Mac Baren - Presbyterian Mixture 最喫と再評価

2022年　9月

今回のブレンドは　Mac Baren - Presbyterian Mixture
こちらのブレンドの最喫と再評価となります
ドイツのPlanta のブレンドになりますが　今はMac Baren で作られています

以前のレビューは　Presbyterian Mixture
こちらになりますが　今喫っているのはその時のバッチのものになります


2018年製造でしょうか…？






黄色い葉っぱが少しと　黒く小さい葉っぱも少し入っていて
一番量が多いのが　茶色の葉っぱになります
（黒いのがラタキアで　黄色いのがオリエントでしょうか？　そして茶色の部分がバージニアと考えたのですがまだ定かではありません）

コースカットということですが　やや硬めのリボンカット　という感じでしょうか
フワフワして詰めずらいということはありませんので　フランクメソッドで軽く詰めると良いです



このブレンド　2018年に喫ったものと同じものをまた開缶して喫っているのですが
再度また喫ってみて思うのは
以前喫ったときよりも甘さをしっかり感じるということです

以前のレビューを読み返してみてこのブレンドに対する認識も少し変わったように思います
以下その変更点とその理由を考えてみたいと思います


このブレンドには　独特の清涼感を感じるのですが
その清涼感がどこからやって来るのかが大きな問題になりそうです
その原因を探るのがこのブレンドを考えてゆく格好の方法となります


TRDC の説明を読むと　このブレンドには　アメリカのバージニアと　マケドニアのオリエントの混合物にラタキアが入っているのですが　ラタキアの存在はあまり認知されないようです
入っている量が多くないのも原因ですが　このブレンドのラタキアにはチップスグレードの葉先の部分のラタキアが使用されているようで　マイルドなラタキアになるようです

そんな説明が書かれており　あまりラタキアの効いていないEnglish という分類になります

この私も以前のレビューで　このブレンドをEnglish という位置づけに分類したものですが
今思うに　単にイギリス発祥のブレンドではありますが
オリエントの主張する　立派なBalkan であるという認識に変わりましたね


Greg Pease さん流に言えばそうなります
それほど　このブレンドにおけるマケドニアのオリエントはよく効いていると思います


ラタキアはあまり強くない
このブレンドにラタキアが入っていることは明白ですが　そう強いものではありません
スモーキーでスパイシーでターリィなラタキアの香りは極ごく控えめであり
本当に入っているのか？　という議論がなされてきたようです
しかしラタキアの存在は終盤に顕著でもあり　バックで緩く流れながらも
独特のウッジーな清涼感の一端を担っているのかとも考えるのですが　そこは定かではありません
しかし　チップスグレードの葉先部分のラタキアならばそういった特徴があるのかもしれません…


バージニアは甘いのか
以前喫ったときは　あまり甘さを感じなかったのですが　今喫うと結構な甘さを感じます
ブライトとレッドのバージニアの甘さだと思うのですが　オリエントの甘さも一緒に来ますので
どちらかというと砂糖のような甘さではなく　もっとハーヴィーな甘さと言えます

バージニアもマケドニアのオリエントもどちらにも甘さがあると思うのですが
バージニア自体の甘さと香りはぐっと穏やかになると思います

ですから　ブライトのレモンシトラスとグラスの風味であるとか　
レッドのヘイのテイストとタンジィなタバコ感　などと表現されるような
バージニア独特の風味には少し欠けるようなところがあり
モラセスのような軽い甘さを感じる程度になるでしょうか

それよりも強く甘さを感じる部分はオリエントによる甘さになるかと思いました



このウッジーな清涼感はどこから来るのか
このブレンドの大きな特徴として　ウッジーな清涼感があります
ミントのようなハーブのようなその爽やかな香りになりますが　かなり特徴的です
この香りがこのブレンドをバルカンたらしめる原因となりますが
マケドニアのオリエントによるところが大きいのだと考えます

マケドニアのオリエントに詳しいのではありませんが　Dubek(Dubec) と呼ばれるそのオリエント葉の特徴になるのかと思われます
Dubek (Dubec)
Another variety of Basma tobacco, Dubek comes from the Macedonian region of Greece. It has a light yellow leaf that is very aromatic and very sweet to smoke. Dubek tobacco is generally used to spice up pipe tobacco blends.

