地域福祉関係の団体の機関紙への投稿依頼があり、やっと原稿を書き上げました。
一部修正してここにも掲載します。
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自宅の近くに空き地になっている土地があります。ここで暮らしていた家族とは30年ほど前から関わりがあり、多くのことを学ばせてもらいました。そこを通るたびに学びを思い返します。
私が精神障害者支援に従事していた時、ある方から相談を受けました。「自分が病気で余命半年と宣告され、夫は施設に入所、息子は障害がありボランティアの支援で一人暮らし。娘(A)には障害があり、自分がいなくなると娘一人での生活が困難なので支援してほしい。」との訴えでした。
その後、近所の方から「両親が相次いで亡くなりAさん一人で生活が破たんしている」と連絡をもらい、Aさんへの支援に対応しました。当時は今のような支援制度は皆無で、必要な支援を一から始めなければなりません。ホームヘルプ制度もなく、ボランティアに対応してもらいました。普及が始まったケアマネジメントの手法が役に立ち、Aさんの事例を通してケアマネジメントを学び、それを活用してホームヘルプをはじめいくつかの支援策を構築することができました。Aさんは、新たに制度化された支援サービスなどを利用して10数年一人暮らしを続けましたが、今は施設に入所しています。暮らしていた家も、成年後見制度を利用して処分できました。
Aさんとの関わりで学んだケアマネジメントは、実践例として報告し、そこから新たな学びを得ることもできました。大学院に通っていた時の公開講座での事例としても取り上げられ、そこでも支援者の姿勢について多くを学ぶことができました。支援業務に当たっていた25年間で相談に対応した件数は2千件を超え、それぞれから自分では体験し得ない生きざまを聞き、その関わりの中で支援内容や支援の姿勢などを学び、より豊かな自分になってきたと感じています。
今もボランティアとして、24時間支援が必要な方がサービスを利用しながら一人暮らしを続けているのを見守り、その生き方から困難があっても人としての尊厳を失いたくないという強い意志を学びました。
様々な人との関わりが自分自身を豊かにしていくことにつながり、今の役割をうれしく思っています。
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