福島大学に就職するまでは、長らく横浜の塾で講師をしておりました。
中学生相手に英語と数学を教えていました。
哲学とかを勉強している人は、高校生相手に小論文の指導とか、
あとは社会科 (高校なら公民科) の講師を務めるのが普通みたいですが、
私の場合、人に教えるなら英語か数学のほうがラクだなあと思って、
もっぱらそればかり教えていました。
さて、そんな塾講師をやっていた頃に私が考えた発音の引っかけ問題です。
次の英文を見せて音読してみて、と頼みます。
Mr.Smith read a book.
皆さんも口に出して読んでみてください。
さあ、みんな正しく発音できたでしょうか?
この問題、中学生相手というよりも、
塾で一緒に働いている英語の先生たち相手に作った問題です。
read に三単現の s (うう、懐かしい
) がついていないので、
[ri:d] と読んだら間違いで、[red] と読まなければいけない (過去形)、
というのは中学校2年生でも半数くらいの子はわかります。
しかし、実はこの発音問題でチェックしているのはそこではありません。
注意を動詞の read に引きつけておいて、
別の単語の発音をチェックしようという底意地の悪い問題なのです
さて、皆さんはこの引っかけ問題に引っかからずにすんだでしょうか?
もう一度口に出して読んでみましょう!
たぶんわからない人は全然わからないだろうと思います。
塾の英語の先生たちもほとんどの人が間違えていましたし、
間違いを指摘されても意味がわからないという人がけっこう多かったです。
その意味で、これは日本人の英語に共通した根本的欠点ではないかと思っています。
この問題でチェックしていたのは、Mr.Smith の読み方です。
本来この人名は、1音節しかありませんので発音問題の対象にすらならないはずなのですが、
ほとんどの日本人はこれを、
「ミスター・【ス】ミス」 と 最初の 「ス」 にアクセントを置いて発音してしまいます。
そう発音した時点でこの語は [sumiΘ] と2音節の単語となってしまいます。
Sumith というスペルの語であればそう発音することも可能ですが、
Smith ですから母音は i しかありません。
したがって、この人名は 「ミスター・ス【ミ】ス」 と、
「ミ」 にアクセントを置く以外の読み方はありえないのです。
(というか1音節の単語なので本来アクセントという概念が成立しえない。)
しかし、私が習ってきた英語の先生たち (日本人) はみんな
「ミスター・【ス】ミス」 と発音していました。
けっこう流暢に英語を操る先生が Mr.Smith だけはなぜか日本流なのです。
これがカタカナ英語の落とし穴だと私は思っています。
日本語はすべての子音に母音がつき、全部が音節になってしまいますので、
「Smith」 は 「スミス」 となって、3音節の単語に変わってしまいます。
そうすると理論的には 「ス」「ミ」「ス」 のどこにでも
アクセントを置くことが可能になってしまうのです。
ちょっと英語を勉強した人なら、
少し長めの単語だったらアクセントはどこかを気にしてちゃんと調べるのですが、
この1音節の人名はなぜかみんな 「ミスター・【ス】ミス」 になってしまうのです。
まあ、私が英語を習ったり教えたりしていた20年ぐらい前の話ですので、
今はもう Mr.Sumith なんていなくなっているかもしれません。
小学校をはじめとしてネイティブ・スピーカーが各クラスに入ってくれているようなので、
みんな Mr.Smith になってくれているのでしょう。
だったらそれはけっこうなことです。
あとは私と同世代のロック少年少女の皆さん、
子どもたちの前で 「エアロ【ス】ミス」 なんて言わないように気をつけましょう。
中学生相手に英語と数学を教えていました。
哲学とかを勉強している人は、高校生相手に小論文の指導とか、
あとは社会科 (高校なら公民科) の講師を務めるのが普通みたいですが、
私の場合、人に教えるなら英語か数学のほうがラクだなあと思って、
もっぱらそればかり教えていました。
さて、そんな塾講師をやっていた頃に私が考えた発音の引っかけ問題です。
次の英文を見せて音読してみて、と頼みます。
Mr.Smith read a book.
皆さんも口に出して読んでみてください。
さあ、みんな正しく発音できたでしょうか?
この問題、中学生相手というよりも、
塾で一緒に働いている英語の先生たち相手に作った問題です。
read に三単現の s (うう、懐かしい

[ri:d] と読んだら間違いで、[red] と読まなければいけない (過去形)、
というのは中学校2年生でも半数くらいの子はわかります。
しかし、実はこの発音問題でチェックしているのはそこではありません。
注意を動詞の read に引きつけておいて、
別の単語の発音をチェックしようという底意地の悪い問題なのです

さて、皆さんはこの引っかけ問題に引っかからずにすんだでしょうか?