参考　https://dutchpipesmoker.com/tag/basma/

この方の記述を見ると
マケドニアのオリエント葉　は　Dubek と呼ばれ
その黄色い葉っぱは香りが強く甘いそうです

ですから　当ブレンドに入っている黄色い葉っぱはおそらくこのマケドニアのオリエントなのだと思われます　そしてそのハーヴィーな甘さと圧倒する清涼感はこのマケドニアのオリエントが原因になるのだと思われます



このところの私の考えになりますが
オリエント葉もハーヴの一種と考えた方が良いのかと思います
その事は　バージニアのシトラスの風味であるとかグラスの風味というものを考えた場合
本来バージニアであれオリエントであれ　生来より備わっている風味がハーヴのようなものであると考えると納得のゆく説明が得られると考えたからになります

もちろんそれ以外の後付けのハーブとか香料の香りもあるのでしょうが
その線引きは難しい部分があります



このブレンドにおけるウッジーな清涼感は素晴らしいのですが
後付けのミントであるとかそういった香料であるとは思えません
それほど自然な香りであり　まろやかなところがありますねオリエンタルな甘さもしっかり感じます

TRDC のレビューにおいてはこの部分に振れている記述はほとんどないのですが
このブレンドの一番の特徴はこの清涼感と甘さになります

この私はそれがオリエントから来るアロマと甘さだと思ったのですが
それには他の要素も考えられます

後付けの香りの部分は　このブレンドの香りがあまりにナチュラルなものですので
考えないことにしますが
それ以外で考えられる清涼感としては
ブライトバージニアのシトラス香が考えられます

どんなバージニアタバコでもそういったシトラスの香りを感じるのですが
それはバージニアにつきものの香りになります
ですからこのブレンドの清涼感がバージニアのそういった香りによることも考えられるのですが
それにははっきりと違和感を覚えます

それはその清涼感が立ち上ってくる頭の中の位置が違うからに他なりません…
何のことを言っているのかわからないと思いますが
以前この様なイメージ図を書きました


もう何度もこの図を載せていますが（一例です）
私の場合いつの頃からか　バージニアは右から真ん中にかけて知覚し
オリエントの場合はもっと左の方から香りが起ちあがります
ですからバージニアが燃焼したときに立ち上がるシトラス香はどうしても右端から感知します
バージニアの燃焼と同期しているのだと思いますね

それに対しオリエントの場合は真ん中あたりで感知するのですが
このブレンドの清涼感もその辺りから感知することになります
それと同時にこのオリエント特有の甘さも同じ部分で感じるのですが
その原因が燃焼の同期によるものだと考えます

煙はいろんな葉っぱが混じり合って出す味の集合体ですが葉っぱの大きさで時間差と強弱がありますので
そういった感覚は理由が付きそうです

その結果　このブレンドの清涼感はバージニアから来るものではないということを感じます

問題はラタキアになりますが
この部分の判別は難しくてよくわからないのも事実です
ラタキアからもある程度のウッジーな清涼感とスパイシー感があるとは思いますが
オリエントとの判別がよくわかりかねます

ただオリエントのその他の香りとか甘みを感じた時に一緒に感じるのもそういった清涼感になりますので　やはりオリエント葉から来る清涼感が大部分を占めるのだと思います


クロージングとして
このブレンドはオリエンタルに近いバルカンであると言えます
バージニアの甘さはさほど強くはなく　それよりもマケドニアのオリエントのハーヴィーな甘さの強く感じられるブレンドかと思います
ラタキアもさほど存在感はありませんがその落ち着きを感じるブレンドになってます
オリエントのウッジーな清涼感が大きな特徴ですが
その香りはごく自然で心地よい香りかと思いますね　違和感は感じません
そこは　Savinelli - Brunello Flake　とは大きく違うところで香料の添加を感じません

ですから　素晴らしいナチュラルなブレンドになっていると思いますね
清涼感はありますがバージニアとラタキア自体は地味なブレンドになりますので
このブレンドの甘さを感じることが出来るかどうかが好みの分かれるところかと思います

日本でも売ってますのでお勧めのブレンドであることは間違いありません
そんな再評価となりました
それでは　また