まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

今さら公開! 共通領域 「倫理学」 授業改善学生アンケート結果2015

2017-04-22 08:56:32 | 教育のエチカ
共通領域の 「倫理学」 が始まって昨日 (2017年4月21日) はもう3週目、
樋口先生の担当回に入ってきました。
樋口先生、初回から飛ばしてましたね。
ヒグチックにヘンな雰囲気を醸し出していました。
次回以降がさらに楽しみです。

ところで、受講生の皆さんに過去の 「教育改善のための学生アンケート」 結果をお知らせしようと、
過去記事を探していたんですが、2013年の結果は見つかったものの、
2015年のときの結果が見つからず、そのため皆さんに先週お知らせすることができませんでした。
たしかうちの大学院生にバイトで集計してもらい、
それを記事にまとめたはずなのに、いくら検索しても出てこないのです。
実は以前にもそういうことがありました。
せっかく書いたのに下書き状態のまま公開するのを忘れていたという事件です。
ひょっとして今回もと思って、自分の編集画面から記事一覧を探してみたら、
案の定ちゃーんとありましたよ。
読んでみると記事は完成していたので、途中で書きかけのまま忘れてしまったのではなく、
完成して公開したつもりだったのに、実は下書き状態で投稿していたということのようです。
せっかくバイト代まで払い、忙しいなか時間もかけてブログ記事としてまとめたのに、
なんてもったいないことをしておるのだ
このほかにも記事一覧のなかには下書き状態のまま残されているものがけっこうありました。
タイトルだけ打ち込んでおいたものや、ほんの数行だけメモ書きしてあるものもあれば、
けっこうがんばって書いていたけど結論にたどりつかず放り出してしまったもののなかに、
いくつか、これって完成して公開したはずじゃなかったっけっていうものも見受けられました。
精査の上、順次公開していきたいと思います。
とりあえず2年遅れになってしまいましたが、前回の 「倫理学」 のアンケート結果を公開します。


本日、共通領域 (いわゆるパンキョー科目) 「倫理学」 が終了しました。
今日はまとめの回だったので、いつもの 「授業改善のための学生アンケート」 を実施いたしました。
まずは、お決まりの5段階評価からです。

「1.教員の授業に対する姿勢はよかったですか。
 (観点:授業の準備、授業への熱意、学生への対応等)」・・・・・・・・・・・・・・・・4.78

「2.教育の方法は適切でしたか。
 (観点:質問への対応、発表・討論の機会、シラバスの記述内容等)」・・・・・・4.69

「3.授業の内容は適切でしたか。
 (観点:魅力あるトピック、教材・教科書の適切性、参考文献の提示、
  授業の進度、シラバスに記述された目標の達成度等)」・・・・・・・・・・・・・・・・4.62

「4.総合的にみてこの授業に満足しましたか。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.63

さすがに前回2013年のときと比べると0.2~0.3ポイントほど下がってしまっています。
まあ、前回はあり得ないだろうっていうぐらい評価よすぎましたからね。
あれが続いたり、あれを更新するなんてこれっぽっちも思っていませんでしたのでこれで十分です。
これでもけっこう高い評価じゃないですか?
自由記述を見てみても評価ダウンの原因となるようなことは見当たりませんでした。
最初の黒丸が 「この授業を通じて学んだことで、特に印象に残っているのはどのようなことですか。
授業への感想や意見も含め、自由にご記入ください」 への回答。
次の白丸は教員からの自由設問で、
「この授業でどんな力が身に付いたり伸びたりしたと思いますか」 に対する回答になっています。

●倫理という普通に生活していたら当事者にならなければ考えることは多くないものについて様々な視点から考え、また、グループ学習のときには考えを話し合えて勉強になった。○普通の生活の中において、頭のなかで物事なり風景なりを切り取って、どんな倫理があるのかを考えたり感じたりといった力がついた。

●授業内課題の問いや魅力的、興味あふれるテーマで、倫理に吸い込まれる良い授業だった。この授業を選択して良かったと思う。○倫理的に考える力。自分の考えた倫理を他の人にも理解してもらえるように発表する力。

