まちとも こころのおもむくままに

==ボランティア時々写真撮影==
日々の暮らしの中で感じたこと、時々撮る写真などを綴っていきます。

退院できない人たち

2018-02-04 13:29:15 | 障害者福祉

(遊水地にて)

昨夜(2/4)Eテレで、福島第1原発事故により解放された人たちがいるという番組を放映していました。
原発近くの精神科病院に入院していた人たちが転院を余儀なくされ、その多くが転院先の病院で入院治療が必要ない病状の人たちと診断されたというものでした。
転院先の病院から退院して一人暮らしを始めた人、退院に向けて支援を受けている人、その人たちの家族の思いなどをていねいに取材した番組でした。

なぜ入院治療が必要ない人たちが入院を続けざるを得ないのか、この国の精神科医療への姿勢を歴史的にとらえることもまじえて伝えていた番組でした。

まちともは、30年余にわたって精神障害者支援に携わってきました。
その内容は、治療できるように支援することから、退院に向けた支援、地域生活を送る上での生活支援、就労に関する支援など、治療から生活支援まで多岐にわたるものです。
30年、40年と入院していた人たちが退院して生活できるように支援してきたケースはいくつもあります。
退院しても住む場所がなければ、グループホームを作る、昼間行く場所がなければ共同作業所を作る、というように支援のための資源作りも行ってきました。
その過程では、地域社会から設置反対の「抗議」を受けて断念せざるをえないこともありました。

そして、今まだ多くの人たちが入院の必要がないのに精神科病院の閉鎖された空間に置かれていることに怒りを感じます。
まちともは、仕事で精神科病院の閉鎖病棟や刑務所の中に入ることがありました。
どちらも構造は似たようなものです。
鉄格子と鍵で閉鎖された空間です。
さすがに精神科病院からは鉄格子が消えてきましたが、病棟に入るまでには複数回鍵を開けなければ入れないところが多くあります。
精神科病院で実習する学生の指導をする時に聞かれる感想は、鍵の開け閉めに衝撃を受けたというものがよくあります。
病気治療ということで、長期にわたって閉鎖された空間に置かれている人たちが多くいることを知ってほしいです。

どうしてこのような状況が生じているのか、要因は多々あります。
気になるのは、医療関係者の中に「いまさら社会に出て苦労するより、病院にいた方が楽だ」と考えている人がいること、「退院したいと訴えることを病気が治っていないから」ととらえることに何の躊躇も感じない人がいることです。
長期入院している人たちの中には、「社会に出て苦労するより、ここにいた方が良い」と思っている人もいます。長く一般社会から離れて、地域で生活することに不安を感じるのは当然のことです。
そこを理解し、不安をなくし、退院に向けたモチベーションを高めるのが医療関係者の役割ではないかと考えます。

実際に長期入院していた人が退院して良かったこととして言っているのは、「熱いラーメンが食べられてうれしい」というようなことです。
昨日は恵方巻を食べた方もいると思いますが、長期入院の人たちの中には、恵方巻を知らない人もいます。恵方巻が一般化したのは古いことではありませんから、10年、20年と入院している人の中にはそれを知らない人がいます。もちろん食べたことがない人は多いでしょう。
退院して良いと感じるのは、社会で当たり前にできていることが自分もできるということを実感できることではないでしょうか。

昨夜の番組を見て、このブログを読んでいただいている皆さんにもぜひ知っていただきたいとの思いから書きました。


写真サークルでおしゃべり

2018-02-03 21:13:08 | ボランティア

(参加する前に遊水地で1枚)

今日は、月1回の写真サークルの日でした。
この間の作品を持ってきて、いいね!と話し合います。
メンバーは精神障害の人たち。
障害者とは言っても、一眼レフを持っているのが条件なので、それを購入できるだけの経済的に自立した人たちです。
それぞれ普通に仕事をしているので、土曜日の夕方に集まっています。
まちともは、かつて障害者支援に長く携わり、障害の状況を理解して適切に対応できることと、写真撮影にも詳しいということで、ボランティアで参加するようになりました。

