これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

自衛隊日報問題

2018-04-30 18:14:48 | 社会問題
 自衛隊の日報が、最近また問題になっていますが、PKOとして海外の紛争地域に派遣された自衛隊の日報は絶対廃棄してはならない物であり、数十年間は公開してはならない書類だと私は思います。

 我が家には、1939年のノモンハン事件に父が中隊長として参戦した時の日報(戦闘記)が残されています。父が自分で二部作成し、一部を自分で保管してきたものです。
 その日の戦闘状況と、部下がその日何人戦死し、何人負傷した等々が生々しく書かれています。サラリーマンの出張報告書とは異質のものです。命がけの記録です。父が死んで30年たちましたが、私は捨てられずに保管しています。

 幸いにも、問題になっている海外派遣では戦死者は出ませんでしたが、戦死者が出た時の日報を破棄していたら、自衛隊の幹部は遺族に何と詫びるのですか?
 私は右翼ではありませし、自民党に投票したことも有りません。むしろ、健全なリベラルだと自負してきました。そんな私でも、紛争地域に派遣された時の日報を、政争の道具にする野党の姿勢は許せません。


 国際連合平和維持活動(PKO)は1948年から始まりました。二人で殴り合いの喧嘩をしているとします。「もう喧嘩はやめようか!」と言う事になり、PKOの派遣を要請する事にしました。初期のPKOは二人の間に入って、殴り合いが再発しない様に監視するのが役割でした。万一、殴り合いがまた始まったらPKOはさっさと撤退するのがルールでした。

 1994年、ルワンダに派遣されていたPKOが、状況が悪化して中立の立場を維持出来なくなり撤退しました。その結果、ルワンダでは50万人~100万人が虐殺されたと言われています。「撤退なんかするから大虐殺が起こった!」との国際世論が高まりました。

 その後、国連はPKOの方針を大幅に変更しました。 まだ二人が激しく殴り合いをしている時でもPKOを派遣する様になり、場合によっては、「お前は少しやり過ぎだ!」とPKOが片方を殴り付ける事も出来る様にしました。 (この変更によって、PKOは危険な任務もする様になり、負傷者と戦死者が増加しました。)

 民主党政権時代(2009年~2012年)には、PKOは既に危険な方向に変質していましたが、民主党政権は派遣していた部隊を撤退させなかったと記憶しています。民主党時代には、日報を公開していたのですか?

 現在の野党の国会議員には民主党出身者が大勢いますが、自分たちが政権を握っていた時に、国連にPKOのルールを元に戻す様に働き掛けなかったですよね! 野党の国会議員の皆さん、二十世紀の良き時代のPKO、すなわち『PKOは中立な部隊で戦闘の無い地域に派遣されるもの』が正しいと思っているのですか?
 実は、私は『PKOは中立な部隊で戦闘の無い地域に派遣されるもの』が正しいと思っています。然し、意固地にこの主張をして、国際的に我が国が孤立するのは好ましく無いと考えています。


 アフリカなどの後進国は世界経済から段々取り残され、自分たちで産業を起こすことがますます困難になっています。一方では、中国製やロシア製などの武器が安価に多量に流入するようになり、(我が国の戦国時代の大名の様に)権力者は敵の領土や富を奪って豊かになろうと思い、若者は就職口などないので、兵士になって権力者の『おこぼれ』にありつこうとする。

 後進国の中には戦国時代に突入する国が、今後も有ると予想されます。将来、新たなPKO派遣要請があり、諸般の国際情勢から自衛隊を派遣せざるを得なくなる事が想定されます。派遣された自衛隊員が正直な日報が書ける様に法整備して頂きたい。『日報を破棄したら厳罰に処し、30年間ほど保管し、その後は公開する』趣旨の法も必要と考えます。

 我が国は近年、PKOの費用の約10%(約750億円、中国よりわずかに少ない第3番目)を負担しています。将来、国連で新たなPKOの派遣が決議されるかも知れません。何時も、金は出すけど兵隊は出さないと言えますか? 野党の国会議員の皆さん、貴重な税金を国連に毎年拠出するのですから、我が国の国際的な地位を維持/向上するために、実りある議論をして頂きたい。

 揚げ足取りの議論は、もうウンザリです!


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