●ディスカッションの仕方に、かなり印象を受けました。二人の先生の異なった授業形式で、当たり前のことを今までと異なった観点で学ぶことの重要性が身にしみました。○自分は三年次生で周りは一年次生ばかりだったので、ディスカッションの時は不安がありましたが、何の隔たりもなく話すことができて、貴重な意見交換の機会になりました。個人的に年下の子と話すのは照れくさくて苦手なので、今期の講義で少し抵抗がなくなりました。

●倫理では高校までの昔の哲学者などの思想に着目するのではなく、20世紀、21世紀の現代社会の科学技術とその科学技術者について深く学びました。その中で、脳死について深く学びました。いつ自分または家族になるものか分からず、他人事ではないと強く思いました。○最初の2回ほどの授業で倫理学的問いの多重性のなかで「事実判断」と「価値判断」の2つを学習しました。事実判断は歴史的経緯、事実認定に基づくものであり、価値判断はただ単に善いか悪いかであると学びました。事実判断があってその後価値判断につながるはずなのに、現実問題でこれが逆転してしまう傾向が多く見られると学び、この授業を受ける以前の自分を顧みると自分もその傾向が多々あると思いました。しかし、倫理の授業を通して、自分の私生活をふり返ると事実判断を先にくだすことが多くなってきたと感じます。

●時代ごとに倫理観の変化があること、近代以前にはその時代に即した倫理があり、現代には現代の倫理があるという点。当然なことだが、その変遷が印象的。○客観的な思考が身についた。倫理的な考え方は、事実判断と価値判断とを分けて考えているため、自分の価値観と事実を混同しないように考えられるようになったと思う。

●倫理学という普通は考える機会がないような内容にも、脳死や科学技術といった身近な問題から関心を持ち、学ぶことができた。○物事を見た目や感覚で判断することがなくなり、分析的に判断できるようになった。また、問題の解き方が1つではないということも学べた。

●科学技術の変化に伴う倫理の変容と脳死・臓器移植を題材にして授業が行われた。高校までの思想史を学ぶだけの「倫理」とは違い、自分の頭で答えを見つけるために奮闘することができて楽しかった。実生活においても倫理について考える事が増えて、より思考する回数が多くなった。○身の回りの現象に目を向けて問題を見つける力。加えて、その問題が起きる原因を考えて対話し、解決しようとする力及び姿勢。

●どちらの先生も深い知識とそれに対するご自身の経験も私たちに伝えてくださり、大変参考になり、分かりやすかったです。○物事を倫理的に考えるような姿勢が少し出てきたように思う。これまで深く考えてこなかった人の死(特に脳死)などに耳を傾けるようになってきた。

●身のまわりに倫理があふれていること。事実判断をしてから価値判断をするというプロセスの重要性。○まずは事実をしっかりと見つめ、それから自分の価値や考え方に沿ったものの見方をする力。普段気づかないところにある倫理を見つける力。

●脳死臓器移植の是非を問われ、その後に脳死の定義を聞かれ、脳死に関してほとんど情報を持っていないのにその是非を考えていたのかと、考えさせられた。○倫理について考える時間が増え、思考力が伸びたと思う。

●宇宙の話が好きなので、アポロの講義がもう少し長く聞きたかったです。まさおさまの講義でもっとグロイものも興味がありました。聞いてみたかったです。○今まではあまり気にしないで、自然と聞き流していたようなニュースやドキュメンタリーを必至になって見たり、日常生活で他人の気持ちを考えて行動をするようになったと思います。

●脳死と植物応対の違いや、国ごとに脳死の定義が違っていること。隔年講義にするのはもったいないと思います。○物事を考える時に「なぜそう思ったか」ということをちゃんと考えられる習慣が身についたと思う。

●私は倫理学自体に強い偏見を持っていましたが、授業を通じて倫理を科学的に考察することが学べたように思います。ここと習得した方法論を大切にして今後の学習に生かしていきたいと思います。○Ⅳと重なってしまう部分を避けて言うと、今までは私は他者の倫理的発言がまったくの空想だと考えていた事もあり、他者の議論において倫理的言質が含まれているとイライラして仕方がなかったのですが、この授業を通じて他者の道徳性、情動に対する共感能力が伸びたように思います。

