えが覆されるものばかりでとても良い刺激になりました。講義を聴いていてとても面白かったです!! また、学類や学年で違う人たちと意見交換をすることが出来てとても貴重な経験でした。ありがとうございました。

●久しぶりに黒板の文字を写し続け、やっぱり書いた方が頭に入るなあと思いました。自分の意見を考えてから、先生の考えが聞けたので、自分が考えていたことと照らし合わせながら授業を聞くことができ、普段受けている授業より、有意義な時間になっていたと思います。

●技術者がとった行動の予測や、科学技術における反論、再反論などを考えることによって、より学びが深まったと思う。またグループワークで意見交換をするのは新しい視点に気付く機会なので面白かった。

●科学技術に対する科学者の倫理、私たち使用者の倫理や政府との関連についてが特に印象にのこりました。このままだとどうなるのか、より良く技術を運用するにはどうすればいいのか考えていきたいと思いました。

●身近な問題に対して倫理学的側面から考えることができたのはよかった。現在の考え方がどのように古典的な思想とつながっているのかわかったのが勉強になった。

●難しい問題もあったが、具体的な例があったり分かりやすかった。先生のたまにはさむ話がおもしろくて好きです。

●ところどころにグループワークやワークシートを使った活動があり、自分の考えをもちながら授業に取り組むことができたので、毎回楽しく授業を受けることができました。ありがとうございました。

●科学の進歩によって人間の生活が豊かになった一方で、重大な事故が発生したり、環境の破壊が進む問題があった。このような問題に対して倫理学者はどのような考え方を持っていたのか学ぶことができてよかった。

●科学技術の倫理の際に、ロケット打ち上げ事故のドキュメンタリー映像を見たのが面白かった。問題の内容に興味を持って取り組むことができた。今後も時間があれば、このような形式で授業を進めてもらうとよりわかりやすくなるのではないだろうかと思う。

●ある事柄について自分の意見を自由に考え、それを周りと交換するような講義は他にはあまりないので、とても有意義であり、楽しかった。正論に対する反論を考えるのが楽しかった。

●環境倫理学者への反論を行い、再びその反論に対し反論をおこなう授業が印象に残った。大学の講義を受けていても、現在どのような部分が論点になっているのかがわからないことが多いので、理解しやすかった。

●毎回の授業がとても興味深く、沢山板書をすることが多かったので、とても内容の濃い授業だったと思います。特に印象に残っているのは、ロケットの打ち上げをやめようとした科学者の話です。授業の展開の仕方がとてもおもしろかった(interestingの方で)です。

●高校の倫理の基礎を押さえていることに加え、その発展を、例を出しつつ講義を進めていたため、理解しやすく、印象に残る、有意義な講義だった。テスト内容ですが、他の講義のテストも考慮した分量を設定し、内容を重視をしてほしい。文章は量より質だと考えます。

全員分ではありませんが、だいたいこんな感じです。
批判的な内容が書いてあったのは一番最後のテストに関する1件のみでした。
これまではずっと2問中1問選択という形で出題してきましたが、
今回初めて2問とも答えるようにと出題形式を改めたので、おそらくそれに対する意見なのでしょう。
その点に関しては、テストの採点が終わってから改めて考察してみたいと思います。
最後に、私が1番重視している授業外学習時間に関する回答結果です。

【授業外学習時間】
3時間以上・・・・・・・・・・・13人(46.4%)
2~3時間未満・・・・・・・・・6人(21.4%)
1~2時間未満・・・・・・・・・6人(21.4%)
30分~1時間未満・・・・・・3人(10.7%)
30分未満・・・・・・・・・・・・・・0人(0.0%)
0分(何もしなかった)・・・・・0人(0.0%)

こちらは一昨年よりも下がってしまいました。
けっこう意図的に宿題というか、
「○○について考えてきてください」 みたいな指示もしたつもりだったのですが…。
今年は公欠とは別に欠席する人が多かったような気がするのですが、
それも何か関係しているのかもしれません。
それとそもそも、今まで木曜日の4限に開講していたものを木曜2限に移して、
受講者数が増えるものと期待していたのに逆に減ってしまったので、
そのあたりも再考の余地があるのかもしれません。
いずれにせよ授業時間外学習時間を増やしていくための取り組みについては、
これまで右肩上がりで推移してきたものが減少傾向に転じてしまいましたので、
今後ちょっと新しい工夫を加える必要があるかもしれません。

なお、これは他の授業でも同様ですが、
「この講義を受講してどんな力が付いたり伸びたりしたと思うか」 という問いは、
無記名のアンケートではなく記名式のワークシートのほうで答えてもらいましたので、
それはまた近いうちにご報告させていただきます。


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