- 松永史談会 -

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図書館より借りだした「花井卓蔵全伝・上下」

2014年01月18日 | 教養(Culture)
大物弁護士、衆議院副議長であった花井(1868-1931)


明治13年頃長谷川桜南塾に学ぶ。同年桜南の命名で卓蔵と改名。
高楠順次郎と花井卓蔵とは「土百姓」、「悪代官」と呼び合う仲だったようだ。ともに広島県平民だったが、花井は三原・浅野氏家臣の出身。

いろいろ学ぶべき点がある内容で、社会史の史料としても貴重だ。
明治10年代前半まで何故小学校に通いながらなおかつ漢学塾に行く必要があったのかといった点は現代のわれわれにはなかなか理解しがたいところだ。

ちょっと斜め読みしたところ、「刑事弁護の第一人者」の項で花井はこう述べている。
刑法の精神は無限の復讐というところにはなく、情状酌量規定が示す通り「刑を持って罪を打つにはあらずして、刑を持って汝を救うという保護の観念」に支えられたもの。
事件の真相を解明し、かかる法の精神を活用することを重視する必要がある、と。
論旨が明快で、感動的な立論のできる弁護士だったようだ。

浄土真宗の大善寺@三原市に花井のお墓がある。



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