●脳死の定義が3つに分かれていること。科学技術の進歩による倫理の変化。○疑念を持つ力が伸びた。また、価値観が場所や時代で異なることも今まで以上に実感し、思考の柔軟性化につながったと考える。

●講師の先生自らの実体験を元にした話が分かりやすく、印象に残った。○日常の何気ない所から倫理的な考えに至る力が身につき、普段の生活の中での視野が広がったと思う。

●他の人の考えを聞いたり、講義を受けていく中で、自分とは違った価値観を知ることができ、1つの事案に対しての考えがとても深まった。価値観の違いが国によって違っていたことを知り、興味をもった。特に臓器移植のような重要な倫理的問題も国々によって違っていたので驚いた。これにつては、自分でも今後、理解を深めていきたい。○1つの考え方だけではないこと。違った視点から見ることで、理解を深められたり内得したりできること。脳死と臓器移植について。

●数人で行うディベート式の授業。○圧倒的に答えがないような問いについて、自分なりの考えをもつことができる力。

●納期臓器移植について学習したこと。植物状態と脳死の違いについて、しっかりと知ることができたのは大きかった。○私は、倫理学を受講して、物事をさまざまな面から考える力が身に付いたと思う。これは倫理学で学んだ、価値判断と事実判断の方法が生かされていると思う。

●私たちはしばしば価値判断を先にして事実判断を後に考えてしまいがちだが、本来は事実判断を重視すべきだと倫理に関わる問題を通して学ぶことができたと思う。○物事の良し悪しを、事実判断を考えた上で決めるようにする力を身につけられたと思う。

●座学の他にも、グループワークがあるなど、講義の内容が充実していた。一番「学んでいる」という感覚がある。○ニュースなどを視聴した時に、報道される事件や事故に関する倫理を少しずつだが考えるようになった。

●各々が倫理を感じたことをもちより、他人が集まりグループで話し合った回はとても新鮮で、他の人がどのように考えているのかを知ることができた良い機会であった。○授業で毎度、その時間に感じた倫理を明確に文章で書くため、普段の日常生活においても倫理を考えて行動することが多くなったため、そのような力が身についたと思う。

●臓器移植など、人と関わりの深い倫理について学ぶことができてよかったです。私が想像していた授業内容とは異なっていたが、とても興味深い話が聞けたので、最終的にはこの授業を受講してよかったと感じています。○日頃から倫理を意識して生活する力が身につきました。今までは何気なく見ていたニュースや新聞を、自分なりに、倫理を意識して見ることで、深い内容まで考えることができたと思います。

●ロジカルシンキングの仕方を学んだこと。先生の実際の体験談等を聞いたこと。○物事を鵜呑みにするのではなく、本当に正しいか疑って自分で一回考える姿勢。

●物事を知っていると思い込み、間違った価値判断を行っている事が自分の中にどれだけあるのかを学びました。○先に事実判断から入り、価値判断を行うことにより、どのような事実範囲においてどんな価値判断を行っていたのかを知り、そこに矛盾がある場合、それを是正する力が伸びた。

●小野原先生の身内が亡くなった時の話。「2つの死から2つの生を」。今まで生きてきた中で一番深く命について考えることができる時間になった。○日常生活の中で、命に関わる事柄について、今までは人が助かるからなどときれいごとばかり意見を出していたけど、物事にはきれいな面だけではないことが分かったので、事実をよく判断する力を少し得ることができたと思うし、これからも生かしていきたい。

●マンハッタン計画とアポロ計画についての授業が印象に残っています。先生は二人ともすごく個性的でおもしろいです。○力が身についたのかどうかはわかりませんが、同じように倫理を受講している友人と日常のささいな出来事に対して「これ倫理じゃない!?倫理感じてない!?」と軽くふざけながら話すことはあります(笑)。

●毎回刺激的な授業であったが、日本の臓器移植の回数が圧倒的に少ないという話は特に印象に残った。倫理を考えて生活をするということは基本忘れがちであるが、日常の中の倫理を感じながら今後生活したい。○先生の話を聞き、自らの頭で自分自身の考えを見つけ出す力が伸びた。

