- 松永史談会 -

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高島平三郎『体育原理』育英舎、明治37

2014年01月24日 | 教養(Culture)
高島平三郎著作集の第三巻に「体育原理」が入っている。

『体育原理』 明治41年、第4版、育英舎
身体教育と精神教育の関係性を重視し、生理・解剖・衛生のみならず、倫理・心理・教育・社会・生物学等の基礎知識を踏まえた研究を提唱。体育に対する新しい認識を示したものとして真行寺朗生, 吉原藤助, 大熊広明『近代日本体育史』、1928において高く評価された。
本書は高島が大日本体育会体操学校校長(1902-1904年)在職期間中に体育教師用に書かれたもので、その後の我が国の体育思想に大きな影響を与えた名著(教師用体育教科書)だとされる。本書は真行寺朗生・吉原藤助『近代日本体育史』、日本体育学会、1928の中で正当に評価されている。


高島平三郎 著『体育原理』



[目次]
標題紙
目次
第一章 緒論 / 1
第一節 体育ノ必要 / 1
第二節 体育ノ目的 / 34
第三節 生活現象 / 36
第四節 人類生活ノ状態 / 39
第五節 身体ノ発育 / 46
第六節 心身相関論 / 54
第二章 本論 / 93
第一節 体育ノ範囲 / 93
第二節 学校体育ノ区分 / 96
第三節 体操ノ教育的価値 / 99
第四節 自由運動ノ教育的価値 / 103
第五節 技術運動ノ教育的価値 / 109
第六節 職業運動ノ教育的価値 / 118
第七節 運動教授論 / 126
第八節 疲労ノ現象ニ就キテ / 165
第九節 運動ト衛生トノ関係 / 196
第十節 学校衛生 / 200



第十一節 性育論 / 217
第三章 体育史 / 229
第一節 体育ノ起源 / 229
第二節 希臘ニ於ケル体育 / 232
第三節 中世紀ノ体育 / 254
第四節 近世欧羅巴ニ於ケル体育ノ興起 / 258
第五節 ダーツムースノ事業 / 263
第六節 ヤーンノ事業 / 271
第七節 プロイセンニ於ケル学校体育ノ興起 / 283
第八節 独逸ノ学校体操ニ於ケルスピースノ影響 / 284
第九節 プロイセンニ於ケル体操教員ノ養成 / 292
第十節 リングノ事業 / 301
第十一節 リングノ著業 / 314
第十二節 瑞典体操ノ特質 / 324
第十三節 我邦ニ於ケル体育ノ変遷 / 335

「国立国会図書館のデジタル化資料」より


筑波大の大場一義による本書の紹介が過不足なく行われている。大場は先学(たとえば今村嘉雄『日本体育史』)の評価を継承しつつ高島が当時流行した欧米の心身相関図式を援用しつつ体育、or体育教育の全体像を描き出した画期的な作品だったと述べている。




高島『体育原理』に言及した最近の研究論文(「真行寺朗生の体育思想」 (安田一郎教授退任記念号))
恩田裕:雑誌 「學校體育」

国家と体育(体育思想)に関してはM.フーコー風の論文を含め比較的多数ある。

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婦人文化

2014年01月24日 | 断想および雑談

婦人文化 創刊号~31号迄(30号欠) 30冊一括

藤浪鑑、高島平三郎、富士川游等、中山女性文化研究所、中山女性文化研究所(中山文化研究所)、大15-昭2、30

A5版 冊子タイプ 縁周りに薄シミ、角折れ、線引書込、蔵印等があるモノが各数冊程度あります。全体感:経年感あるが並程度

雑誌の副題「科学と宗教とを基本とせる」婦人文化


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