もう一度口に出して読んでみましょう!
たぶんわからない人は全然わからないだろうと思います。
塾の英語の先生たちもほとんどの人が間違えていましたし、
間違いを指摘されても意味がわからないという人がけっこう多かったです。
その意味で、これは日本人の英語に共通した根本的欠点ではないかと思っています。
この問題でチェックしていたのは、Mr.Smith の読み方です。
本来この人名は、1音節しかありませんので発音問題の対象にすらならないはずなのですが、
ほとんどの日本人はこれを、
「ミスター・【ス】ミス」 と 最初の 「ス」 にアクセントを置いて発音してしまいます。
そう発音した時点でこの語は [sumiΘ] と2音節の単語となってしまいます。
Sumith というスペルの語であればそう発音することも可能ですが、
Smith ですから母音は i しかありません。
したがって、この人名は 「ミスター・ス【ミ】ス」 と、
「ミ」 にアクセントを置く以外の読み方はありえないのです。
(というか1音節の単語なので本来アクセントという概念が成立しえない。)
しかし、私が習ってきた英語の先生たち (日本人) はみんな
「ミスター・【ス】ミス」 と発音していました。
けっこう流暢に英語を操る先生が Mr.Smith だけはなぜか日本流なのです。
これがカタカナ英語の落とし穴だと私は思っています。
日本語はすべての子音に母音がつき、全部が音節になってしまいますので、
「Smith」 は 「スミス」 となって、3音節の単語に変わってしまいます。
そうすると理論的には 「ス」「ミ」「ス」 のどこにでも
アクセントを置くことが可能になってしまうのです。
ちょっと英語を勉強した人なら、
少し長めの単語だったらアクセントはどこかを気にしてちゃんと調べるのですが、
この1音節の人名はなぜかみんな 「ミスター・【ス】ミス」 になってしまうのです。
まあ、私が英語を習ったり教えたりしていた20年ぐらい前の話ですので、
今はもう Mr.Sumith なんていなくなっているかもしれません。
小学校をはじめとしてネイティブ・スピーカーが各クラスに入ってくれているようなので、
みんな Mr.Smith になってくれているのでしょう。
だったらそれはけっこうなことです。
あとは私と同世代のロック少年少女の皆さん、
子どもたちの前で 「エアロ【ス】ミス」 なんて言わないように気をつけましょう。
「_ ̄ ̄(.) ̄ ̄_(えあろsみぃ~s)」って感じなのかな (・_・?
6音節の高低で書くとちょうど逆で、「 ̄___ ̄_」 という感じになるべきなのでしょう。
たぶん 「エロミス」 か 「アラミス」 という感じの発音になるんじゃないかなあ。
昔クリッツ(Kriz)という苗字の上司がいましたが、(スミス同様?)アクセント・抑揚のない平坦な発音が正解でした。
エアロスミスは、「 ̄__ ___」かな。
というか、1音節なんだから [smiΘ] や [krits] で1つの音なんだよね。
だから原音の場合、抑揚とか高低があるわけはない。
ただ、それを日本人に向かってどうやって表現し、
どう理解してもらうかというところが難しいわけで。
Smith や Kriz を普通の日本人が聞いたら (TOEICで985点も取る人ではなく)、
「___」じゃなくて (それって最近の子たちの 「彼氏」 だよね)、
「ス【ミ】ス」「_ ̄_」って聞こえるんじゃないだろうか。
あるいは、「クリッツ」 ってわりと原音に近いかもしれないので、
それと同様 「スミッス」 って表記してあげるのがわかりやすいかも。
ついでに提案すると、「th」「Θ」を、カタカナで「スァ」(ンク・thank)、「スィ」(ンク・think)、「スゥ」(ロウ・throw)、「ズェ」(ム・them)、「スォ」(ート・thought)と表記すると、「s」の音と区別ができて、日本人の英語が上達できるんじゃないかい。
その通りです。「スミッス」 をできるだけ短く、速く言うのがコツです。
でも「ッ」が入っていることによって、母音がどこにあるのかがハッキリするという手です。
Kriz は 「クリッツ」 と表記されるので、原音に近くなりますが、
Chris は 「クリス」 と表記されるので、やはり 「【ク】リス」 と発音されています。
「クリッス」 なら原音に近いのに。
「クリッツ」 も 「クリツ」 と表記されていたら、
やはり 「【ク】リツ」(=「区立」) と読まれてしまっていたことでしょう。
「th」「Θ」 に関してはあきらめています。
「スミッスゥ」 の提案はわからなくはないけど、
せっかく1音節にこだわってきたのに、[smiΘu」 と語尾に母音がつけられてしまい、
結果として 「スミッ【スゥ】」 という新たなカタカナ英語の出現を招いてしまいそうです。