今回はインフルエンザの関係もあって参加者が少なかったですが、それぞれの写真談義に熱がこもります。
ある人は、露出をマニュアルにしていろいろ試してみたと言います。
同じものを撮っても、露出オーバー、露出不足いろいろおもしろい画像ができるねと楽しそう。
ある人は、古い喫茶店の雰囲気が好きと、同じところを焦点距離を変えて何枚も撮っています。
どこにピントを合わせたら、いい画像になるか試してみたと言います。
それぞれが自分のめざす絵作りを楽しんでいます。

そんなことをおしゃべりしながら、2時間近くがすぐに過ぎてしまいました。
次回までに「梅」をテーマに作品を持ち寄ろうということで、今日のサークルは終了です。
他者との関係づくりが苦手な人もいますが、サークルの中では普通にお話してます。
障害のあるなしにかかわらず、同じ趣味を持って自由におしゃべりできる仲間がいることは大切ですね。
梅の時季、まちともも梅の作品を持って次回参加するのが楽しみです。


自分の住んでいる地域の地域包括ケアシステムを考える

2018-02-02 21:27:33 | 地域福祉


月曜日に地域包括支援センターの運営に関する会議があり、その資料が送られてきました。
8か所の地域包括支援センターが対象となり、それぞれが取り組んできた事項について報告と意見交換を行います。
地域包括支援センターの取り組みに対して、適切に助言するのが会議の目的です。
役割を果たすため会議の資料の読み込みは大切です。

団塊の世代の人たちがすべて後期高齢者となる2025年を一つの目安として、それぞれの地域の状況に応じた地域包括ケアシステムの構築がめざされています。
地域包括ケアシステムは、介護が必要になっても、住み慣れた地域で暮らし続けられるようにしようという仕組みです。

その中で、大きな役割を担うのが地域包括支援センターです。
それぞれの担当地域でどのようなシステムを作っていくのか、多様な課題をかかえながら少ない人員で取り組みが進められています。

支援センターごとにA3のペーパーに、課題と実践状況、今までの会議で提起された意見とそれへの対応が記載されていて、その経過から必要な助言をまとめる作業を行っています。
全体を概観して感じるのは、地域の住民団体等との連携はかなり綿密に行われていますが、医療機関、介護支援の事業所等との連携には課題が多いということです。

まちともが住んでいる小学校区は東・西・北の三方を山に囲まれ南に開けた南北5キロくらいの地域で、人口は1万人、後期高齢者が1500人余の地域です。
そこに内科の医療機関は1か所しかありません。多くの人が学区外の遠方の医療機関に受診しています。学区唯一の内科医療機関は訪問診療を行っていません。
市内の医療機関の偏在は顕著です。
そのような事情があるところで、医療・介護・地域の連携による地域包括ケアシステム構築は大変難しい取り組みです。

地域包括支援センターが苦労しながら取り組んでいる課題について、助言というよりも、一緒に解決する手立てを考えていくのが役割かなと思っています。

そんなことを考えながら、資料の読み込みを行っています。


天気の神様 ありがとう

2018-02-01 16:59:32 | 天文・気象


昨夜の皆既月食は素敵でした。
天文現象を観測する時は、天気に左右されますね。
昨夜も、当初は曇りの予報が出ていて、見られないかなと半ばあきらめていましたが、しっかり見ることができました。
しかし、皆既月食が終わる頃から雲がかかって、皆既月食から普通の満月に戻るところは見られませんでした。
皆既月食に至るまでの様子が見られたので良かったです。
天気の神様、ありがとうという感じです。

月の撮影は一眼レフでより鮮明にと思っている方もいると思いますが、まちともはコンデジで撮っています。
一眼レフの長い望遠レンズは、年金生活の私にはとても手に入りません。
コンデジなら、40倍とか50倍のズームが手に入ります。
この月の撮影は、だいぶ使い込んだ25倍ズームを目いっぱいにして行いました。

曇りの予報でしたから外で撮るのは考えてなく、自宅のベランダに出たり入ったりしながら撮りました。

好きな画像は、皆既になる直前のもの。
日食ならダイヤモンドリングといわれる現象になりますが、月食では全体が赤褐色になり淵のごく一部が輝いている感じになります。



皆既月食の真ん中あたりのこんな画像も好きです。



その後、そろそろ皆既が終わるころ、ベランダに出たら月が見えません。
雲に隠れてしまい、今回の観測は終了です。