●高校の授業でやった「倫理」とは共通部分もありましたが、多くは自分の考えていたものとは違うものでした。特にブレーンストーミングは世界の問題から身近な問題まであって面白かったです。また、脳死の話は毎回驚きと疑問の連続で、もっと授業を受けたかったと思いました。○倫理とは何か考えるようになったこと。自分でいろいろ考えるようになったこと。

●以前から興味のあった科目なので、とてもおもしろかったです。ただ授業を聞くだけでなく、グループディスカッションなど、事象について考える時間もあったので、より理解が深まりました。○ある事柄についていろいろな角度から見て考えるようになりました。そうすることで新しい発見をすることもあったので、とてもためになります。

●臓器移植の話がとても印象的で、授業の外でもそのような話を聞くと考えてしまうようになりました。先生の話し方はとても分かりやすく、気が付くと時間が過ぎてしまうこともありました。また、グループでの活動も想像以上に盛り上がってよかったと思います。○今までは何の気もなく日常生活を過ごしていましたが、この授業を受けてから、日常生活であたり前に起きていることも考えるようになりました。例えば、ドナーカードを見た時や、食べ物を食べる時、テレビで科学技術についてのニュースを見た時に、今まではあまり考えたことのないことを考えるようになりました。この授業がきっかけで、日常生活で起きていることを違う視点から見るようになりました。

●私はこの倫理学を通して、特に印象に残ったことは脳死臓器移植についてです。身近でないようで身近な問題を取り上げていただきました。人の死とは何かという未知の領域をあえて考えることによって、命の重みが初めてわかると実感しました。さらに樋口先生や大原先生の科学技術等の理工系の話をされる際の嬉しそうな顔がとても印象に残りました。○この授業では、ものごとを感情的に捉えるのではなく、論理的にかつ倫理的に捉える思考を身に付けました。このような思考は、現在、そして将来に生かしていくことが出来ると思われます。

●ひぐち先生の経験談の回がおもしろかった。とてもリアルだった。○脳死や臓器移植についての知識が身に付いた。どれが倫理なのかを考える力が身についたと思う。

●科学技術に見られる倫理を探してきて発表したこと。グループの中で様々な観点から見られていて面白かった。グループ分けの時、グループの中の一人の案がとても納得できて発想がすごいと思った。○ニュースやドラマを見た時、一つの視点だけでなく、様々な視点から見ることができるようになり、世間で言われている考え方ではない、自分個人の考え方を身につけることができた。

●実際の事例を基に倫理的課題を考えていくことが出来て面白さを感じた。特に脳死のトピックに関しては大きな興味を抱いた。○ある事象(例:脳死)に関しての価値判断を事実的根拠に基づいて下すことを心がけられるようになった。

●脳死臓器移植に関すること。自分ならいいと思っても家族なら嫌だと思ったり、たくさんの感情がわきました。○考える力、どうしてだろうと一度は考えることが多くなった。前より自分の意見がもてるようになった。

●脳死について考える機会が多かった後半の授業ですが、色々な知識を知れば知るほど「脳死って何だろう」と思うことが多くなりました。それほど複雑で一筋縄ではいかない問題なのでしょう。続きが楽しみです。○ある事象について知っていなければ偏った観点でしか物を言えないな、と改めて気付きました。「YES!」と答えたのに、こんな事実があった、こんな考え方がある、と知ると「・・・YES?,NO?」となることが多かったです。

●初めて倫理を学んだので、少し難しいなと感じました。しかし、倫理を学んだことで、日常生活のあらゆる場面で倫理を考えられる場面があることに気づいて、とても面白かったです。○今まで倫理そのものを知らなかったので、倫理を感じたことがなかったけれど、倫理学を受講して、ニュースや新聞、日常生活で倫理を感じられるようになりました。また、脳死と植物状態の違いなど、分かりやすそうで分かっていなかったことが身につき、力がついたと思います。

●教員の趣味まるだしの授業でしたが、大変参考になったと思います。○相手の質問をうのみにするのではなく、質問を疑ったり、意味をよく考えることが重要だと分かりました。質問されてから、反射的に答えるのではなく、よく考えてから答えられるようになったと思います。

