今日は七夕、50年間の相談支援を振り返った時に七夕に関するエピソードもいろいろあります。その中の多くは、精神障害者のグループ活動に関わっていた時のものです。
1980年、私が保健所に異動した年に在宅の精神障害者のソーシャルクラブ活動(グループ活動)が始まりました。これを行うために相談員が1名増員で、そこに異動することになったわけです。当時は、病院のデイケアも実施されてなく何もサービスがない状態で、在宅の人たちから行く場所が欲しいという希望が出されていました。そんな要望にこたえる場として、この活動が取り組まれました。これも先例がほとんどない状態から手探りで支援を考える取り組みでした。
週1回、9時から午後3時までを基本の活動時間としていました。
プログラムは、レクリェーション、創作活動、料理、スポーツなど多様で、利用者の希望を聞いて組み立てたり、スタッフから提案したりと手探りで作りだしていきました。
この活動には、保健所にいる間、ほとんどの期間関わってきました。どうしたらみんなで楽しく過ごすことができるのか、ここから学んだことも多くあります。自分も利用者と同等で一緒に楽しむということが大切だと学びました。料理は保健所の栄養士に指導してもらい、ここでもいろいろ覚えました。書道や絵画も、保健所の職員に得意な人がいるのでその人に指導してもらいながら私も一緒に書きました。カラオケが流行し始めた時で、歌いたいという希望が強く、カラオケ機材一式を備品として購入しました。レーザーディスクのカラオケ機材で、そんな機材の操作が好きな利用者がいたので、これも一つの役割で任せました。歌いたい人が多く1人2曲とか制限しながら、私も一緒に歌いました。スポーツは、卓球は用具が揃っていたのでいつでもできました。インディアカという種目がありますが、これもよくやりました。80年代の前半ころは若くて活発なメンバーが多く、ソフトボールやバレーボールも時々やっていました。
季節の行事も大切にしてきました。クリスマス会は人気メニューの一つでした。桜が咲けば花見に行きました。七夕もメニューの一つでした。短冊に書いて竹に吊るすこともあり、清水駅前の七夕まつりを見物に行くこともありました。七夕などのように保育園でやるような行事を大人の集まりであるグループ活動でやる意味があるのかという疑問もありましたが、実施してみればみなさん子どもの頃に帰ったように楽しんでいる姿が見られました。何よりも季節感を大切にすることで日々の生活にメリハリをつけることが必要だと感じました。
年に1回、1泊旅行にも取り組みました。最初はキャンプ場でテントを張ってキャンプファイヤーを楽しむという活動でしたが、その後は国民宿舎などの安い宿を利用するようになりました。参加者の中には、夜眠れない人もいて徹夜でお付き合いすることもありました。
病院デイケアも、高齢者のデイサービスも何も行われていない時に手探りで実施したグループ活動でした。20数年間この活動に関わってきましたが、そこから得たものは多くありました。グループ活動のノウハウは身体にしみ込んでいる感じです。スタッフも利用者も対等に一緒に楽しむことが何よりも大切です。また、自分自身にとっては、レクリェーションの進め方はもちろん、調理、各種の創作活動、スポーツなど多くのことが体験でき、それらが自分を豊かにしてくれるものであったことです。
七夕の日にそんなことを感じています。
清水駅前の七夕まつり(2019年撮影)
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