まさおさまの 何でも倫理学

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共通領域 「倫理学」 授業公開後の検討会

2013-07-02 19:08:49 | 教育のエチカ
先々週に授業公開した共通領域の 「倫理学」 ですが、
授業終了後に検討会を開いてもらいました。
授業参観した先生方は9名、検討会に来てくださった方は6名です。
(うち1名は開始時間をまちがえていて閉会間際にいらっしゃいました。)
10年前に 「授業公開&検討会」 をやったときは第1回だったということもあって、
授業参観者が40名、検討会出席者も30名くらいいましたが、
それだけいらっしゃるとほとんど自己紹介を一通り回すくらいで時間が尽きてしまいましたので、
本来はこれくらいの人数でやるのがいいのではないかと思います。

検討会では、やはり私が授業の最初に投げかけた発問に対して感想や意見が集中しました。
いきなりの問いかけによって価値判断と事実判断の問題がクリアに浮かび上がってきた、
最初に書かせることによって授業に引き込むことができていた、
といった点を評価していただけたのはありがたいことです。
これの出所は私が以前から取り入れている手法で、論文にまとめたときには、
「シンキング・ワークシート」 と名づけていました。
あらかじめ学生に予備的な質問を投げかけ、それについて考えさせておくことによって、
学生の興味・関心を喚起し、その後のこちらからの説明に集中し、
より深く理解できるよう準備を整わせておくための方法論です。
これは講義の最後に書かせる感想や質問とはまったく機能の異なるものです。
特に今回は価値判断を書かせた後に事実判断を書かせて相手の意表を衝くという、
ちょっと意地悪な出題の仕方をしましたので、よけいにインパクトはあったでしょう。
先生方からも 「自分もまんまと引っかかってしまった」 と恨み言が聞かれました。

この手法に対して、学生がすでに持っている知識やイメージや感覚を前提として出発し、
それを認識へと高めていくという授業のつくりになっていると分析してくれた方もいらっしゃいました。
たしかに倫理学という学問は何でもゼロから教え込まなくても、
学生たちがなんらかの 「常識」 を有しているということを前提に授業を組み立てられる、
ということがしやすい学問なのかもしれません。
また、自分の授業でも発問は取り入れているが、
個人作業の時間をあんなに取っていないかも、と指摘してくれた方もいらっしゃいました。
それに関連して、書く時間を指定していなかったがそれはなぜか? という質問もいただきました。
彼らがどれくらい書く時間が必要かが読み切れないから、というのがその問いに対する答えですが、
こういう発問に答えてもらうというやり方をしたのは今回が初めてでしたので、
純粋に予想が立たなかったというのもありますが、
書いてもらうというやり方の場合、ひとりひとり書くスピードがまったく違うということは、
これまでの長い看護学校での経験でわかっていましたから、
どちらにしても時間を指定することはできなかったし、しなかったでしょう。

板書量がピッタリ黒板4枚分だったのは計算通りですか? という質問もいただきました。
これも私はふだんプリントを配付したりはしないので、
プリントに載せなかった詳細情報を板書してみたらちょうどその量になったのはただの偶然です。
また、内職している学生がいないのは何か工夫をしているのか? という質問もいただきました。
これに関しては、最初に問いを提示しワークシートに書かせたことによって、
授業への集中度を高めることができたのかなあとも思いますが、
それ以外にも板書をさせるなど学生に作業させる時間をところどころ取り入れるのは、
講義に集中させるのにいい方法なのかもしれません。
学生の様子を観察していた方からは、それまで寝ていた学生が、
板書が始まったところで急に起きてノートに書き始めていたということも教えてもらいました。

最初の発問のうちの問2に関して私が 「テストに出ます」 と言っていたのも、
集中力を高めるための手だったんですか? と質問されましたが、
それはたんに本当にテストに出すのでそう教えてあげただけで、
実際あの日は問2の答えは時間内に教えてあげたりはしませんでしたので、
あの一言で集中力が増したということはなかったのでしょう。
板書が終わって後半ダレたときに冗談や問いかけなどを入れて授業の雰囲気を立て直していた、
という指摘もいただきましたが、これも特にそのことを意図していたつもりはなく、
授業時間が余ってしまいそうだったので、ムダ話でむりやり引き延ばしていたというのが実態です。
自分としてはヒヤヒヤものだったところが、
端から見ていると計算され尽くした結果のように見えたというのは、
たいへんありがたい結果オーライです。

全体的には、何も授業していないうちのいきなりの問いかけから始まって、
盛り上がり部分 (「和田移植」 のところ) が明確に設定されているところなど、
授業の組み立てに対して皆さまから高い評価をいただくことができました。
個人作業時間をどうコントロールしたらいいのかといった今後に向けての課題も明らかになりましたし、
何よりも前回書いたような明かな授業内容のミスも指摘していただきましたので、
私としてはたいへん貴重な時間となりました。
もっと時間があれば、もっといろいろと修正すべき点についても指摘いただけたのかもしれませんが、
お忙しいなか参観してくださったり検討会に参加してくださった先生方にもう一度感謝申し上げます。
私も可能なかぎり他の方の授業公開&検討会に参加しなければと思いました。


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