●脳死のことが特に印象に残っています。普段考えることはないテーマで知らないことばかりだったので、ためになりました。国によって基準が違うのは問題だと思うし、法律が施行されてからあまり時間がたっていないので、これから改善されていくことを期待します。○樋口先生の授業については、今まで何も思わずに使っていた機械が享受していた便利さを改めて考えるいいきっかけになりました。豊かな暮らしの裏にあることを頻繁に考えるようになりました。小野原先生の授業については、身近にない脳死について知ることができてよかったです。あと、事業の中で時々課される答えのない問いにとりくむことで、自分の中で意見を持つことができるようになりました。

●グループ学習がとても楽しく感じた。授業の内容はとても興味深く、みりょく的なものであった。○様々な出来事の影に存在している倫理を、意識的に発見できるようになった。人の死に関する知識が身に付き、死に対して興味を抱くようになった。

●倫理学的観点でものごとを考えることはいままでしたこともなかったが、少しづつ身に付き始めている。○注意深く観察することが増えた。電車に乗っている人や買い物している人など。

●物事について色々な角度から見ることを学び、深く考えることを知った。○価値判断をする時には、ちゃんとした情報を得てから行うべきだということ。

●魅力のある授業にしていきたいという熱意が伝わってきました。○普段であったら聞き流してしまうようなことに対し、倫理について自分なりに考える力が身に付きました。

●なんとなくしか知ってなかった脳死について、詳しく知ることができたことがよかった。脳死によって移植ができるプラスの面しか知らなかった。デメリットもあるのだということを痛感した。○なんでもかんでもそれを正しいと思い、自分で考えようとはしてこなかったことを思い知った。本当にそれでいいのか、正しいことなのかを考える力が伸びたと思う。また、何気ない風景のなかに倫理が隠れているのだと思った。

●脳死について、主に世界で三つの脳死判定基準があり、国によってバラバラであること。日本における脳死とその歴史。原子力についてと宇宙開発競争。○この授業を受講して、もの事を多角的に見る力が最も伸びたと思う。というのも、例えば脳死についての授業を受けた時も、先入観や知識の不足があったにも関わらず、自分の価値観等でしか脳死基準や判定を判断してなかったから。特にこの授業では、これが伸びたのではなかったかと感じた。そして、客観的事実を見て判断する力が身についたと思う。

●倫理学を、科学技術と医療の二つの観点からとらえているのがとても素晴らしいと感じる。おそらく、倫理を感じることは上の二つのみではない筈である。○Ⅳでも感じた通り、科学技術と医療(脳死)のみではなく、他の領域や日常生活で倫理を感じられることがある筈である。要点は、それを事実判断と価値判断で改めなければならない点である。つまりは客観的な物の考え方を、主観的な思考によって先導されてはいけないということである。

●人の死について、ここまで深く考えたことは無かったので、とてもいい経験になりました。○単純にはい、いいえの二択だけで考えるのではなく、そのものの本質を考える力が身についたと思います。

●脳死臓器移植をめぐる事実判断と価値判断という授業で、脳死と植物状態の違いや現状についての話。○物事を論理的に考えたり、順序だてて考えたりする力。

●倫理は日常のあらゆるところにあるということ。現代社会の科学技術における倫理。人の命に関わる選択における倫理。○論理的に考える力。自分の身近なところで疑問を発見する力。

●脳死問題のジレンマ。家族について考えたり、自分のこととして考えたりするなど、興味深い内容だった。○少なくとも、起こりうる様々な問題と向きあえるような力がついたと思います。

●胃ガンになった父親の摘出した胃を見て、もつ煮込みが食べられなくなったというエピソード。○1つの物事を色々な観点から見て考えることができるようになったと思う。

●脳死についての講義、質量があった。重かった。講義の一番最後に臓器提供意思表示カードを配ってみてはどうか。意識がぐっと変わると思う。○物事の本質を見る力、ある定義が本当に正しい(妥当な)定義なのかを見極める力。

●様々なことを倫理という面から見れた。脳死については、知らなかったことも多く自分なりに色々考えることができた、正直言って「倫理学」と見て、高校での倫理を受講した。しかし、内容は異なっていた。でも、内容がとてもおもしろく、受講して良かったと思う。○様々な事案を客観的に捉え、主観的ではない見方をする力がついたと思う。

●脳死に関するテーマは、重い内容であったが、非常におもしろい内容だった。○物事を考えるときに、自分の感想よりも、まず最初に客観的価値判断を考えるようになった。

●グループワーク。グループで倫理を感じる写真や絵をもちよって、そこから倫理についてまとめるのが印象にのこった。○倫理というものを、あまり意識していなかったが、倫理は身のまわりにたくさんあると感じた。また、倫理という言葉を最初は知らなかったが、だんだんこれが倫理かということが分かってきた。

●人によって倫理観が違うので、国によっても変わってくるんだなと思いました。倫理学が毎週楽しみになりました。脳死センター、私は合理的だと思いました。○物事をそのまま受け入れるのではなく、一度疑う姿勢。

●脳死臓器移植について深く知ることができ、今まで脳死臓器移植について価値判断をしたことがなかったので、深く考える良い機会になったと思う。○日常的に目にするものやニュースなどに倫理を探したり価値判断をする力。あるテーマに関して自分の意見を出力する力。

以上です。
今年から樋口先生は、日常生活の中に感じられる倫理を見つけてきてくださいという課題を出し、
それに基づいてブレインストーミングのワークを始められました。
私もそれにつられて授業内哲学カフェに初挑戦してみました。
自由記述を見るかぎり、それらの試みはみごとに成功を収めたと言っていいんじゃないでしょうか。
だとするともうちょっと評価ポイントの上昇といった、目に見える結果が出てほしいところですが、
まあ同じ学生さんが評価しているわけでもないし、
学生がやるべきこと (課題) が増えれば授業の評価が下がるというのは普遍的真理でもあるので、
いたしかたないところでしょうか。
まあ、私たちの狙いはみごとに達成されたということで満足したいと思います。

さて、そして私が 「授業改善のための学生アンケート」 のなかで一番重視している、
授業外学習時間に関する集計結果です。

【授業外学習時間】
3時間以上・・・・・・・・・・・43人(53.1%)
2~3時間未満・・・・・・・・18人(22.2%)
1~2時間未満・・・・・・・・12人(14.8%)
30分~1時間未満・・・・・・3人( 3.7%)
30分未満・・・・・・・・・・・・・・3人( 3.7%)
0分(何もしなかった)・・・・・1人( 1.2%)
未記入・・・・・・・・・・・・・・・・・1人( 1.2%)

おおっっっっ、ブラボーッ
とうとう授業外学習時間3時間以上の人が50%を超えてくれましたっ
これってスゴくない?
たかが2単位の講義科目のために毎週3時間以上、授業時間以外に学習したことなんてあります?
私としては、学生の主観的な5点満点評価よりも、こちらのほうが大事だと思っています。
まあ本来で言えば、2単位科目に対しては毎週4時間の授業外学習が必須なんですが、
うちのアンケートでは 「3時間以上」 という項目までしかないのですからしかたありません。
それにしても他の授業で3時間以上の人が半数以上いるなんていう講義科目があるのでしょうか?
これは快挙だな。
これを達成できたのはひとえに樋口先生のおかげです。
樋口先生、ぜひ祝杯あげましょう
そして皆さん、半期間、私たちの授業にお付き合いくださいましてありがとうございました
「倫理学」 の授業が終わっても皆さんの倫理学はこれで終わりではありません。
これからも日常に潜む倫理を見つけ出し、問い続けていってください。


以上が2年前に書き終わって公開してあったはずの記事でございました。
こんなにも長いあいだお蔵入りさせてしまっていて申しわけありませんでした。
けっきょく樋口先生とも祝杯あげずじまいだったなあ。
今年はぜひ一昨年の分も含めて豪勢にお祝いしたいと思います。
そのためにはあの記録を更新しないといけないな。
どうやったらみんなに授業外でも考え続けてもらえるか、さらに工夫を凝らしたいと思います。


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